何年住んでもあまりピンと来ないもののひとつにWitze erzählenという習慣がある。
「ママ、今から冗談言うからな。」
と10歳の娘なんかは嬉々として小学校で仕込んできたネタを披露してくれるんだが、どうも何が面白いのかピンと来ないのである。
笑いがわからないと本当の意味でその国の文化は理解できない、とすら言われる「笑い」。いささか古いが、どんなテレビを見て、普段どんな会話をし、どういったことを笑いにするのか。
たかがお笑い、されどお笑い。
笑いの世界は深いのである。
「ママ、日本の冗談何か知ってる?」
逆に何か話してくれ、と言われてもそんな典型的な小話ネタなど用意する習慣などないのだから困りものだ。
一休さんとか吉四六さんなどのとんち話をよく読んでいたが、さっぱり覚えていない。覚えているのは昔話くらいである。
それはさておき、ベルリンの小学校に通う子どもが持っているネタというのは一体どの程度面白いのだろうか。
娘から何度も聞かされたネタ、通称「フリッツヒェン(フリッツくん?)」ネタがあるので、それをざっと日本語で書いてみよう。
フリッツくんがトラックをもらいました。
そしてお父さんに聞きました。
「このトラックの名前はなあに?」
お父さんは答えました。
「市場に行って最初に聞いた言葉がトラックの名前だよ。」
フリッツくんが市場に行くと「トイレットペーパー」と誰かが叫びました。
その後、フリッツくんは農家をもらいました。
そしてお父さんに聞きました。
「この農家の名前はなあに?」
お父さんは答えました。
「市場に行って最初に聞いた言葉が農家の名前だよ。」
フリッツくんが市場に行くと「トイレ」と誰かが叫びました。
フリッツくんに妹が生まれました。
彼はまたお父さんに聞きました。
「この妹の名前はなあに?」
お父さんは答えました。
「市場に行って最初に聞いた言葉が妹の名前だよ。」
フリッツくんが市場に行くと「りんご!」と誰かが叫びました。
それから数日後、妹が行方不明になりました。警察が来たので、フリッツくんはこう説明しました。
「ぼくがトイレットペーパーで全てのトイレを探したのに、りんごは見つからなかったんです。」
長い。そしてオチがわかりやすい。
Fritzchen Witzeで検索すると、サイトが出てきた。
Lehrer: Fritzchen, warum betest du im Unterricht?
https://www.aberwitzig.com/fritzchen-witze.php
Fritzchen: Meine Mama sagt, ich soll vor dem Schlafengehen noch beten.
これを一緒に読んでいた娘がケラケラ笑っていた。
これは悪くないと思う。
ドイツ語の勉強にもなるし、ドイツ人の笑いにも触れられるので興味のある方は是非。