Kiyotaki und Arashiyama / 清滝と嵐山
自分が小学生だった時、父親と祖父と一緒にハイキングでよく京都へは足を運んでいた。銀閣寺や三十三間堂の印象が強かったのを覚えている。
清滝、と聞いて思い出すのは珍しく親戚一同で出かけた時のことだ。いとこが川で泳いでいて溺れそうになったところを祖父が飛び込んで助けた。
それから清滝の記憶は特にないので、もしかすると小学生以来、訪れていなかったのかもしれない。
そんな清滝に子供たちを連れて行ってみることにした。京都に住んでいる友人のオススメは阪急線を利用すること。大阪(梅田)から桂経由、嵐山まで45分ほど。さらにそこからバスで終点の清滝まで行くというルートである。
子連れでなければ京都トレイルというハイキングルートが高雄から清滝まで約4キロの行程で繋がっているので歩いてみるといい。暑い日だったので、今回はこちらのルートはやめておいた。
嵐山駅に着いたら、バスが出てしまっていたので駅のコンビニで軽食を買い、バスを待つこと約40分。94系統の京都バスは1時間に1本しか出ていない。
渡月橋を渡れば他線も運行しているようだが、子供たちはおにぎりを食べたり、ポケゴーをして時間をやり過ごしていたので良しとする。
竹林で有名な野々宮や外国からの観光客で賑わう嵐山界隈を通るバスだ。終点の清滝まで乗っていたのは何と私たちだけであった。
「ママ、また誰もおらんな。」と長女。ポーランドでもチェコでも誰もいないところに行きがちなのである。
鄙びた休憩所とバスの停留所。それ以外は特に何もない。
急な下り坂を下りていくと、清滝の景観が広がっていた。
これ、これ、日本の山と川の景色。
流れの速さに驚く子供たち。ドイツでは川遊びではなく湖で遊ぶことが多いので、最初は恐々であった。
見た目よりも流れが速いので泳ぐと体が流されるのがわかる。それでも娘は川で初泳ぎをしていた。
アメンボ、おたまじゃくしにトンボ、カニに小さな魚。
川辺で水遊びをするだけで、あっという間にバスの時間が近づいてくる。
早めにバス停に向かい、例の休憩所でかき氷を食べた。
どこか昭和の香りがするお店だ。
清滝からは友人に合流するため、嵐山天龍寺前(嵐電嵐山駅)というところで降りる。嵐電の列車がいかにも京都らしい。一車両でゴトゴト揺られてみるのもいいかもしれない。
JRの嵯峨嵐山からはトロッコ列車にも乗れる。
やはり京都は平日のシーズンオフにふらっと立ち寄るのがいい。
紅葉や祇園祭など催し物があるシーズン中は人出が多すぎて子供を連れて行こうとは到底思えない。
夕方になると人もまばらになり、渡月橋や桂川の美しさに心が洗われた。日本の風景はやはりどこか落ち着くものである。