Fahrraddiebstahl / ベルリンの自転車盗難事情

ベルリンに来たばかりの頃、移動手段としてフリーマーケットで100マルク(!)くらいで購入した深緑の中古自転車。

フリードリヒスハインの知人の家に遊びに行った際、外のフェンスに引っ掛けて施錠したのだが、帰りに見ると自転車のあった場所のフェンスごと切り取られて持って行かれていた。夜間だったので仕方がない。

自転車を買ってから、まだ数日しか経っていなかったのでショックも大きかった。

その状況を見ていた知人は方法は分からないけれど、ふいっと出かけて別の自転車を持って帰ってきた。ベルリンって本当に訳がわからない街だとその時につくづく思った。

そしてなぜか、それ以来自転車の盗難にはあっていない。20年以上も盗難知らずというのはベルリンでは逆にめずらしいケースだ。それほど価値のない自転車に乗っているからだろう。

2年ほど前にSHIMANOの仕事で、市場調査のためにベルリン在住のドイツ人に自転車についてインタビューをしたことがある。

市内のサイクリングショップ

その際に、みなが口を揃えて言っていたことが、「ベルリンでは盗難が多いので、高価な自転車を購入する予定は特にない。」ということだった。

Eバイクの市場調査だったので、数千ユーロする自転車の購入に関する意見などをヒアリングしたわけだ。盗難の問題の回避策として、自宅や職場のオフィスに自転車を置くためのスペースがあれば問題ない、という回答が得られたりもした。

ベルリンの自転車盗難。防ぐにはしっかり施錠しておけばいい、という生易しいレベルではない。窃盗組織があるという話も聞いたが、アパートの中庭の自転車どめに施錠したのに一晩経ったら自転車がなかった、というのも普通のケースらしい。

カフェの前に駐輪されたオシャレな自転車

夜間に道端に駐めておくのはもってのほかだが、アパートの敷地内に施錠しても盗られるのだから、残る手段はアパートの中に持ち運ぶくらいしかない。

2018年には4173台の自転車盗難届がミッテ区で寄せられている。パンコウでは4260台、フリードリヒスハイン・クロイツベルク区では4253台。ベルリンではもうすでに何年も盗難件数が多いのが普通になってしまっている。

昨年だけでも、ベルリン市内では合計3万235台が盗難にあっている。この数字は届出があったものに限られるので、実際はこの数字よりも多いことになるだろう。

警察が勧める盗難防止対策としては、以下の3点が挙げられる。

自転車の施錠に2種類の鍵を使うこと。こうすれば、盗難に必要な工具がふたつ必要になるため、盗難の対象から外れやすくなる。
・パンを買うためのわずか数分の駐輪の際にもきちんと鍵をかける。
・駐輪の際には必ず電柱や自転車どめなどと一緒に施錠することを心がける。

フレーム番号が記載された自転車パスを作っておけば、盗難にあったさいに追跡しやすくなるらしい。ただし、2017年度の盗難された自転車の発見率はわずか3,9%である。

盗難された自転車は諦める方が懸命な数字だろう。ただし、警察で保管されている所有者不明の自転車を集めたサイトもあるそうなので、リンクを貼っておこう。

https://www.berlin.de/polizei/service/vermissen-sie-ihr-fahrrad/

警察が開く自転車登録(Fahrradkennzeichnung)などのサービスもあるので、興味のある方は是非。

https://www.berlin.de/land/kalender/
https://www.berlin.de/land/kalender/index.php?detail=123928&ls=60&c=22&date_start=11.04.2019

ブランデンブルク州のスタートアップがスマートキーを開発していたが、自転車盗難対策のための商品開発は需要が高いのではないかと思う。

タイトル写真:ウィキペディア

Industria Bambacului >> Industrii Creative / ブカレスト南部の都市開発

知らない街に行くと、いつも現代美術館併設の書店や街の大型書店でカルチャー関連のガイドブックや建築ガイドブックを購入するのがお決まりになっている。

今回の旅では旧市街にあった美しいブックストアCărturești Caruselで黄色の表紙が目を引くCelalalt oras. Locuri si povesti din Bucuresti-Sud / The Other City. Places and Stories from Bucharest-Southを購入。

