相談嫌い 〜Beratung? Nein, Danke!

今朝はいつもより少し早起きして、まだ聞いたことのない行き先を目指してSバーンに乗った。

ツォイテン(Zeuthen)という辺鄙なところだ。

そんなところに何をしに行ったのかというと、昨年からお世話になっている税理士の事務所の所在地がたまたまツォイテンだったのだ。

BVGでもベルリンABのチケットだけでは事足りず、追加にいくらか支払ってCゾーンまでのチケットを買わなければならなかった。

片道1時間、計2時間掛けて訪問したが、アポは30分ほどであっさりと終わった。

女性の税理士だったのだが、とても気さくで親切な人だったのには救われた。ドイツでこのような相談(Beratung)をしてもらって満足のいく結果だったことがほとんどないからである。

解雇されてJobcenterに失業保険の申請に行った時も、再教育コースについての相談に行った時も得るものがほとんどなくがっかりして帰ったものだ。

銀行の相談窓口もそうだったし、保険屋の話を聞きに行った時も全く同じ。

そのうちに「ナニナニ相談所」という名の付くものからはとにかく身を遠ざける癖がついてしまった。まぁでも経験が物を言うのでそれも仕方がない。

これまでのベルリン生活でそういうことが散々続いてきたおかげで、今日も半ば諦めに近い状態でゴトゴトとSバーンに揺られていたというわけ。

「あーあ、何のためにこんな辺鄙な場所まで足を運ばなきゃいけないんだ。ただでさえ時間がないのになぁ。」

とまぁ、こんな具合である。

コロナ騒動のせいで条件反射的に電車に乗り込む際に変に気が引けたりもするが、これも条件反射なのでどうしようもない。しかし、乗り込んだ電車はガラガラに空いていた。

ツォイテンの駅から徒歩で5分くらい歩いたところに事務所を見つけた。私が歩み寄ると、入り口付近でタバコ休憩を取っていた女性数人の中から担当者であろう人物が声を掛けてきた。

「Kitaiさんですね?どうぞ、先に上がっていてください。」

さすがドイツ。事務所に通され、出してもらったコーヒーを飲みながら暫し担当者を待つ。

コロナのせいか、ちょっと握手するのをお互い躊躇しつつも握手を交わして挨拶をする。

開口一番、「今日はどういうご用件でいらしたのでしょうか。」と担当者。
「相方からはあなたの方で私に質問したいことがある、と伺って来たのですが。。」と返事を返す。

やれやれ。コミュニケーションの行き違いというのはドイツ人同士でも起こるのだから、厄介なものだ。

もちろん、こんな遠いところまで足を運ぶに当たり、予め質問はいくつか用意して行ったので問題はなかったのだが、「聞いてないよー。」という気持ちが全くなかったと言えば嘘になる。

それにしても、税理士というのは他人の懐を整理して机の上にきれいに並べるのが仕事、というか赤の他人の収入やら生活スタイルやら思った以上にパーソナルな領域に入って仕事をしなければならないのだな、と改めて感じた。

幸運なことにその担当者とはとても気が合い、かなり具体的な内容のことまで話ができたのでありがたかった。

彼女と話したことで、自分の数年先のビジョンというか目標みたいなものも少しは形になった気がする。残念ながら収入を得ないと生きてはいけないシステムの中で生活をする以上、そこのルールに則って計画を立てていかなければならないからだ。

それにしても、改めて気付かされたことはドイツに何年住もうが、わかっていないことの方が多い、という事実である。

30分ほどの話し合いの中で初めて聞く単語がいくつもあり、恐らくそれらはドイツ人であれば普通にわかって当然の事柄なのだろうと思う。担当者も「わからないことがあればいつでも聞いて下さい。ひとつでも多く質問して頂く方が質問しないで放置しておくよりもいいですから。」と助け舟を出してくれた。それが彼女の仕事なのではあるが。

そんなわけで、いい担当者に当たったのも何かのご縁なので、これから先はわからないことがあればどんどん専門家に尋ねてみようと思った次第。

また無駄足になるかもしれませんけどね。

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