サイトアイコン ベルリンスタイル

Taschengeld / ドイツのお小遣い事情

先日、リサーチ案件で「ドイツのお小遣い事情」をちょこっと触ったのだが、その中で印象に残ったものについて少しご紹介しようと思う。
ドイツでお小遣いが教育のためのお金として育児および教育改革の際に導入されたのは1960年代中頃である。当時は自立が教育において重要な位置を占めており、お小遣いによって子供がお金と向き合うことを学ぶことが必要だとされた。
このように、戦後世代の家庭では自立と自己責任が育児における中心的な課題であった。今日では子供の要求というものが育児において非常にフォーカスされるようになってきている。
なるほど。さて、我が家の8歳の娘は小学校入学から週ごとにお小遣いをもらうようになったのだが、きっかけは「友達はもうお小遣いをもらっているから、私も欲しい。」という発言だったように思う。幼稚園の間はさすがに早いと思ったので、小学校に入学するのを待って相方が娘に週ごとに何ユーロかお小遣いをあげることに。
とはいえ、別にそのお小遣いで何かを買うわけでもなく、学校の帰り道に「お腹すいたー。」と言えばパンやアイスクリームを買うのはこちらであるし、迎えの際におやつなども毎日準備して持って行くわけで、まあ貯金でもしたらいいんじゃないか、くらいのゆるいスタンスだ。私自身、娘にはまだそこまで管理能力がないと思っているので、お小遣い制に特に関心があるわけでもない。
ところで、キーワードである”Taschengeld”「お小遣い」で検索してみると、ドイツ連邦家庭高齢者女性青少年省によるファミリー向けのガイドサイトを見つけた。このサイトで年齢別にお小遣いの額が示された提案リストが掲載されていたので参考までに貼っておこう。
スクリーンショット 2018-03-16 14.48.29
同サイトには「お金と家計コンサルタント・シュパーカッセファイナンスグループ」(ドイツ貯蓄銀行協会(DSGV)の一機関。シュパーカッセはドイツ国内で銀行支店数で最も多くのシェアがある。)のリンクも貼ってあり、お小遣い帳やお小遣いガイド的な冊子がダウンロードできる。オンラインで冊子の注文もできるということなので、早速注文してみた。

冊子がダウンロードできるリンクはこちら:
https://www.geldundhaushalt.de/Infothek/einmaleins-des-budgets/taschengeld-einsetzen.html
自分が家計簿をきちんと付けるタイプではないのだが、思ったより可愛いし、よくできているので子供達に試しに使わせてみようかと思っている。APPもあるようなので、またそちらの方も自分用に試してみようかな。
とまあ、今のご時世、スマホ決済やネットショッピングなど、買い物がワンクリックで完了してしまう時代。子供や青少年にも金銭感覚を早めに養っておく必要性は日々増しているように思う。ドイツ貯蓄銀行協会(DSGV)でも自己破産などに対する予防処置として、様々な提案や研究が進められているようだ。
下の図は成人および若者の「借金グラフ」である。24歳以下で負債先の上位を占めているのは通信会社87%、オンライン販売業者76%、通信販売業者66%であり、クレジットカード決済などが可能でスマホやネットを利用する業種がやはり多くなっていることがわかる。

ドイツ取立業連盟(BDIU)2011年10月

まだまだ、興味深いデータが色々と見つかったのだが、長くなりそうなのでこの辺で。
ドイツでも保護者の多くが教育に対する高い要望を持っていることから、指針や教育的な推薦の必要性が高まってきている。お小遣いのテーマでも同様で、いつから、どのように、そしていくらお小遣いをあげるべきかという明確な情報を親は必要としているようだ。このため、専門家による具体的な指針や相談窓口、お小遣いデータなどに対する大きな期待が寄せられている。
ということなので、是非ドイツで育児をされている皆さんはサイト内で紹介したリンクなどを参考にしてみて下さい。

Follow me!

モバイルバージョンを終了