パラパラとページをめくっていると、気になるグラフィックが。タイトルのIndustria Bambacului(コットン工場)跡地をIndustrii Creativeの場にしようという試み。工場の跡地を再開発する、というのは欧州内では定番の都市開発パターンでもある。

まだ完成はしていないだろうが、足を運んでみることにした。先日の「国民の館」ツアーがハードだったので、この日は可能な限り市内の交通網に頼ることに。一日券8レイ(約2ユーロ)を購入し、地下鉄で最寄り駅まで移動する。

ブカレストのメトロは1979年にM1号線の区間が開通しているが、ルーマニア国内で地下鉄路線を持つのはブカレストだけらしい。ルーマニア国内のインフラが進んでいないことが良くわかる。

M2 Universitate
M1 Piata Unirii 1
Piata Unirii 1の駅構内Foodpandaの広告ポスターが柱に貼られていた
M1 Timpuri Noi

この写真を見てお気付きの人もいるだろうが、他の東欧の街を走る地下鉄の駅と比べ、ブカレスト地下鉄は装飾もいたってシンプルで現代的であり、豪華な装飾や照明のあるモスクワのそれとは異なり、どちらかというとベルリンの地下鉄に作りが似ている。

共産主義時代のルーマニアの大型建設プロジェクトには国民の館をはじめ不要の産物が大半であったが、この地下鉄計画については唯一の成功例と言われているのだとか。

ドゥンボヴィツァ川沿いを歩く

Timpuri Noiの駅を上がり、川沿いに南下する。

少し歩くと、木でできた小屋や黄色い階段が目に入った。ここかな?
日曜日の昼前だったが、たまたまミィーティング開始時間と重なったことで人の出入りがあり、中を見せてもらえることになった。

入り口付近のスペース
MATER
MATER

MATERは建築およびデザインに関する素材ライブラリーとミィーティングルーム、展示スペース、コワーキングスペースなどが入ったクリエイティブ・インダストリーのクラスタが集う場所。

建物の屋上にはテラスがあり、様々なイベントが行われている。

ここからさらに南下したところに高層アパート群が立っていることからも分かるように、このエリアの価値が上がる日もそう遠くはないだろう。

OYO LIFE / 印発のスタートアップ

2013年以降、インドに仕事や旅行で行かれた方は耳にしたことがあるかもしれない。OYO(オヨ)というソフトバンクビジョンファンドが投資するインドのホテル運営最大手のスタートアップ企業が日本に進出する、というニュースが飛び込んできたのが昨年の10月のことだ。

米のAirbnb(エアビーアンドビー)がホテル宿泊以外の「民泊」というスタイルで日本のホテル業界に乗り込んできたのについで、今度は印のOYOが東京オリンピック開催間近の日本に上陸するというのだ。

創業の地インドに限らず中国や、マレーシア、ネパール、イギリスでもホテル事業を展開。急成長を遂げるホテルベンチャーOYOだが、近日中にホテル事業ではなく、日本の不動産業界に参入することが明らかになった。

OYOは、敷金・礼金・仲介手数料なしで即入居が可能な賃貸サービス「OYO LIFE」を開始する。次のステップとしてホテル運営事業も準備中だという。

ホテルのように部屋を選ぶだけ

OYO LIFEのコピーは「ホテルのように部屋を選ぶだけ」。日本の不動産契約に必要だった書類の山や敷金・礼金・仲介手数料といったものが排除され、スマホ一台で引っ越しが可能になる時代がやってきた。

こういったサービスの出現で人はもっと自由にいつでも気軽に移住できるようになる。

初期費用が
かからない

家具家電
Wifi完備

入居も退去もスマホひとつ

中でも一番驚いたのは、契約を決める前に3日間無料でお試し利用ができるサービスだ。

日本市場への参入

日本市場独特の問題とでも言おうか、Airbnbの場合にも行政が規制強化の方向に動いたため、無許可の施設が登録を抹消されてしまう、ということが起きている。

一時帰国中にAirbnbを利用したことがあるが、法律が変わってから一定の条件を満たさなかったであろう安い物件が姿を消してしまった。確かに安かろう、悪かろうの部分もあったので規制を強化したことで改善された面もあるのだろう。

