北駅公園をカメラ片手に歩いていると、知り合いにバッタリと鉢合わせ。
このエリアはベルリンの壁や二重の壁に挟まれた緩衝地帯などの影響で、壁の崩壊から2003年頃まで手付かずで放置されたままになっていた。
その結果、街中に自然のビオトープが生まれ、背の高い草などが生い茂り野生の鳥もたくさん暮らしている。「北駅公園」として整備され解放されたのは2011年になってからのことだった。
とまあ、言わばなんにもないところだ。
それにしても、こんなところで友人に会うとは。偶然もすごいが、ここをひとりで散歩しようと思った友人もすごい。せっかくなので一緒に公園の端まで行ってみることにした。
こちらの使われなくなって放置されている陸橋も車で下を通るたびに写真に撮っておきたいなぁ、と思っていた廃墟スポットだった。友人がメーキング・オブ的な写真を撮ってくれた。
立ち入り禁止のフェンスが二重に貼ってあったが、外側から中に入って何とか一重に減らす。これはこれでいい感じ。
公園を出てガルテン通りから見上げると、鉄橋の原型をとどめていることがわかる。1952年以降の「北駅」の見取り図でいうと、青で囲んだ部分に当たる。
現行のSバーンはまだ隣の線路を利用して南北へ向かっている。ベルリンの壁はちょうどガルテン通り(Gartenstr.)とリーゼン通り(Liesenstr.)に沿って走っていた。
少し小さくて分かりにくいが、ベルリンの街にはところどころに「ベルリンの壁通り」(Berliner Mauerweg)というグレーの表示が出ている。全長160kmで14のルートに分けられた、それぞれ7kmから21kmの長さのサイクリングルートである。
自転車で通りかかった父親と小学生くらいの息子が、この場所で陸橋や残存する壁の方を指差して、「向こうが東ベルリン、こちらが西ベルリンだったんだよ。」と当時の話をしていたのが印象的だった。
自転車でベルリンの壁跡の気になるルートを回ってみるのも面白そうだ。