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Das Shell-Haus / シェル・ハウス

ベルリンの街を移動していると、必ず見るたびに気になる建物がある。それがタイトルのシェル・ハウスだ。「いつか写真を撮りたいな。」と。
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去年の夏、息子のパスポート更新のために日本領事館に行く必要があり、最寄りのバス停から運河沿いを歩きその建物の前を通った。余りにも美しいファサードに見とれながら写真に収めた時はなぜかホッと安心した。ただ、その時も何が入っている建物なのかが結局分からずスッキリしなかった。一時、GASAG(ベルリンのガス会社)が入っていたのは記憶しているが、今現在正面入り口だと思われる場所に看板やプレートらしきものも見当たらず、確認できなかったのだ。

ところで、今週末に家で息子が愚図って大泣きする場面があり、気分転換にコーヒーでも飲もうとふらっと外へ避難したら、なぜかそのまま折良く来たトラムに乗ってハンブルガー・バーンホーフ現代美術館に併設されている書店まで出かけることになった。そして、そこで手に取った「ベルリンの建築」という本にこの建物のことが紹介されており、ようやく「シェル・ハウス」という名前に行き着いた、というわけだ。
何がどう転がるかわからないものである。
シェル・ハウス(Shell-Haus)はエミル・ファーレンカンプ(Emil Fahrenkamp)によって1930年から1932年に建てられた文化財保護に指定されている建物で、2012年から連邦国防省の近くにある別の建物も含め二つ目の所在地となっている。これにより、それまでボンに所在していた国防省本部から合わせて360の役職ポストがベルリンに移されることとなった。
建築様式としてはノイエザッハリヒカイト(Neuen Sachlichkeit)に属し、ワイマール共和国において建築上、最も重要なオフィスビルとされている。非常に固いドイツ的な発音を持つノイエザッハリヒカイトは新即物主義とも呼ばれ、第一次世界大戦後に勃興した美術運動である。建築においては目的を強調した作品が特徴に挙げられ、後のバウハウス建築として知られるようになった。というわけで、また、ここでもバウハウスに繋がった。
建築材料としては、ファサードにはオートクレーブ養生した軽量気泡コンクリート(ALC)が使用され、ローマ近郊ティヴォリ由来のトラバーチンという石材で上張りされているのだそうだ。

国防省が入っているので難しいとは思うが、建物内部も機会があれば是非覗いてみたいと思っている。

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