OYO LIFEも事業を展開するに当たって、自治体などと連携して地元住民などから敵対視されない姿勢が求められるだろう。

マンスリーマンションやウィークリーマンションも数回利用しているが、保証人を立て、書類を何枚も書く必要があったり、原本を郵送したりとかなり手続きが面倒だった。

OYO LIFEはスマホ一台で全ての手続きが完了する、というのが強みだが、この高い技術力は注目に値する。OYOの従業員約8500人のうちデータサイエンティスト、人工知能(AI)などのIT技術者が700人超を占めているとか。

OYO LIFE、現段階ではまだ東京23区のみの展開だが、大阪に来たら是非一時帰国の際に利用してみたいと思っている。うまく行けば、今年の秋までに大阪に展開しているかもしれない。今後の成長が楽しみだ。

*文中の写真やグラフィックはOYO LIFEより

【ベルリン発】検索エンジン / Ecosia

今頃になってこの話題!?と思われる方も中にはいるかもしれないが、FBのタイムライン上で流れてきたベルリン発の検索エンジン「エコシア」(Ecosia)を紹介したい。

  • 2009年にChristian Krollによってベルリンに設立
  • 持続可能なプラットフォーム
  • Ecosiaの検索エンジンを使うことによって植樹に繋がる
  • すでに4800万本以上の木が植えられている(2019年1月25日現在)
  • 広告収入のほとんどが環境保全に役立てられている
  • 質の高い検索結果

使い方は簡単。EcosiaのサイトからFirefoxに追加するだけで完了。誰でもすぐに使い始めることができる。

検索するキーワードにも左右されるが、基本的には検索するたびに木が何本植えられたか画面の右上に表示される。

検索エンジンは普段からかなり使う方だと思うが、仕事をしながら木のマークが増えていくのを見るのはとてもいい。特別なことをしなくても、それが環境に対してポジティブな行動に繋がる、というコンセプトが素晴らしい。

ひとつユニークな点としては、MAP機能にTREEDAYかGoogleがあるところ。TREEDAYでベルリンを検索すると、以下のようなマップ上にレストランやショップのエコ度が併せて表示される仕組みになっている。

またこちらの機能も実際に使ってみて、エコ度の高いショップやカフェなどのレポートも書いてみようと思う。

すぐに始められるので、皆さんも是非一度試してみてくださいね。

https://www.ecosia.org/


ワルシャワのプラガ地区 / Warszawa-3

前回の続き。ワルシャワの歴史地区を後にし、トラムで橋を渡って街の北東にあるプラガ地区へ。この地区については、まだ余り開発も進んでいないせいかネット上の情報も少なく、仮に情報があったとしても「ワルシャワで最も危険な地区」というイメージばかりが先行しており、なんとなく腑に落ちなかった。

ベルリンからワルシャワへ移動する際、ポーランド航空の機内誌に「ワルシャワで面白いエリアのひとつがプラガ地区」という記述があったからだ。

今回の旅行は事前リサーチも特にせず、急遽現地で中高時代の同級生と落ち合うことにしたので、機内誌で目にしたキーワードを頼りに友人とあれこれ相談しつつ歴史地区を見た後にプラガ地区を目指すことにした。

目的地はZąbkowska通り周辺とSOHO Factory

まずはプラガ地区の壁画やアート作品を目印にそれらしき通りへ向かう。「ベルリンのクロイツベルク」という表現をしていた人もいたが、確かに修復されていない古い建物が目立ちホームレスなどの姿もちらほらと見かける。一昔前のクロイツベルクといったところか。ベルリンに比べると人通りはかなり少ないと言えるだろう。歴史地区から来ると、その対比に驚く人がいても全く不思議ではない。

それでも危険、というよりは少し薄汚れていて、あちらこちらにストリートアートが見られる、という程度である。ここにもワルシャワ独立100周年のロゴが。

道沿いのアルミホイルでぐるぐる巻きにされた建物はかなり目についた。Piotr Janowski による「Ząbkowska 9(ゾンプコフスカ通り9), take off!」というアート作品らしく、作品解説のプレートまで付いていた。19世紀に建てられたほぼ廃墟と化した建物をアルミホイルで包み込んだ作品だが、作者にとってはこれがこのエリアのポジティブな変化のシンボルだという。2015年にヤノフスキーはフロリダにある自宅も同様にアルミホイルで包み込んだそうだが、隣人たちの評判は良くなかったようだ。

