noteの方には何度かロックダウンソフトについて触れた投稿があるのだけれど、今回はブログの方でももう少しこの件についてまとめてみたい。
まず、ネット上で見かけて驚いた記事のひとつにコロナ対策反対デモなどを率先して行っているQuerdenkenが年末にベルリンでデモを計画している、というもの。
ベルリナーモルゲンポスト紙によると、パンデミック陰謀説論者およびコロナ政策反対者運動が12月31日にデモを行うべくベルリンにやってくる、のだという。
„Willkommen 2021 – Das Jahr der Freiheit und des Friedens“
「2021年にようこそ!自由と平和の年へ!」
そんなタイトルを掲げた集会。主催者とベルリン警察が協議中だというが、2万2500人もの参加者が見込まれているらしい。
ブランデンブルク門での大晦日の年越しイベントはキャンセルになったというのに、デモは認められるのか。デモという名を借りてお祭り騒ぎをしたいだけではないのか。民主主義を逆手に取るかのような主催者側の意図が知りたい。彼らは一体何がしたいのだろう。
先日、12日土曜日にもベルリンのアレキサンダー広場の一角でそれらしき集会がこじんまりと行われており、仮設ステージを囲んでなんとなく人が集まっていた。警官数名と車両が数台、集会の側で待機していたのも印象的だった。
テューリンゲン州やドレスデンでも同日にかなり大規模のデモが予定されていたはずなので、それに呼応した形だったのだろう。デモ自体は禁止されたと聞いたがどうなったのだろう。
それにしてもこの後に及んで、まだデモなのか。今週に入っても感染者数は増え続けており、1日あたりの死亡者数も500人を超えるようになった。
メルケル首相が珍しく「感情的に」ドイツ市民にロックダウンハードの必要性を訴えるスピーチも行われたばかりだ。
アレキサンダー広場の集会では「最悪のクリスマスに最悪のソングを送るよ!!」という掛け声とともに「(クリスマス)マーケットもない、お金もない、メリークリスマス、ありがとうシュパーン!」とシュパーン保健相に向けた皮肉たっぷりの替え歌が披露され、それを拍手で迎える人々を目の当たりにした。
⇩その様子は以下の動画で。替え歌の後には街頭インタビューを収録しています。
noteにも「人に会って話を聞く」で書いたのだが、そんな今のベルリンを歩いて、何人かに話を聞いてみた。家の近所、フリードリヒ通り、アレキサンダー広場、そしてブライトシャイト広場。
コロナ禍のこんなご時世だ。街頭インタビューのために立ち止まってくれる人もなかなか見つからない。
ブライトシャイト広場では8軒ほどのクリスマスマーケット用のお店が間隔を十分に取って営業していたが、ここで敢えてそれを行う理由が実際に足を運んでみて分かった気がした。
この広場のクリスマスマーケットにトラックが突っ込んだのは2016年の12月19日だった。もうあれから4年も経っているなんて信じがたい。その場所でクリスマスマーケットを形だけでも行おうとする意義とは。
そんなことを考えながらカメラ片手に広場を歩いていた。
どうしてわざわざこんなことをしようと思ったのか自分でも正直よくわからない。ただ、ふと今年のベルリンの空気感や様子を少しでも何らかの形で残しておきたくなったのだ。
今なら何が撮影できるだろう、そんな風に考えた結果が街を歩いてクリスマスの様子を撮ることだった。見ず知らずの他人のインタビューに足を止めて答えてくれるような人たちは今のベルリンの状況を心から憂慮し、きちんとルールを守っている人たちだったように思う。本来ならそう思っていない人たちの声も拾うべきなのだろう。
ただ、彼らはカメラの前に立ち止まってはくれないのだ。
今年の大晦日、ジルベスターが何事もなく静かにすぎてくれればいいとは思うが、一体どうなることか。自分たちのできることを粛々と遂行するより他はないのだろう。クリスマス時には少し緩和されるロックダウンも今日13日の発表によれば大晦日には適応される見込みはない。花火なども原則的には禁止のようだ。
本当に色々と考えさせられる1年になったが、皆さんどうか良いクリスマス休暇および年末年始をお迎えください。