先日の土曜日から晴天で暖かく、春の訪れを肌で感じることができるようになってきた。
今週末はメディアでも春の日差しを求めて多くの市民が公園にやって来るだろう、という趣向の記事が目立つ。
ここ数日間、ジョギングが日課になっているが、確かに今日みたいな晴天で暖かい日曜日の昼下がりには人が普段より目立ってたくさん歩いていた。
公園でも寝そべって日差しを楽しむ人々の姿がここあそこで見受けられた。確かに人の出足は増えているが、みな外出制限下のルールはそれなりに守っているように見られた。
ベルリン警察のインタビュー記事が興味深かったので、以下少しまとめておこう。
4月3日から外出制限の規定の一部が改定された。身分証明書の携帯義務が廃止されたのである。これについてベルリンの警察署長はTagesspiegelの5日付インタビューでこう答えている。「身分証明書の携帯が義務付けられていた時の方が公園にいるグループが家族で構成されているのかどうか、といった確認作業が簡単でした。」
これは至極ごもっともな意見である。
外出制限下とは言ってもベルリン市のそれはドイツの他州に比べて比較的緩いという印象を受ける。
単独で行われるスポーツのためのジョギングや新鮮な空気を吸うための散歩などは基本的に許可されている。短時間であれば家族単位や最大2名までなら公園でシートを敷いたり、ベンチなどで座って日光浴をすることも他のグループと最低5メートルの距離を保っていれば問題ない、とされているのだ。
ただし、見回りの警察官にしてみれば、グループで日光浴をしていても果たして家族なのかそうでないのか、という判断が身分証明書がなければ確認できなくなってしまう。
ベルリン警察署長のスロヴィックは「規定からは外れたものの、外出の際は身分証明書を携帯してください。」とベルリン市民に呼びかけている。「身分証明書を携帯していない場合、ご自宅まで同行し身分証明書を確認する必要が出て来ることがあるからです。」
これは特に公園で家族単位で散歩や日光浴をしたりする場合に気を付けた方がいいように思う。
春の陽気と多くの人出によって警察の負担が増えているのかと思えば、そうでもなく、今のところそこまで負担にはなっていないらしい。
その理由として国賓の訪問や会議、ストリートフェスやブンデスリーガの試合がなくなったことなどが挙げられていた。交通量が劇的に減っていることも一因だ。
休暇を取る警察官の人数も減っているのだとか。そのため昨年の同時期に比べ、現場にでることのできる警察官の数が十分確保できているのだそうだ。
警察の普段の仕事量もそんなわけで全体的に減少しているので、見回りが少しくらい強化されたくらいでキャパ越えしたりすることは当分なさそうである。
外出制限によって意外なところで少なからずとも影響が出ているようだ。その一つが犯罪件数の減少らしいのだが、中でも空き巣や自家用車、自転車などの盗難からスリや店の盗難などが減っているのだとか。
市民の多くが四六時中、自宅待機していて店もクローズしているところがほとんどなので納得がいく。性的な犯罪件数にも減少が見られいるらしい。また、外出制限が出てから特にDVの増加などは顕著ではないという。
外出制限が長期化すれば、また別の傾向が見られるのかもしれないが、今のところベルリン警察の仕事はそれほど増えてはいないようで何よりだ。
参考記事:Berlin.de: Berliner Polizeipräsidentin: Bitte den Ausweis mitnehmen
rbb Inforadio: Rausgehen trotz Corona: Parkbetreiber verteilen Zettel mit Verhaltensregeln