父親がクレーム魔で子供の頃から現場に居合わせることがあったりしたせいか、クレームがどちらかといえばあまり好きではない。
何かしらのミスが原因で約束されていた物事が遂行されず、クレームは発生する。
これだけテクノロジーが進んだ世の中でも、まだまだ人の手が入っているので、どこかで必ずと言ってよいほどミスが生じる。
ある意味、人間味のある現象なのであろう。
もっとこの先、技術向上が進めばミスは限りなくゼロに近づき、クレームも発生しなくなる日が来るのだろうか。何となくそんなことは夢物語のような気がしてしまう。
人間でもAIでもベースは人間の知性であるので、どこかでミスが生じるものなのではないか。
なぜクレーム処理が苦手かというと、自分のミスで起こったことに対しての対応ではなく、他人のミスが原因で起こったクレームに対応しなければならないことが多いからだ。
コーディネーターという仕事柄、A:クライアント B:エージェント(ホテル、カーレンタル、機材レンタル、スタジオetc.)の間に立つ場合がほとんどで、大抵の場合AがBの不手際に対してクレームを出し、Bの責任を追求する役目が回ってくる。
ドイツは日本とは違い、何か問題が起こったときにすぐに「すみません。」と謝ったりはしない。謝ったら負け、くらいの教育を受けているのか、日本のように取り敢えず客の怒りを鎮めるために会社の一員として責任を負いその場で謝罪をする、という姿勢が全くないのだ。
今回のクレームはA:クライアント B:ホテルのコンセルジェ C:レンタカー会社の間で問題が生じてしまったために起きた。
AがBを通して予約したはずの車がCから当日の予約時間になっても配車されなかったのだ。
なぜか?
Bが予約した際にAが渡したクレジットカード情報がカード読み取り機あるいはシステムの問題で読み込まれておらず、Aがすでに捕まらなかったため、CがBにクレジットカード情報がなくても翌日時間通りに配車する、と言って予約を口頭で確定した。
翌日、おそらく担当が変わり、その内容が伝わっておらずカード情報がシステム内になかったため、配車が行われなかった。
BもCも正当性を延々と述べるだけで、誰も非を認めない。週末のため支店長が不在のため、クレームは週明け月曜日に持ち越しとなる。
Cのカスタマーサービスに事情を話しても、クレジットカード情報がない状態では予約は確定できない、よくわかっていないコンセルジェを通さない方がいいのでは、とホテルのコンセルジェをディスり始める始末。
埒が明かないので、支店長の名前とメアドを入手し、まずはホテル側に書面でクレームを入れる。
予約を担当したコンセルジェからレンタル会社とのやり取りが書かれたメールが届く。それをレンタル会社の支店長に転送したところ、あっさりと非を認めた上、ホテル側には一切責任がないことまで記されていた。
ホテルのすぐ側に支店があるので、恐らくはホテル客が使用し、ホテル側との取り引きも多いはずである。
今回、一連のやり取りで確信したことをまとめると、
- クレーム処理は後日、改めて書面で各担当者に送付すること。
- その際には状況をできるだけ詳しく述べること。
- カスタマーサービスは会社に不利なことは一切言わないので信用できない。そもそも当事者ではないので当てにならない。
- 各担当者の氏名は必ず控えておくこと。
- ドイツ人はすぐには謝らないが、自分の非が明らかになればきちんと謝罪してくれる。
現場からは以上です。