現在のNordbahnhof(北駅)が以前はStettiner Bahnhof(シュテティーン駅)だった、という話はこちらのブログで書いた。
駅関連でもうひとつ、近所に気になっている場所がある。
Mauerparkいわゆる「壁公園」だ。
「壁公園」と言うだけあって、この公園にはベルリンの壁が一部残されている。場所も旧東ベルリンだったプレンツラウワーベルク区と旧西ベルリンのヴェディング区との境に位置している。
現在の壁公園は週末になると観光客や地元民で溢れかえる。余りにも人出が多くなったので、正直なところ最近は足が遠のいてしまっていた。
いつ頃からだろうか。週末にはカラオケ大会が開かれたり、ストリートミュージシャンやパフォーマーで賑わうようになった。このカラオケ大会、円形劇場のような場所がステージになっており、大勢の前で歌う盛大なものなのだ。
しかし、それも住民の層が変わってきているからだろうか、苦情が出て一時は禁止される方向だった。
Kulturgemeinschaft Mauerpark(文化集団マウワーパーク)、住民、地区代表が円卓会議の場を設け、長期に渡る議論の末、壁公園の利用に関するルールが決められた。
石畳の歩道沿いのみでヤーン・スタジアムの立つ丘に向かって演奏することができるらしい。月曜日から木曜日は11から19時半まで。週末や祝日は11時から20時半まで演奏が可能だ。
パンコウ地区から公式プレスリリースが出ているのでご参考までに。
音楽の演奏ができるのは水色の部分。その他、ドッグラン、グリル、フリーマーケット、グラフィティ(以前「ベルリンの壁」、特に緩衝地帯を挟む二つ目の壁だった場所)など細かな指定がなされている。
思ったよりゆるいルール設定のように感じた。ベルリンでは壁公園に類似した騒音問題のケースが続出しており、文化醸造所としてのベルリンの魅力がどんどん下がってきている印象を受ける。
この流れの中、壁公園のカラオケ大会などを許容する方針を打ち出したパンコウ地区の決定は喜ばしいことだと言えるだろう。
今回の決定は壁公園のイニシアチブ団体Save Mauerparkにもポジティブに受け入れられたようだ。
「壁公園が壁公園として存続できることになり、とても喜んでいる。」
今回の投稿で始めて知ったことだが、壁公園に関連する活動グループの数にも驚かされた。
特にFreunde des Mauerparks e.V.「壁公園フレンズ協会」については、1999年から壁公園の整備・実現を促進する市民団体として活動しているようだ。現在の壁公園はあくまでも当初の予定の一部のみが整備工事を終えている段階で、本来ならば西側のヴェディング方面も工事が着手されるはずだったのだという。
ベルリンにありがちな、「当初の予定より大幅に遅れて工事完了」「当初の予定の半分で予算がなくなる」というパターンであるらしい。
北駅の話に至らずに終わってしまったが、次回は「壁公園」と以前の「北駅」について書いてみようと思う。
参照記事:
Singen ist nur in Richtung Osten erlaubt
Freunde des Mauerparks e.V.