また今月、ベルリンのノイケルン地区にあるS-バーンの高架橋で事故が起こった。
高さ制限が3m80cmと大きく書かれているにもかかわらず、これまでにも何度か車高の高いトラックやBVGバスなどが果敢にトライしては敗北してきた、という不思議な経緯を持つ高架橋。
運転手が何を思ったのか高さ制限の表示を無視した結果、当然のことながら通り抜けられず挟まってしまったというのだ。
これまでの事故をいくつか挙げておこう。
- 2002年:BVG(ベルリン交通局)のダブルデッカーバス
- 2014年:トラックのコンテナ部分が挟まる
- 2017年:4m10cmのトラックが挟まる など
確かにダブルデッカーバスには3m80cmの橋は低すぎるだろう。しかし、ベルリンの橋には特に高さの基準が設けられていないのだそうだ。
それにしてもベルリン交通局のバスであれば、事前に分かりそうなものだろうに。他所から来たトラックについては分かるような気もするが、BVGバスの事故となると首を傾げざるを得ない。
なぜノイケルン地区にあるこの高架下で似たような事故が重なるのか。ほとんどの事故の原因が警告を無視した運転によって起こっているのは明らかだ。
今月の事故は危険物である水素を積んだトラックによる事故だった。消防隊員によって何とか危険物の除去に成功したというが、下手をすれば大惨事にもなりかねない事故である。
このように度重なる事故に対し、ドイツ鉄道が対策に乗り出そうとしているらしい。
橋を高くする工事かと思いきや、道路を低くする工事が計画されているようだ。各自が気をつけて運転すれば済む話のようにも思うが、事故の度に列車のダイヤが乱れたり、道路が封鎖される状況をドイツ鉄道もノイケルン地区も避けたいのだろう。
列車のレールが走る高架橋のため、簡単に橋の高さを変えることができない。そのため、2022年を目処に125mの区間について70cmほど道路を低くする工事が予定されているのだとか。
ベルリンはどちらにせよ、なかなか工事が終わらないのでそれまでにまた無謀な運転手が橋の下を無理やり通ろうとするかもしれない。
参照記事:Der Tagesspiegel / Straße wird abgesenkt
Berliner Kurier / Die Unfall-Brücke von Neukölln
タイトル写真:Der Tagesspiegel© Kai-Uwe Heinrich