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E-Scooter / 電動キックボードスクーター

ポーランドの首都ワルシャワやポズナンで見かけた電動キックボードスクーター。

観光客目線ではとても便利そうで魅力的な乗り物に映った。ワルシャワでは冬で寒過ぎたのと、ポズナンでは子連れだったため実際に使ってみる機会がなかったのが残念だ。

ワルシャワの目抜き通りシフィエントクシスカ通り

ここ数年で観光客が目立って増加しているベルリン。

なぜ電動キックボードスクーターが導入されないのだろう。

ワルシャワやポズナンでは何の問題もなくスムーズに導入されている印象を受けた。一番の理由は街がベルリンほど混んではいないこと。特にポズナンでは市内の運転マナーが歩行者優先で非常に良かったこと。とにかく、交通網でイライラしている人が少ない印象だった。

ポズナンを例に挙げると、シェアバイクもドイツ発のNextbikeのフランチャイズ一社のみが参入しているだけで、基本的にはステーション型になっているため、自転車がベルリンのように歩道に好き勝手に駐輪されていない。

電動キックボードスクーターにしても、おそらく現状では一社のみで回しているのだろう。歩道脇にきちんと並べられていたスクーターも特に邪魔だとは思わなかった。

ベルリンはシェアバイクひとつ取っても、何社もまとめて一斉に介入してきた印象が強い。しかも、街のあちらこちらにてんでバラバラに自転車を設置した感がある。

腹いせなのか、ただのイタズラなのかもしれないが、自転車が公園の木に引っ掛けてあったり、池に投げ込まれていたり、凍った池の上にわざわざ放置されていたりするのだからタチが悪い。

利用者のマナーも悪い。ただでさえ狭い歩道を塞ぐかのような駐輪の仕方なので、住んでいる者にとっては邪魔でしかない。

今の飽和状態をさらに悪化させかねないのが、今回の電動キックボードスクーターの導入である。観光客にとってはおそらく魅力的な移動ツールになるだろうが、小さな子連れの親や高齢者にとってはおそらく危険が増すだけだろう。

車と自転車でもすでに喧々囂々なのに、そこに電動キックボードスクーターが加わればストレスもマックスである。ドイツ人はどういうわけか乗り物に乗ると豹変するタイプが多いのだ。

ターゲスシュピーゲルにはこれでもか、というほどネガティブな調子の電動スクーターに関する記事があった。

Die E-Scooter sind ein Riesenfehler!
Helme? So ein Quatsch! Fußgänger? Aus dem Weg! Wenn E-Scooter im Sommer Berlins Verkehr erobern, wird Blut fließen.

Der Tagesspiegel

電動キックボードスクーター(導入)は大間違い!

ヘルメット?そんなもの意味がない!歩行者?どけどけ!もし、電動キックボードスクーターが夏にベルリンの交通網に参入すれば、流血沙汰になるだろう。

記事内ではこれまで導入された各都市の問題が羅列されている。

パリ:導入された電動キックボードスクーターの台数が今年ですでに4万台。
マドリッド:電動キックボードスクーターが歩道をたくさん走るため歩道の安全が保たれなくなった。
サンフランシスコ:住民がいい加減に置かれたキックボードスクーターの上にう◯ちをする。
ストックホルム:導入後に(弊害が多過ぎて)規制を試みる。
オースティンおよびワシントン:車との接触事故
バルセロナ郊外:死亡事故

テイクアウトのコーヒー片手に乗ったり、セルフィーを撮ったりすれば、時速20キロで歩道に倒れて痛い目にあう。12歳以上であれば乗ってもよし、とする現行法では問題があるのでは?

とにかくこの記者は電動キックボードスクーターに大反対という立場から、初めから終わりまでこんな調子で「電動キックボードスクーターの導入には慎重になった方が良い。」というメッセージをぶちまかしているのだ。

類似記事をシェアバイク導入の際も数多く見かけたが、現状、導入に成功したのかしていないのか何ともはっきりしない。そんな状況でまた電動キックボードスクーターも導入してしまうのがベルリンのやり方なんだろう。やれやれ、である。

また近所の公園の池が放り込まれた自転車やら電動キックボードスクーターやらでいっぱいになるのであれば、こんな迷惑なことはない。

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