Hausmittel gegen Erkältung /ドイツの風邪対策

私を除く家族全員が風邪、それもどうやらインフルエンザに罹っている様子なので、このテーマで。

実は、昨年の年明けは「ドイツ人は風邪を引いたらどうやって治すのか?」をテーマにドイツ南部で撮影をしていた。ミュンヘン市内でインタビューをし、その流れでミュンヘンから車で1時間ほど離れたところにある養蜂場での撮影だった。

というわけで、番組名もそのまま「世界くらべてみたら」。

クリスマス休暇中で仕込みの時間はほぼなし。取材先とも細かな打ち合わせができていない(普通なら絶対にやりたくない)状態での撮影となった。

「ドイツでは風邪を引いたらグリューワインを飲むそうです。」ということを書いた在独日本人がいたらしく、手渡された台本にそれがそのまま反映されていたり。

ブログネタあるあるだ。いや、違うから。

大体、ネット上では「風邪を引いたら〇〇」という嘘だか本当だか分からないような情報が氾濫している。信じるか信じないかは受け取る側の責任でもあるが、それとは別に、昔から伝わる民間療法というものは必ずどこに行ってもあるように思う。いわゆる、「おばあちゃんの知恵」的なもの。

極端な話になるが、モスクワで風邪を引いたとき、命の水信仰のロシア人たちは、冗談抜きでアルコールを飲めない私に向かって「風邪引いたの?ウォッカ飲めば治るよ。」と真顔で言ったものである。治る、というか、ヘタすりゃ死ぬレベル。

ドイツにもHausmittel(民間療法)というものがやはり存在する。ビールの国ではあるが、少なくとも私の周りでは誰も風邪を引いたらビールを飲め、とは言わない。クリスマス時期に出回る香辛料のたっぷり入った赤ワイン、先ほどのグリューワインも同じだ。

知人に繋いでもらってミュンヘン近郊に取材に伺った先はオーストリア出身のご家族であったが、たまたま民間療法にとても詳しかった。

ご自宅で紹介してもらったのは、カモミールを用いた顔サウナやクヴァルク(じゃがいも)巻きというものだった。カモミールの顔サウナはベルリンの知人にも勧められてやったことがあったが、クヴァルク巻きというのは初耳。

クヴァルクをガーゼに塗布

クヴァルクはチーズとヨーグルトの中間のようなもので、炎症や腫れに効くそうだ。Quarkwickelはガーゼにクヴァルクをたっぷり塗って、そのまま首に巻いたり、膝に巻いたりする。喉の痛みにも効果があるらしい。

番組用にはドイツ、ということでわかりやすいKartoffelnwickel「じゃがいも巻き」を見せてもらった。

茹でて潰したじゃがいもを巻くKartoffelnwickel

Kartoffelnwickelは少し手間がかかるが、茹でたじゃがいもを潰して、タオルに乗せ、やけどをしないように同じく首に巻く、というやり方である。クヴァルクは冷湿布、じゃがいもは温湿布のようなものと考えればいい。

日本ではよくネギを首に巻けばいい、というが実際にやっている人に日本でもまだ会ったことがない。

カモミールの顔サウナ / Quelle: Jochen Tack/imago

カモミールはドイツの薬局で簡単に手に入る。Kamillenbad(カモミール風呂)やKamillenblüten(カモミールの花)と言えばわかる。

カモミールの効用には炎症を抑える・殺菌/抗菌作用・傷の治りを早める・鎮静作用・リラックス効果など、様々な効果がある。ドイツでは何かとカモミールが登場する場面が多い。

カモミールの花をお鍋で10分ほど茹でたものを火からおろし、バスタオルを頭から鍋ごと覆い、蒸気を逃さないようサウナ状態にする。5分から10分ほど続けると汗が滴り落ちるほど温まるし、鼻の通りもよくなる。殺菌作用のある蒸気を吸うことで喉の痛みも軽減されるとか。

これは実際にやってみたことがあるが、確かに気持ちがいい。冬の乾燥時には肌にも良さそうだ。ただし、やけどにはくれぐれもご注意を。

昨年の秋に初めてインフルエンザの予防接種を受けてみたが、そのおかげなのか今のところは軽い咳程度で済んでいる。今年の秋は子供たちにも予防接種を受けさせるつもりだ。

ドイツでは風邪を引いたり、インフルエンザに罹っても医者が薬を出さないことがほとんどだ。そもそも、小児科は薬の処方が皆無なのでずいぶんと足が遠のいている。

花粉の季節や風邪のひき始めには、いつだったかロケでご一緒したプロデューサーに勧められて鼻クリーンを使っている。鼻を洗浄するという至って簡単なものだが、就寝前と朝起きがけにするとかなり楽になるのでオススメしたい。


ドイツにも似たような商品があるようなので、ご参考までにリンクを貼っておきます。

水分補給を十分して、よく寝る、熱が下がっても2日ほどは安静にする。というのがドイツでは王道である。義母はチキンスープが風邪に効く、といって教えてくれた。病気の時は温かいスープを飲み、お茶を飲んで身体を休ませるのが一番なのだろう。

そんなわけで、冬休みは風邪っぴきの我が家です。皆さんもお気をつけ下さい。そういえば、いつもベルリン映画祭のこの時期に体調を崩しているような。。


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