この通りをまっすぐ行くと、以前工場だったような建物が左手に立っているのが目に入った。恐らくここが目的地のひとつのはずだ。入り口を探すが案内板などもなく、よくわからない。女性がひとりで開いている門から中に入り空き地を横切って向こう側へ歩いて行ったので、同じようにして空き地の裏にある建物の正体を探りに行ってみた。ベルリンの90年代も同じようにあちらこちらに修復中の建物や空き地が目立っていたので少し懐かしい感じがしないでもない。

外から見るとこれまた全く分からないが、一歩修復作業中の敷地内に入るとこの通り。

危ない云々以前に、かなりヒップな場所になろうとしているのが一目瞭然である。皮肉なことにクロイツベルク移転を実現できずに終わったグーグルのスタートアップキャンパスが入っていたのだから、驚きも尚更だ。プラガ地区の現在の状況が地下高騰や家賃上昇なども含め急激に変化するのは目に見えている。ジェントリフィケーションの余波がやってくるのも、もはや時間の問題だろう。ワルシャワがベルリンの二の舞にならないことを祈るしかない。

絵本のポップアップストア兼ギャラリー内にいた女性に聞いたところ、まだ敷地全体の工事そのものは終わっておらず、一時的な貸店舗を利用してポップアップストアやテンポラリーギャラリーなどが入っている状況だとか。

プラガ地区への道しるべ的な役割を果たしていた青いアート作品にもここで再会。きちんとしたギャラリーに収まっていると受ける印象が全く違う。ギャラリーは残念ながら閉まっていて、作者にまでたどり着けなかった。

グーグルキャンパスの方も活動はしているようだが、まだ建物の外にはCAMPUSのロゴが無造作に置かれているのみ。

この場所だが、以前はウォッカ工場だったようで、敷地内にはポーランドウォッカ工場博物館もある。ライプチヒの紡績工場跡地といい、欧州の再開発は工場の跡地をうまく利用しているところが多い印象を受ける。ロフトアパートなどが併設しているのも特徴的だ。敷地の広さや天井の高さ、頑丈な煉瓦造りなど再利用に際して利点が多いのだろう。

どうやらこちらが正面入り口のひとつであるらしい。Koneserというネーミングもここまで足を運んでみてやっと分かった。

余談になるが、プラガ地区について検索していると、いかにも旅慣れた風のバックパッカーの男性がゾンプコフスカ通りを歩きながら、この建物を背後に「プラガ地区はかなり危ないので気をつけてください。」という動画を2018年の夏にYouTubeに投稿していた。正直、街の持つポテンシャルに気付いてさらにそこからもう一歩踏み込んで欲しかった。

日本語だけに頼ると、どうしても情報が偏ってしまうので、グーグル先生には日本語だけでなく英語、そして可能であれば現地語で尋ねるようにするのがベストだと常々感じている。

そしてさらに言えば、ネット上の情報ばかりに惑わされず自分の感覚に従って、とにかく街を自由に歩いて見て欲しい。

既に飽和状態のベルリンに比べると、ワルシャワはまだまだ伸びしろのある面白い街だ、というのが今回の短い滞在で受けた私個人の印象である。

Koneserだけの紹介で終わってしまったが、SOHOの方もかなり興味深かったのでこちらについてはまた次回。

 

 

 

 

nextbike and Co. / シェアリングバイク競合

相変わらず春がやって来ないベルリン。曇天の中、ハーケッシャーマルクト方面へ散歩がてら出掛けて来た。
道中に自転車が一般の自転車に混じってゴロゴロと駐輪してあるのに出くわす。本場ドイツのLIDL / DBnextbikeがお馴染みだが、最近また新たに参入してきたシェアリングバイクらしきものもちらほらと見かける。

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DBのCall a Bikeと提携しているLIDL-BIKE

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サイクルポートを持つnextbike

ネットで調べてもベルリンのシェアバイクを網羅したサイトがヒットしなかったので、近くを実際に歩いてみて新たに参入していると思われるバイクを写真に撮ってみた。
例えばこちら。Donkey Republicはコペンハーゲン発のシェアバイク。ベルリン参入は2017年の春らしいが、これまで余り見かけなかったように思う。

