Bauhaus in Dessau / デッサウのバウハウス

去年の秋の出張でデッサウにあるバウハウス財団所有の建築群を視察する機会に恵まれたので、そのことについて少しまとめてみようかと思う。
それまで、バウハウスについては何となく知っているつもりでいたが、実際にデッサウでガイド付きの見学ツアーに同行してみると、興味深い話が山のようにたくさんでてきた。今回の仕事は、バウハウスそのものがテーマではなく、どちらかというと建築材についての視察だったので、通訳の内容もかなり専門的なことが多く、準備期間が皆無の状態で臨んだ現場では目を白黒させる場面も多かった。
それはともかく、百聞は一見にしかず。機能性を追求し無駄が省かれたバウハウス建築群は実際に目にすると、とても美しかった。現場では通訳業務があるため、写真がなかなか撮れないのだがスチール撮影日にかろうじて何枚か写真を撮ることができた。

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アトリエハウス

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正方形のバルコニー

例えば、このアトリエハウスのバルコニー。現在の建築法では手すりの柵の高さが足りないため、認められないのだそうだ。このアトリエハウスは以前は選抜された奨学生のみがアトリエスペースを備えた学生寮として使うことを許されていたそうだが、現在は訪問者が宿泊出来るようになっている。トイレやシャワーは共同だが、泊まってみるのも良い土産話になりそうだ。

どこを取ってもパキッとしたラインが印象的。これが1920年代に作られたというのだから驚きである。当時の人々の目にはどのくらい斬新なものに映ったことだろう。天気にも恵まれ、真っ青な空に白を基調とした建物のシルエットがよく映える。
このバウハウス本校舎はヴァルター・グロピウスによって1925年から1926年に建てられたものだ。グローピウスは1919年にバウハウスを創立し、1928年まで校長を務めている。この建物はデッサウ市が委託しており、カール・フィーガーやエルンスト・ノイフェルトなどと共にグローピウスの個人建築事務所で設計されたものである。バウハウスが独自の建築科を持つのは1927年になってからだ。内装については照明や家具などがバウハウスのアトリエ工房でそれぞれ製作されている。
建物内部の写真が撮れなかったのが心残りだが、また別の機会にゆっくりと再訪してみたい。色使いや照明インテリアが外と中、あるいは空間と空間を繋ぐ導線になっていたり、扉の取手のディテイールや講堂の椅子ひとつ取っても見所満載なので、シンプルかつ機能美の好きな人にはお勧めしたい。視察では本校舎以外にもマイスターハウスやテルテン集合住宅なども見る事ができたので、また別の機会に触れようかと思う。
2019年にはバルセロナの 建築事務所Gonzalez Hinz Zabalaによるミュージアムがバウハウス100周年記念に併せて開館予定だということで、そちらも今から楽しみだ。

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Das Shell-Haus / シェル・ハウス – ベルリンスタイル

[…] 建築様式としてはノイエザッハリヒカイト(Neuen Sachlichkeit)に属し、ワイマール共和国において建築上、最も重要なオフィスビルとされている。非常に固いドイツ的な発音を持つノイエザッハリヒカイトは新即物主義とも呼ばれ、第一次世界大戦後に勃興した美術運動である。建築においては目的を強調した作品が特徴に挙げられ、後のバウハウス建築として知られるようになった。というわけで、また、ここでもバウハウスに繋がった。 […]

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Das Shell-Haus / シェル・ハウス | ベルリンスタイル

[…] ベルリンの街を移動していると、必ず見るたびに気になる建物がある。それがタイトルのシェル・ハウスだ。「いつか写真を撮りたいな。」と。 去年の夏、息子のパスポート更新のために日本領事館に行く必要があり、最寄りのバス停から運河沿いを歩きその建物の前を通った。余りにも美しいファサードに見とれながら写真に収めた時はなぜかホッと安心した。ただ、その時も何が入っている建物なのかが結局分からずスッキリしなかった。一時、GASAG(ベルリンのガス会社)が入っていたのは記憶しているが、今現在正面入り口だと思われる場所に看板やプレートらしきものも見当たらず、確認できなかったのだ。 ところで、今週末に家で息子が愚図って大泣きする場面があり、気分転換にコーヒーでも飲もうとふらっと外へ避難したら、なぜかそのまま折良く来たトラムに乗ってハンブルガー・バーンホーフ現代美術館に併設されている書店まで出かけることになった。そして、そこで手に取った「ベルリンの建築」という本にこの建物のことが紹介されており、ようやく「シェル・ハウス」という名前に行き着いた、というわけだ。 何がどう転がるかわからないものである。 シェル・ハウス(Shell-Haus)はエミル・ファーレンカンプ(Emil Fahrenkamp)によって1930年から1932年に建てられた文化財保護に指定されている建物で、2012年から連邦国防省の近くにある別の建物も含め二つ目の所在地となっている。これにより、それまでボンに所在していた国防省本部から合わせて360の役職ポストがベルリンに移されることとなった。 建築様式としてはノイエザッハリヒカイト(Neuen Sachlichkeit)に属し、ワイマール共和国において建築上、最も重要なオフィスビルとされている。非常に固いドイツ的な発音を持つノイエザッハリヒカイトは新即物主義とも呼ばれ、第一次世界大戦後に勃興した美術運動である。建築においては目的を強調した作品が特徴に挙げられ、後のバウハウス建築として知られるようになった。というわけで、また、ここでもバウハウスに繋がった。 建築材料としては、ファサードにはオートクレーブ養生した軽量気泡コンクリート(ALC)が使用され、ローマ近郊ティヴォリ由来のトラバーチンという石材で上張りされているのだそうだ。 国防省が入っているので難しいとは思うが、建物内部も機会があれば是非覗いてみたいと思っている。 […]

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