ドイツ人というか、ドイツでは雨がかなり降っている日でも傘を差す人があまりいない。土砂降りの中でも雨合羽を羽織って全速力で坂道を自転車で走っている人もいるくらいだ。
そんな傘と同じような扱いを受けているのが、実はマスクなのである。
花粉症の時期やインフルエンザや風邪の流行る冬場になると、日本では普段からマスクをしている人がそこら中にたくさんいる。小学校の給食当番も当然至極マスクを付けるのが決まりになっている。そしてマスクの需要が高いので、あちらこちらで売られているのが普通だ。
こんな風に日本人はマスクを日頃から使い慣れているし、子供たちもマスクをするのが特別なことだとは思っていない。
さて、今回のコロナウイルスによるパンデミック。
ドイツでは街角でマスクをしている人は皆無。マスクなんてしていると、「私は病気です。」という看板を下げて歩いているような感じで妙に浮いてしまうのだ。
しかし、コロナウイルスの感染者が日に日に増加するにつれ、マスクに対する専門家の意見が当初の見解から大きく変わってきている。
これまで、各省庁や学者、そして多くのメディアが当初はマスクを着用する必要はない、それよりもマスク着用は「無責任な消費である。」とまで言っていたのだ。
簡易マスクでは100%の保護は不可能であるし、正しく着用しなければ効果はゼロ、マスクは医療関係者が使用できるように確保するべきだ、とされていた。
ロバート・コッホ研究所(RKI)はこれまで急性の呼吸疾患を持つ人にだけマスクの使用を薦めていた。しかし、最近になってその見解を覆した。手作りの布マスクやマスクを使用していればコロナウイルス感染リスクを減らすことができる、と発表したためだ。
マスクの効果があるのは、特に1,5mの距離を保てない場所であるとし、公共交通網を利用する際やスーパーマーケットや職場などを例に挙げている。そしてマスクの使用によって予防を意識した行動に繋げることができる、としている。
私自身はどうかと言うと、正直これまでマスクは着用していなかった。外出制限が出てからは、外へ出るのはジョギングか近所のスーパーにさっと買い物に行くくらいに限られていたし、そもそも家にそれほどマスクがなかったのがその理由だ。
マスクの着用よりも人混みを避けて、きちんと手を洗う、という基本的なことを守っていれば大丈夫だと考えていた。
しかし、此の期に及んで買い物に出ると驚くほどスーパーや小売店が混んでいることがあったり、BVGを使用せざるを得ない場合、地下鉄利用者が予想以上に多い時がある。そんな時はやはりマスクを着用しておけば、それだけで安心感を得ることができるはずだ。
今後は家のマスクを探してスーパーに行く際は着用することにしようと思う。
ドイツ人の知人もハンドメードのマスクをインスタでアップしていた。
Zeit紙のグラフィクのように大きめのメガネをかけ、手袋をすれば完璧だ。
こんなことを今頃言ってどうするんだ、というのが正直なところではあるが、これで少しはドイツ人のマスク着用率が上がってくれればそれに越したことはない。
手持ちのマスクが少ないので、TL上で見かけたマスクの洗い方をここに貼っておきます。
参照記事:Die Zeit: Welche Maske soll ich tragen?