我が家にはドイツ、ベルリンの小学校に通う1年生と4年生の子供がふたりいる。下の子供の入学時に校区が変わってしまったため、上と下で別々の小学校に通う羽目になってしまったのだが、それはそれで小学校ごとの違いが見えたりして面白い部分もなくはない。
2018年/2019年度は夏季休暇の開始が6月と早い上、冬休み、イースター休みと一学期間に細かく短い休暇が入る。学校が始まったかと思えば、またすぐに休みに入る、というのを何度も繰り返すことになるので、十中八九で年間カリキュラムを終えられないだろう。
休暇前になるとクラス担任が保護者を集めて、今後の授業計画や行事の役割分担に関する話し合いの場を持つのだが、議論好きの国だからか、この保護者会が2時間以上になることも珍しくはない。
一番驚いたのが、3年生の通知表の成績評価方法をクラスの保護者の多数決で決めると聞いたときだ。数字で点を付けるか、到達度を表す円で表すかの二択。長女のクラスでは子供にプレッシャーのより少ない円の表示方法が採択された。
ベルリンでも特に最近、家賃の高騰が半端ないミッテ区にたまたまずーっと住んでいるが、どうも懇談会での話し合いを聞いていると、「この親、ヘリコプターじゃないのかなぁ。。」といった発言が目立つのだ。
ヘリコプターペアレンツ、日本語で言うところの過保護に当たるだろうか。
長女の通う小学校ではそうではないが、1年生に進級したというのに、長男の通う学校は今でこそ規則が変わったが、最近まで親が教室の前まで子供に付き添って登校していたのだ。これでは幼稚園の時と何も変わらない。
確かにドイツでは小学生の低学年は親が送り迎えするのが普通のことだが、授業開始直前になっても親が教室の中まで着いてきて、あーだこーだやっているのを見て正直、違和感しか感じなかった。
今日の懇談会でも、最近行われた算数の小テストで、正解数ではなく、間違った数が答案用紙に書かれていたため、子供がネガティブな反応をした、と発言した母親がいた。
2から10までの足し算は今後の算数の基礎中の基礎なので、必ず定着させたい、と考えていること。敢えて間違いのみを指摘したのは子供たちに間違ったところがすぐにわかるようにし、それによって自分がまだきちんとできない数を把握させるためだということ。という非常に明確な回答が先生からあった。
その説明があっても、その親はまだ「うちの娘はふたつしか間違っていないにもかかわらず、とても落ち込んでいたので、先生の方からきちんと説明してほしい。」と言っていた。
すごいのは、弊息子、テストがあったことなど一切触れず、ある日家に帰ってくるなり、「ママ!Zahlenhäuser(数字の家)、もっとはやくしないとダメなんやって!」と言っていただけである。
「ふーん。じゃあ、もっと練習したら?」(宿題だったのに6までしか終わっていなかったのは把握。)
とまあ、子供によって(親もだが)同じ状況でも反応は雲泥の差。先生に説明を求めるのではなく、そこはお母さん、自分で娘と話しましょうよ、と思ったがさすがに先生もそこは似たようなことを言っていた。
「もちろん、小テストの前にも何度も子供たちにZahlenhäuserは大切だから、きちんとできるように練習しておいて、という話はしてあります。この基礎ができていないと、いつまで経っても計算できるようになりません。」
そりゃそうだ。そうかー、おそらくあのドイツ人の母親は小学校1年生の子供の勉強を見るのが初めてなのかもしれないな、などと思った次第。
そして、予想通りポケカについての話し合いも行われたが、クラス担任もホート(学童のようなもの)の先生も「基本的には反対していない。」と言ってくれたので、ホッとしたことを付け加えておこう。