Nordbahnhof、いわゆる「北駅」周辺は以前から不自然な風景の広がる場所だった。
ベルナウワー通りから伸びるベルリンの壁のすぐ側にあったのもその理由だろう。
そのせいか、周囲にはこれといった建物もなく、がらんとした空間の中にただ小さめの駅舎がポツンと立っている。そういったどこかアンバランスな雰囲気を持つ場所だ。
以前は、旧東ベルリンにしか走っていなかったトラムの路線が、北駅を通り中央駅まで延長されたおかげでずいぶんと便利にもなった。それもかなり最近で、2015年の夏以降のことだ。
駅周辺の線路状に敷き詰められた石に刻まれた文字についても、以前から気になっていた。
ユダヤ人迫害に関連する地名なのかな?それにしてはバルト海沿岸の土地の名前ばかりだなぁ。
なんて思っただけで、それ以上のことは調べていなかった。
ウィキぺディアによると、現在の「北駅」周辺は当時のベルリンのターミナル駅のひとつであるシュテティーン駅(Stettiner Bahnhof)だったことが判明。1952年までポンメルン地方のシュテティーン(ポーランド名:シュチェチン)への玄関口として機能していたようだ。
今でも、グーグルマップで見ると、「北駅」から「シュチェチン」までは列車でまっすぐ一直線上に繋がっている。Sバーンと郊外列車REを利用して2時間ほどで着く。下の写真はウィキペディアに載っていた「北駅」周辺の以前の様子だ。かなり立派な建造物だったことが伺える。1950年まではシュテティーン駅と呼ばれていた。
現存しているのは、「郊外列車駅」(Vorortbahnhof)として使われていた建物と地下を走るSバーンの駅くらいである。
こちらもウィキペディアからの転用だが、当時の駅の見取り図があった。これを見て想像力を働かせると、実際にこの場所を歩いたことがある人ならその規模の大きさを掴めるかもしれない。
北駅周辺にはまだまだ多くの発見が。次回に続きます。