Schiedsrichter-Streik / 審判のストライキ
毎週土曜日か日曜日に息子のサッカークラブの試合がある。先週の金曜日にWhatsappで突然、連絡が入った。
「今週末に審判がストライキを行うとのことです。現場での混乱を避けるため、今週末に予定されていた試合は延期することにしました。」
えっ!?審判のストライキって一体なに?どういうこと??
サッカー事情に詳しい相方に聞いてみると、最近アマチュアリーグの試合中に審判への暴力沙汰が増えているとのこと。どうやらそれを受けて、審判たちがストライキを決めたのだとか。
アマチュアリーグで暴力沙汰!?
やれやれ、なんというかドイツ人のサッカー熱もここまで行くと呆れるほかはない。しかし、メディアでの報道によると事態はかなり深刻なようだ。
rbbの記事にはこんな見出しが。
Berliner Fußball-Verband sagt alle Spiele des Wochenendes ab
25.10.19 | 19:38 Uhr
Der Berliner Fußballverband hat auf die Streikankündigung der Schiedsrichter reagiert und alle Amateurspiele für das Wochenende abgesagt. Betroffen sind von der Berlin-Liga abwärts 1.600 Spiele. Grund für den Streik ist die anhaltende Gewalt gegen die Schiris.
ベルリンサッカー協会が週末すべての試合をキャンセル
ベルリンサッカー協会は審判のストライキ告知に対し、今週末に予定されていたアマチュア全試合のキャンセルを決めた。これによりベルリンリーグの1600試合が影響を受けた。ストライキの理由は審判に対する暴力である。
rbb / Berliner Fußball-Verband sagt alle Spiele des Wochenendes ab
これはもちろん、アマチュアリーグの男性部門で起こっていることであり、少年サッカーリーグには何の関係もない。サッカー協会としては、自体をそれだけ深刻に捉えこの状況を世間に知らしめるために全試合のキャンセルを決めたのだろう。
昨日はサマータイム最終日でとても暖かい晴れた1日だった。しかし、相方が体調を崩しており早朝からサッカー場へ向かわずに済んで少しホッとしたというのが正直なところだ。
ドイツはサッカーに熱心な国、というイメージだが、審判への暴力というのはさすがにどうかと思わされる。子供の時から審判やチームメート、試合相手へのリスペクトを徹底的に教えておけばこんなことにはならないはずだ。サッカーが好きなのであれば、フェアプレーの精神を徹底してほしい。
「ベルリンのサッカー場での暴力は前のシーズンに比べても今シーズンで増加している。」審判顧問会議はストライク決定の理由をこう述べている。「シーズン開始後の数日間ですでに109件の暴力や差別的な行動がサッカー場で記録されている。」その内の53件は審判が被害にあったものだ。「この数字は非常に危険なレベルであり、はっきりとしたストップサインを示すことが重要だと考えた。」と審判委員会のヴェーリング。
前シーズンではベルリンにおいて審判に対する暴力は150件以上が報告されている。これらは身体的暴力や脅しなどの罵倒にまで及ぶ。その結果、審判の後継者が減少しているのだそうだ。毎週末に行われる1600の試合に対して、審判の数が1100人しかいないというのが現状らしい。
いくらサッカー好きでも、身の危険を冒してまでアマチュアの審判をやろうという人はなかなかいないだろう。今回のストライキで何か具体的な改善策が生まれればいいのだが。。
FIFA(国際サッカー連盟)の審判委員会長を務めるピエルルイジ・コッリーナ氏が、アマチュアサッカーで笛を吹く審判員が不当な扱いを受けているとして警鐘を鳴らした、というニュースがすでに2年前に日本のネットニュースで見つかった。
どうやら、ドイツで今に始まった話ではないようだ。サッカー恐るべし。
参照記事:rbb / Berliner Fußball-Verband sagt alle Spiele des Wochenendes ab
gooニュース / 審判に対する暴力・罵倒…”名審判”が警鐘「トップがアマチュアに正しいメッセージを」