今回、夏休みを利用して2週間ほど南デンマークと北ドイツを移動しているが、国境沿いの町ではデンマーク語とドイツ語が普通に話されているのが印象的だった。
デンマークとの国境沿いにあるスーパーはデンマークのスーパー系列で全てデンマーク語表示。ラクリッツも盛り沢山。もはやデンマークにいるのかドイツにいるのかわからない。
デンマークに入る国境でのパスポート審査も流暢なドイツ語で行われたが、コロナ禍なので滞在期間と住所の提示を求められた。
Airbnbで借りた一軒家のオーナーもアクセントのないドイツ語を話し、とても親切で感じの良い人たちだった。
セナボー(Sønderborg)という町に寄ってからドイツに南下したが、そこのキオスクの女性と話をしたときに「国境沿いだから私の世代の人間はほぼドイツ語を話すわね。だってドイツ語のテレビを見て育ったのだから。でも、今の若い世代はドイツ語よりも英語を話す人が多いかな。」と言われて納得。
なるほど、若い世代が英語を好んで話す傾向はドイツでもおそらく同じことだろう。
北ドイツの小さな町、フーズム(Husum)にも5日ほど滞在するが、道を歩いていると「Husumhus」などデンマークのマイノリティー関連施設を目にした。
これもデンマークにいった後なので目に入りやすくなっているのだろうと思う。
ちょっと気になったのでシュレースヴィヒ・ホルシュタイン州のホームページでマイノリティー関連の情報に当たってみた。
Die Grenze zwischen Schleswig-Holstein und Dänemark ist kaum spürbar: Viele Menschen im Grenzgebiet sprechen deutsch und dänisch. Etwa 50.000 Menschen mit deutscher Staatsangehörigkeit bekennen sich in Schleswig-Holstein zur dänischen Minderheit.
Landesregierung Schleswig-Holstein
「シュレースヴィッヒ=ホルシュタイン州とデンマークの間の国境はほとんど感じることができない。多くの人がドイツ語とデンマーク語を話す。シュレースヴィッヒ=ホルシュタイン州では、およそ5万人がドイツ国籍を持つデンマークの少数民族として公式に認められている。」
ポーランドとドイツの国境とは何となく事情が違う感覚があった。恐らく歴史が影響しているのだろう。
デンマークとドイツのそれはもっとお互いに歩み寄っている雰囲気があるのだ。国境すぐのフレンスブルク(Frensburg)には小学校から高校までのデンマーク語の学校や新聞まであるらしい。
1920年以来、100周年を迎えるという国境関係。今年はコロナで少し遅れたそうだが、ドイツとデンマークのミュージシャンによるコラボ作品なども発表されているらしい。
“Leg dein Herz in meine Hand/Læg dit hjerte i min hånd”
訪れてみるまでは全く接点のなかったデンマーク。やはり百聞は一見にしかずで、実際に行ってみると発見が多い旅となった。
デンマークのテイストがなかなか良かった。建築様式やインテリアもどこか可愛くて落ち着きのあるものでとても居心地がいい空間だった。南デンマークの自然も素晴らしい。