一枚の写真から

久しぶりに「ほぼ日刊イトイ新聞」を見ていたら、以前HOBONICHI TECHO 2009に何気なく投稿した文章と写真が出て来てとても懐かしく思った。

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2009年1月19日。もう、あれからずいぶんと時間が経つ。

東京からパリ、そしてベルリンにやって来て、何度も一緒にロケをしてきた同僚の日本人カメラマンが父親になったのを機に、今後の身の振り方を考え、長女が小学校に上がる前に帰国を決めた頃だった。

日本人家族でドイツ語がそれほど話せない彼にとって、何かあった時に自分たちだけで迅速に解決ができないのが困る、というのが一番の理由だったのかもしれない。

そして、そんな同僚のベルリンでの最後の仕事は小澤征爾さん指揮のフィルハーモニーの舞台ど真ん中で至近距離から小澤さんを撮る、という重大任務だった。

粋なことをする社長だなーと思ったことや、同僚の姿を見て、「彼はあそこでカメラを回せたというだけでもベルリンに来た甲斐があったんじゃないか。」と半ば羨ましくなったことなんかを思い出した

テレビの撮影コーディネーターを初めて7年目、この時点ではまだ自分が妊娠していることにも全く気付きもしていなかった。

この日の仕事が私にとっても、現役会社員のコーディネーターとして現場に出たほぼ最後の仕事になったわけである。あの日はそういう意味でも不思議な日だったし、あの現場に立ち会えたことは幸せだった。

と、そんなこともすっかり忘れていたのだが、この写真と手短なコメントを読むだけで、当時の感覚がはっきりと蘇って来た。やはり日記はいいものだなー、と思う。

毎日とは行かなくても、こんな風にその日、その日の自分の気持ちを一枚の写真と共に書き留めておくといいのかもしれない。


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