食文化と意味 〜Esskultur und Bedeutung〜
小学校2年生の息子のクラスで、クリスマス休暇前にユダヤ系家族の保護者がユダヤのクリスマス時期に行われる年中行事、ハヌカー(Chanukka)についてクラスで紹介して下さった。
その流れで、じゃあ日本のお正月の話をしてみようか、という話になり同級生の保護者と先日、内容について打ち合わせをした。
「お正月」と聞いて思い浮かぶもの。
年越しそば→除夜の鐘→初詣→おせち料理→お雑煮→正月の伝統的な遊び
改めてアイデア出しをしていて気づいたのは、とにかく食べ物の比重が高いこと。そして、それらの食べ物にそれぞれ意味付けがあることにも改めて驚いたというわけだ。
地域色が濃いテーマだとは思うが、我が家(関西)の場合で言うと、こんな感じになる。
年越しそば→細く長く生きる
黒豆→無病息災
栗きんとん→金運
田作り→五穀豊穣
数の子→子沢山
海老→長寿
などなど。
とにかく日本人はなにかと縁起を担ぐのが好きなようだ。除夜の鐘には108(もある)煩悩を祓う意味合いが込められているし、神社やお寺への初詣も端的に言えばご利益を得るためのお参りである。
お正月の飾り付けである鏡餅やしめ縄、門松などにもそれぞれ神仏に供える飾りであったり、年神様をお迎えするための結界であったり、目印であったりする。年神様が来てくださるように、福を呼び込むために飾るわけだ。
幼少時代はそんなことを考えたこともなく、床の間に置かれた鏡餅をしげしげと眺めたものだった。お供えした後でカチカチに硬くなったお餅を割って食べるのも不思議だった。
そうやって自然にお供えされている食べ物や飾り付けの意味を後になって知ることも案外楽しいものである。
さて、ドイツの場合はどうなのだろうか。大晦日に食べる習慣のあるジャム入りのあげドーナツ、ファンクーヘン(ベルリナーと呼ばれる地域もあり)に特別な意味があるようにも思えない。
ネット上に何かそれらしき情報が落ちていないかどうか調べてみたところ、こんな記述にぶつかった。
はっきりとした理由はわからないが、考えられるひとつの理由としては断食の夜までに身体に蓄えが必要だったためではないかと言われている。ここで言う断食の夜、とは四旬節、復活祭の46日前を指す。油で揚げられたカロリーの高い揚げドーナツがその役割を担ったというのだが、正直余りピンと来ないのだ。
とにかくドイツの食文化は日本のそれとは違い、細かな意味合いを持つものが少ないように感じる。季節の味覚をできるだけ素材の味を生かしてそのまま食する、といった印象である。白アスパラ然り、プラムケーキ然り。
余り思いつけなくてすみません。
もうすぐ2月。節分だから鬼退治しつつ、恵方巻き食べるとしますか。
あ、節分はリガにいるんだった。