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Bauhaus-archiv Berlin バウハウス資料館

相方が子供2人を連れてハンブルクに行ってくれたおかげで、今週末は珍しく独りの時間が持てることになった。何が良いかといえば、何をするにも時間をそれほど気にしなくてもいいことに尽きる。
さて、そんな金曜日。午後は知人と美味しいケーキを食べることになっていたので、午前中に念願のバウハウス・アーカイブに足を運んでみることにした。日本語のオーディオガイドもあったので、それを借りてゆっくり観て回ることにした。ちなみに入館料にオーディオガイド料金も含まれているので、利用する価値大だ。
こじんまりとした展示だったが、気になった作品を何点か挙げてみようと思う。
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Photo Poul Buchard / Brøndum & Co.
こちらの彫刻作品はオスカー・シュレンマーの「抽象的なフィギュア」。オスカー・シュレンマーは彫刻を2体のみ製作したそうだが、これはその片方だ。彼は「面が多ければ多いほど、それはより彫刻となる。」と言ったが、この彫刻も観るものに立ち止まることを許さず、立ち位置と視線の繋がりとで様々な表情を見せる。左肩はカーブの入った滑らかなラインだが、 それとは対照的に右肩と頭部の斜めに入ったカットがシャープな一連の動きを出している。
実はオーディオガイドを聞きながら展示を観たのは初めてだったのだが、こういった抽象的な作品を観る上でヒントを与えてくれるので悪くない。
デッサウのバウハウス本館でも目にしたマルセル・ブロイヤーの椅子も美しい。

Foto:Fotostudio Bartsch

ブロイヤーは1925年から1928年にバウハウスの家具ワークショップを率いた。その間にデザインの歴史の中で最初のチューブラーによる椅子をデザインしている。それがこのB3チェア、後にヴァシリーチェアとしても知られている椅子である。全く古さを感じさせない普遍的なデザイン。
カンディンスキーやクレーといった教授陣も素晴らしいが、彼らが実際に使用した教材なども展示されていて非常に興味深い。
さて、観ていて分かりやすかったのがこちら。

この作品群は、バウハウスの創設者ヴァルター・グローピウスの41歳の誕生日にバウハウスのフォルムマイスターたち(ゲルハルト・マルクスを除く)が共同で贈ったプレゼントである。*オスカー・シュレンマーの作品は著作権保護の理由で掲載なし

モホリ=ナギの発案で新聞に掲載されていた一枚の写真を元に各自がそれぞれの解釈で表現を試みたものとなっている。その結果、バウハウスマイスターたちのバウハウス芸術に対する解釈の多様性とグローピウスの理念に対する姿勢などが伺える興味深い作品群となっている。
こちらが元の写真である。この写真からこれだけ違った作品が生まれるのだから、まさに十人十色だ。
ファイニンガーの作品など、もはや原型を何も留めていない。蓄音機が船になっており、蓄音機から流れ出ているであろう音色は煙に、左右にあるカーテンはバウハウスの理念に対する批判から行き止まりの壁として描かれている。

Feininger

一番、元の写真に近いのはゲオルグ・ムッへの作品だろう。

Muche

まだまだ、奥の深いバウハウス。2019年の100周年記念も近いことであるし、これからゆっくり時間を掛けて観たり読んだりして掘り下げていきたいテーマのひとつだ。

写真引用サイト
参考リンク

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