50代からのメンテナンス

今日は珍しくこちらのブログに記事を書こうと思い立った。デスクの横に積まれた本に目を走らせるとやたらと50という数字に目が止まったからだ。

『ベルリンを知るための52章』は今朝、原稿を書いている際にカタカナ表記を確認する際に手に取った共著である。その何冊か下には『現代思想の50人』。50という数字はキリがいいためか本のタイトルに採用されがちなのかもしれない。それとも偶然なのかな。


人生100年時代、ともいわれる昨今だが自分の年齢もいつの間にかキリのいい50の大台に乗ってしまった。そんな実感は全くなかったのだが、最近そうもいっていられなくなってきた。なぜなら、これまでとは明らかに勝手が違う、と感じる日が増えてきたからだ。風邪をひけば咳だけがいつまでも残っていたり、妙に疲れやすかったり。もともと肩こりはひどい方だが我慢できないほど痛んだり。生理前の肌荒れや口内炎もこれまで以上にひどくなった。日常生活を送る上で「ん?」と首を傾げる瞬間が増えたのである。明らかにホルモンバランスのせい。

そっかぁ、これが噂の「更年期障害」ってやつなのか。そんなことを思ってため息をついたり。

生活改善、といってもそれほど不規則な生活を送っているわけでも、睡眠時間が極端に足りていないわけでもない。強いていえば、これまで以上に意識的に体を動かすように努めているくらいだ。昨年の11月には家庭医に勧められて、ベルリンのシャリテ病院のスポーツ医療なるものにお世話になってきた。検査結果をもとに今の自分に最適なトレーニングメニューを出してもらったのである。

それからは30分で5キロを目指すのではなく、45分かけて5キロを走るようになった。持久力不足なのでゆっくり長く走るように指摘されたのだ。週に2回、1キロ8分30秒ペースで45分間走ること。非常に具体的な数字である。30分走るので精一杯だったのがペースを守るだけで45分走れるようになった。ただし、調子に乗って回数を増やすと弱い関節部分が痛んだり、昼寝をしないともたないくらい疲れてしまう。何事にも加減というものが必要なのだろう。45分走るのが精一杯なので、そのあとに筋トレを2周するのはまだハードルが高い。前回もランニング→ストレッチ→筋トレ1周→サウナと普段より時間をかけてジムでトレーニングを行ったところ、咳が悪化してしまった。これでは本末転倒である。

45分間走になれるまではランニング→ストレッチ→サウナにしておいて、翌日に筋肉痛などが残っていなければ家で『Fit Boxing』をやってみようと思いついた。ニンテンドースイッチでプレイできる運動系ソフトは充実度が高く効果が期待できる上、自宅でさっとできるのが魅力的だ。ジムに行くのが億劫な人には『リングフィット アドベンチャー』も併せてお薦めしたい。

もちろん、定期的に体を動かすにはそれなりの時間を確保する必要が出てくる。昨年は半年間、難民センターでシフト制の仕事に就いていたこともあり、なかなか思うように時間が確保できなかった。週に40時間のフルタイムではなく、週に4日勤務で32時間労働だったので何とか時間が確保できたのと、職場ではバスケットボールやバトミントン、スケートボードなどができる環境だったのが幸いした。こんな職場も珍しいだろう。残念ながら半年契約だったので、今年に入ってからは再就職を目指しつつ、現在はフリーランスとして仕事をしながらジムに通っている状態だ。

メンテナンスといっても、ただ定期的に体を動かしていればいい、という単純なことではないように思う。気の置けない友人と会って話をしたり、美味しいものを食べたりといった時間も大切だろう。映画館で映画を観たり、シアターで観劇をしたり。たまにはコンサートホールでオーケストラの演奏を聴くのもいいかもしれない。美術館や博物館で時間を気にせず絵画や展示を眺める時間も大切だと思う。とにかく自分のやりたいことを時間を気にせずできる環境を作ること。別にどこかへ出かけなくても、自宅で積読の山を少しずつ崩したり、好きな音楽を聴きながらコーヒーを飲んだって構わない。編み物をしたり、美味しいケーキを焼くことだってできる。自分のための時間を極力確保できるようにすることが大切なんじゃないかと感じるようになった。もうそろそろ、やりたいこととやりたくないことくらいは、はっきりさせておきたい。

人生の折り返し地点かどうかは誰にもわからないが、もうできるだけ好きなことだけをやっていきたいなぁ、と。そんなふうに思う今日この頃。

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