ドイツでもインフルエンザは普通に流行ります 〜Grippewelle in Deutschland〜

風邪ねたばかりで恐縮だが、数日前にTL上で「ドイツでは病気になれば仕事を休めるので、インフルエンザは流行りません。」といった内容のツィートを目にしたので物申す。

恐らく、このツィートをされた方は自分の周囲や印象だけで発言をされたのだろう。

ドイツの冬は長くて暗い上、日照時間も極端に短い。空気も乾燥しているし、集中暖房でさらに乾きがちなので、気管の弱い人は喉風邪も引きやすいと思う。

風邪やインフルエンザは至極当然に毎年のように流行する。小さな子供がいる家庭では毎年冬になると、風邪や時にはインフルエンザのリレーを家庭内で行う羽目になる。そして、ドイツの幼稚園や小学校には学級閉鎖というものがない。その代わりに、と言ってはなんだが、クラスの担任の先生が風邪で数週間休む、というのはよくある話だ。

そして、「あー、お宅も。この時期は毎年ピンポンよね。」なんて会話は冬になるとよく耳にする。

Ping-Pong-Effekt(ピンポン効果)とも呼ばれるが、幼稚園や小学校で風邪をもらってきた子供から風邪をもらい家族全員がダウンすることを指す。特に一種類のウイルスではなく何種類かの異なるウイルスによる風邪だった場合が厄介で、ピンポン・ピンポンとウイルスがランダムに感染することで症状が長引くこともあるらしい。

細菌学で有名なロバート・コッホ研究所(RKI)が毎年、インフルエンザの流行をレポートしているのだが、やはり今年もインフルエンザがこの時期に猛威を振るいそうだ。

呼吸器系疾患数の推移。過去2年も12月末から3月にかけて患者数が増加している。
赤のグラフがインフルエンザ陽性の割合。年明けから徐々にインフルエンザ陽性の数値が高くなっていることがわかる。

インフルエンザの流行はAGI(Arbeitsgemeinschaft Influenza)の定義によると2019年の2週目から始まっている。6週目の現在はインフルエンザはさらに広まっていると言えよう。2018年の40週目(10/1)以降、127のインフルエンザウイルスが確認されており、その内57(45%)がインフルエンザA(H3N2)型、70(55%)がインフルエンザA(H1N1)pdm09型である。

2018年10月1日以降、インフルエンザによる死亡者はドイツ国内で27名確認されている。

2019年5週目の様子

2018年の同じ時期と比べると、今年はまだ比較的穏やかな様子。今後、このマップが真っ赤に染まらないことを願うばかりだ。

参考:Arbeitsgemeinschaft Influenza; Influenza Wochenbericht (RKI)

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