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Le Van Bo – Herz IV Möbel / バン・ボー・ルの「ハルツ4家具」

先日、仕事でリサーチをしている際に偶然、面白いアイデアに出会った。
ラオス系ドイツ人、バン・ボー・ル=メンツェル(Van Bo Le-Mentzel )の編み出した「ハルツ4家具」のコンセプト。「ハルツ4」とはドイツの失業手当も含めた社会保障制度を指す。
バン・ボー・ルは1977年にラオスで生まれたが、両親は彼が2歳、ラオスが共産主義化した時にドイツに移住している。彼はベルリンのヴェディング地区で育ち、 „Prime Lee“というハンドルネームでラッパーやグラッフィティ・アーティストとしても活動している。

24 Euro Chair / HERZ IV MOEBELサイトより

建築を学んだ後、一時的に社会福祉のお世話にもなったこともある。市民大学で家具作りのコースを受講した際に「ハルツ4家具」を思いついたという。このコレクションには24ユーロチェアベルリンホッカーノイケルン・デスクなどのラインナップがある。

Berliner Hocker  (Foto: Daniela Kleint)

バン・ボー・ルはシンプルな設計図を引き、Bauhausからインスピレーションを受けたというデザイン性のある家具を提供する。自分で作ってみようと試みる全ての人に。高価なデザイン家具には手の出せない人でも、品質とエレガントさを低予算で自宅に備え付けられるというコンセプトだ。興味のある人は組み立て設計図をフリーダウンロードできるが、一つだけ交換条件がある。
それは自分のストーリー、すなわち人生やモチベーション、そして完成した家具について語ること。物語を語ることが条件というのも粋である。
バン・ボー・ルは持続性や社会的公平性などに関心があり、 „Konstruieren statt Konsumieren“ 「購買する代わりに構築する」をモットーとしている。その他の活動としてDeutschPlus協会主催の „school talks“などにも参加。スタート地点から既に困難な状況にある若者たちにモチベーションと希望、インスピレーションを与えるのがその役目だ。
とにかくプロフィールが建築家、作家、映画製作etc.とにかく活動範囲が広い人物である。できれば一度、彼のワークショップで家具作りに挑戦してみたいものだ。自分の手で実際に物を作るというのは、「できた!」という達成感が得られやすく一種のセラピー効果があるのかもしれない。小さな成功体験というやつである。
著書:

参考記事:

動画も見つけたのでご参考までに。

タイトル写真:©Van Bo Le-Mentzel/ Hatje Cantz

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