Industria Bambacului >> Industrii Creative / ブカレスト南部の都市開発

知らない街に行くと、いつも現代美術館併設の書店や街の大型書店でカルチャー関連のガイドブックや建築ガイドブックを購入するのがお決まりになっている。

今回の旅では旧市街にあった美しいブックストアCărturești Caruselで黄色の表紙が目を引くCelalalt oras. Locuri si povesti din Bucuresti-Sud / The Other City. Places and Stories from Bucharest-Southを購入。

パラパラとページをめくっていると、気になるグラフィックが。タイトルのIndustria Bambacului(コットン工場)跡地をIndustrii Creativeの場にしようという試み。工場の跡地を再開発する、というのは欧州内では定番の都市開発パターンでもある。

まだ完成はしていないだろうが、足を運んでみることにした。先日の「国民の館」ツアーがハードだったので、この日は可能な限り市内の交通網に頼ることに。一日券8レイ(約2ユーロ)を購入し、地下鉄で最寄り駅まで移動する。

ブカレストのメトロは1979年にM1号線の区間が開通しているが、ルーマニア国内で地下鉄路線を持つのはブカレストだけらしい。ルーマニア国内のインフラが進んでいないことが良くわかる。

M2 Universitate
M1 Piata Unirii 1
Piata Unirii 1の駅構内Foodpandaの広告ポスターが柱に貼られていた
M1 Timpuri Noi

この写真を見てお気付きの人もいるだろうが、他の東欧の街を走る地下鉄の駅と比べ、ブカレスト地下鉄は装飾もいたってシンプルで現代的であり、豪華な装飾や照明のあるモスクワのそれとは異なり、どちらかというとベルリンの地下鉄に作りが似ている。

共産主義時代のルーマニアの大型建設プロジェクトには国民の館をはじめ不要の産物が大半であったが、この地下鉄計画については唯一の成功例と言われているのだとか。

ドゥンボヴィツァ川沿いを歩く

Timpuri Noiの駅を上がり、川沿いに南下する。

少し歩くと、木でできた小屋や黄色い階段が目に入った。ここかな?
日曜日の昼前だったが、たまたまミィーティング開始時間と重なったことで人の出入りがあり、中を見せてもらえることになった。

入り口付近のスペース
MATER
MATER

MATERは建築およびデザインに関する素材ライブラリーとミィーティングルーム、展示スペース、コワーキングスペースなどが入ったクリエイティブ・インダストリーのクラスタが集う場所。

建物の屋上にはテラスがあり、様々なイベントが行われている。

ここからさらに南下したところに高層アパート群が立っていることからも分かるように、このエリアの価値が上がる日もそう遠くはないだろう。

ADDress / コリビングサービス

先日、インド発のスタートアップOYO LIFEをご紹介したが、もうひとつ「住」に関して気になっているサービスがある。

日本で2019年4月のスタートを目標にADDressという月額4万円で提携先の物件に住み放題になるサービスが始まる、というもの。

#全国住み放題 #月四万 #多拠点生活 #Coliving #空き家 #コミュニティ

ドイツもそうだが、欧米ではルームシェアの文化が日本よりも以前から浸透しているように思う。その背景もあってか、欧州発や米発のコリビングサービスはすでに世界中に拠点を広げている。

日本でもコワーキングスペースなどがどんどん入ってきているが、ADDressのサービスは「定額で住み放題」というサブスクリプション型シェアサービスという点が新しい。

サブスクリプションサービスと聞いてざっと思いつくものを挙げてみると

  • 聴き放題 —> Sportify, Apple Music, Google Play, LINE MUSIC, Amazon Music Unlimited
  • 見放題 —> Netflix, Amazon Prime Video
  • 読み放題 —> Kindleunlimited, NewsPics プレミアム
  • 乗り放題 —> Next Bikeなどのシェアバイク
  • 住み放題 —> ADDress, HafH

あくまで、自分が把握しているサービスということで挙げてみたが、ここ数年でかなりのペースで増えている印象を受ける。

在宅リモートワークや旅先のワーケーションなど働き方が多様化していく中で、住居も従来の「家があるからそこに住む」という形から「住みたいからそこに住む」という住まいの自由化も加速していくことだろう。

ADDressのサイトより引用

今後10年くらいで、「定住」「定職」といった概念が過去のものになるかもしれない。本当に面白い時代になったものだ。

20年くらい前はそれこそ、日本からベルリン、ベルリンからモスクワに住環境を変えるだけでも一苦労だったのが、今はスマホ一台、スーツケースひとつで完了してしまう。いやもう、話が早い。

HafHのHPより引用

こんなサービスが巷に溢れるようになったら、もう誰もじっとしていられないのではないだろうか。私には到底無理だ。

日本初のサブスクリプション型コリビングサービスの今後に注目したい。いつか、日本の田舎に住んでみたいなぁ、というのもいずれ実現できる日が来るんじゃないだろうか。

いい時代になったものだ。