Vollmond und Werwolf / 満月と狼男

人は天候や気候に思った以上に影響されやすい。

そして、自分が思っている以上に周囲の環境に影響されやすい生き物である。

ヨーロッパに住んでいると、明らかに南の太陽に恵まれている国の人たちと北の暗くて冬の寒さが厳しい人たちとの間には明らかな違いがあるように思う。

口数が多く、陽気な人々。理屈っぽく、根暗な人々。

ステレオタイプなイメージで申し訳ないが、この傾向は多かれ少なかれ見受けられる。典型的なイタリア人とドイツ人を思い浮かべればよくわかると思う。

それこそ人生の半分くらいをどちらかと言えば、北の暗い方で過ごしているわけだが、何度冬を迎えてもその暗さや寒さに慣れる気がしない。

だからと言って、太陽の燦々と降り注ぐ南の島に移住したいのか、と言えばそれはそれで何かが違う。

パリやロンドンではなく、ベルリンやモスクワが好きな時点で首を傾げられることも多い。

寒さや暗さ、といったこと以外に思い当たるのは月の満ち欠けだ。

思い返してみると、特に満月前後にハプニングに遭ったり、大喧嘩になったりすることが多いのだ。

なぜそんなことを覚えているのかと不思議に思う人もいるかもしれないが、自分の感情をコントロールできず、それについて書き留めていたりするからだ。

ベルリンのクロイツベルクを一晩中歩いていたのも満月の日。モスクワの路上で大喧嘩したのも確か満月の日。意味もなく泣きたくなるのも満月の日。

月に引っ張られて身体の中から日頃溜め込んでいる何かがいやが応もなく引っ張り出されるような感覚がなきにしもあらず。

なんでも月のせいにするのは責任転嫁だが、狼男が変身するのも満月の日だし、lunaticという「狂気」を表す言葉も「月=luna」が原語になって派生した言葉だ。月が人を狂わす、という考えが西洋では昔からあるようだ。

理性ではなく感情で動かされているような感覚にもなるので、こんな時は宇宙規模のスケールで考えれば幾分かは楽になるのかも、くらいで全てを引力のせいにしてしまうのが得策なのかな。

世の中にはこんな風に説明できない現象が多々あって、それはそれである意味人生を面白くしてくれる一要素なのかもしれない。

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