日本を離れている時間が長くなればなるほど、一時帰国した際に何気ない日常の風景に目が届くようになる。
どこか昭和を感じさせられる懐かしい風景が大阪にはまだ残っているのだ。
子供たちをバス停まで見送ってから、天気のいい日はカメラを片手に近所をぶらぶらするようにしている。
長く住んでいた奈良のそれとは異なり、神社も街中の一角にこじんまりと鎮座している。
小さな境内ではあるが、とても手入れが行き届いており、出勤の前にお参りしている人の姿も見かけた。
京都や奈良の神社のように観光客で溢れかえっているわけでもなく、もっと人々の生活に密着している印象を受ける。
ちょうど大祓式(おおはらえしき)の時期だったようで、拝殿の前に茅の輪(ちのわ)が設置されていた。
「大祓式」は平安時代から続く公の神事で、一年を半分に分け、6月30日を「夏越しの大祓」、12月31日を「年越しの大祓」ともいい、日本全国の神社で同日に斎行されるのだそうだ。
1年の節目に子供たちも連れて参拝しておこうと思う。
こちらの都島神社、かつては淀川本流(現在の大川)の左岸に当たり、洪水に度々見舞われた土地らしい。
平安時代後期に後白河法皇が当地へ行幸した際にこれを哀れみ、神社を置くよう命じたというのだ。
当初の社名は天照大神をはじめとする15神を祀っていることにより十五社神社と呼ばれていたが、1943年に都島神社と改称された。大阪大空襲で旧本殿その他は消失し、1949年に再建されている。
何も考えずにフライトを取ってしまったので、残念ながら7月25日の天神祭の花火大会を見逃すことになってしまったが、七夕には大阪天満宮に足を運んでみようかと思っている。
日本の社寺の行事はできるだけ体験させてあげたいものだ。