年内最後の展覧会?@Hamburger Bahnhof

来年1月10日まで開催されるはずだったカタリーナ・グロッセ(Katharina Grosse)のハンブルガー・バーンホーフ現代美術館での展示。

11月2日から再びロックダウンに入るため、美術館がひとまず11月末まで閉鎖することになった。そこで、最終日に当たる11月1日の予約チケットを何とか入手し滑り込みで展示を見に行ってきた。

かなりスケールの大きい作品で、歴史ホールから鉄の重い扉を開けると、さらにリークホール(Rieckhalle)の方にまでペイントが広がっていた。

美術館の展示ホールから色の波が溢れ出したようにも見える。

これだけの作品を展示するのにどれだけの準備期間とマンパワー、エネルギーが必要だったことだろう。11月いっぱいでロックダウンが解除されるとは到底思えないので、最後まで展示が人目に晒されなくなるのかと思うと複雑な気持ちにさせられた。

カタリーナ・グロッセの作品を後にし、リークホールの方ものぞいてみることにした。こちらでもMagical Soupというタイトルでイメージ、サウンド、音楽そして言葉をテーマにした展示が行われていた。

展示数が多いので特に気になった作品についてざっと触れてみよう。

クリスティーン・スン・キム(Christine Sun Kim)の作品。ピラミッドの形に言葉と音符が描かれている。

Christine Sun Kim / Mind Pyramid, 2020

Mind, Distance, Memory, Gap なるほどなぁ、と頷いたり、クスッと笑ったり。シンプルだけれどアイデアに惹かれた。彼女は生まれつき聴覚を持たないのだそうだ。

こちらはロドニー・グラハム(Rodney Graham)のサウンドインスタレーション。

Rodney Graham / Parsifal (1882 -38,969,364,735), 1990-1992

左右の壁に7つずつスピーカーが設置されており、目を閉じて部屋の中央に立つと音に浮遊感が出るのでノイズキャンセルのヘッドフォンを3Dにしたような不思議な音響効果が生まれる。

流されていたのはParsifal。ずっと聴いていたいような気持ちになったがそういうわけにもいかないので後ろ髪を引かれながらその場を離れた。こんな音響システムが自宅にあったら一日中好きな音楽を聴いて現実から遠ざかってしまいそうだ。

こちらはビビッドでカラフルなボードが目を引くなぁ、と思ったらナム・ジュン・パイク(Nam June Paik)の作品だった。

Nam June Paik / I Never Read Wittgenstein (I Never Understood Wittgenstein), 1997

ビデオインスタレーションが多く、写真に撮れなかったがそれぞれの展示スペースごとに人数制限が細かく設定されていたので、それほど人が密集している空間はなかった。

これだけ気をつけて展示を行っているのに閉館に追い込まれるのか、と思うとそれはそれで複雑な気分になる。

やはり、こうしてたまに美術館に足を運んで全く違う視点や体験を与えてもらったり、アイデアを拾いに行く機会を得るというのは自分にとっては必要不可欠な行為だと改めて感じた。ハンブルガー・バーンホーフの特別展はいつもなかなか見応えがある。自宅からのアクセスの良さも魅力だ。

カタリーナ・グロッセのような大型の作品を展示できる会場というのも数が限られてくると思うが、メインの歴史ホールから屋外に繋がる作品はいつも見慣れたホールや建物が生かされておりとてもよく映えていた。ロックダウンに入っても屋外展示だけでもアクセスできればいいのにな、とは思う。せっかくの作品が人目に触れられず会期終了を迎えるのは余りにも残念だ。

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