日本に1ヶ月滞在した際に、子供たちとの日課は朝のEチャンネルだった。
7.25-7.30のデザインあ → → → ピタゴラスイッチ
を見るのがとても楽しみだったのだ。少し時間が早いので子供たちが体験入学中に毎朝見ていたことになる。
少し大げさかもしれないが、この5分間のためにNHKの視聴料を払ってもいいと感じたほどである。
それほどこの5分間という短い時間に流れて来る映像は素晴らしかった。
ミニマルな映像とその裏にある試行錯誤を重ねたストーリー。グラフィックも思わずため息が出るほどのクオリティーである。
デザインあの「かたち」シリーズ や「デザインの観察」には子供たちも画面に釘付けだった。
やかん、消化器、トランペット、天狗のお面などを絶妙なライティングで少しずつ見せていく。
「あ、これ知ってる!」「えーっと、なんて言うんやったっけ?」
見ているうちに徐々に全体像が浮かび上がってくるわけだ。
ピタゴラスイッチについてはもはや説明はいらないだろう。
こんなに素敵な映像を子供の頃から毎日目にしていれば何かしらの影響があるのではないかな。
そんなわけで、すっかりこの番組に影響された私は日本滞在中にデザインに関する書籍を持ち帰りたくなってしまった。
ピタゴラスイッチを手がけている佐藤雅彦の「プチ哲学」と「新しい分かり方」
どの書店でも目を引いた筒井美希の「なるほどデザイン」
の計3冊。プチ哲学は31のテーマに分けられ、それぞれにイラストが添えられたとても読みやすい本だ。巻末に添えられたエッセイも面白い。
佐藤雅彦氏が日常で出会った小さな事件や発見を日記として綴ったものだ。
何気ない日常から新たな発見をする、という作業は地道だが楽しい。毎日ブログ更新を続けていた際には道を歩きながら自分のアンテナが鋭くなっていくのが面白かった。
いつもの風景が少し違って見えるような気さえしたものだ。
仕事や旅行などでハードルが上がってしまった毎日更新。できる範囲で続けられればな、と改めて。
タイトル写真:©NHKデザインあ