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コペンハーゲン発のDnkey Republic

カラーもオレンジでよく似ているものとしてはこちら。シンガポール発のoBikeだ。このoBikeはミュンヘンではいきなり7000台と急な参入を図ったことで、ちょっとした問題になっているようだ。サイクルポートを持たないため、乗り捨てられた自転車が街の景観を損ない、それを住民が快く思わないためか自転車が故意に壊されたり池などに放り込まれたりしているのだとか。ベルリンには2017年11月に688台からスタート。
参入する国や街に配慮したプロモーション方法をもう少し丁寧に考えるべきなんだろう。住民が一度悪いイメージを持ってしまうと、生活の一部としてシェアバイクを使用するユーザーを増やすことはかなり難しくなるはずだ。

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シンガポール発のoBike

そう言えば、こんな自転車も近くの公園の池で見かけた。2017年11月からベルリンでのシェアを開始した中国発のMobikeらしい。
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これら3つの新参バイク。カラースキームもオレンジ系で類似しており、正直あまり区別が付かない。北京発のMobikeは氷の張った池の上にわざわざ駐輪されていたが、これは明らかに嫌がらせか何かだろう。Mobikeは2017年11月にベルリンにひとまず700台で参入している。
これらのシェアバイクシステム、ベルリン市内を走るのであれば自分の自転車がすでにあるので余り使用する機会もなさそうだが、もし仮にどれかを選ぶとするならライプチヒ発のnextbikeかな、と思っている。nextbikeはベルリン市から補助金も出ている。ドイツ国内で50箇所、世界25カ国で展開中。
特徴としては、日本にも2017年12月に上陸した音楽ストリーミングサービス「Deezer HiFi」(ディーザー ハイファイ)と提携しており、Deezerの月額9,90EURのプレミアムplusアカウントを持っていればnextbikeの使用が毎回30分までなら無料になるという魅力的なサービスだ。
Deezerは、2007年にフランス パリで創立され、すでに世界80ヶ国以上と最も多くの国で展開されている音楽ストリーミングサービスで、”高品質”が売り4.1kHz/16bitなどのCD音質をそのままストリーミング配信しているのでロスレスで楽しむことができるのだそう。

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ベルリン発のBYKE Mobility

ベルリン発のスタートアップ、BYKE Mobilityのことを忘れていたが、このバイクはスカイブルーとイエローで他のバイクとは違い遠くからでもすぐに分かるカラースキームが採用されている。料金も30分50セントと他社の半額である。
ところで、シェアリングバイクのシステムをいち早く導入した欧州内の街は2007年のパリなんだそうだ。狭くて自転車に乗りやすいイメージがないので意外だった。
シェアリングバイク各社とも無料キャンペーンなどで、実際に試乗できる機会を設ければベルリン市民のユーザーも増えるのではないか、と思うのだがいかがだろう。それぐらい思い切ったキャンペーンでも打ち出さない限り、なかなか競合に勝てないような気がする。
追記になるが、今日(2018/4/12)に近所の公園の側に駐輪されている二台の新参バイクらしきものを発見。アメリカ、シリコンバレー発のLimeBikeらしい。HPでは欧州のステーションがフランクフルトとチューリッヒの二箇所のみに限られているので、もしかするとベルリンでテスト期間でも行っている最中なのかもしれない。カラースキームは春らしいライムとイエローでよく目立つ。
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こんな風に各国からシェアリングバイクがどんどん入って来ることにより、街の景観が崩れないのか、歩道脇に所狭しと駐輪されるバイクが歩行の妨げにならないのかどうか気になるところだ。ベルリン市内では既におよそ1万台ほどのシェアバイクが利用できるということだが、北京発のofoもMobikeも新たに1万台で市場参入を希望しているそうなので、ベルリンが乗り捨てられた自転車だらけになる日もそう遠くはなさそうだ。
環境に優しいのはいいが、果たして長期的に見てうまく機能するのだろうか?
参考記事:Leihräder US-Start-Up drängt mit E-Bikes in Berliner Markt – Quelle: https://www.berliner-zeitung.de/29780808 ©2018
またまた追記(2018/06/01)になるが、シェアリングバイクの台数が増えるに伴い、日々乗り捨てられるシェアバイクが目に余るようになってきた。写真はたまたまofoのバイクだが、基本的にサイクルポートを持たないシェアバイクはミッテのあちらこちらで道を塞いでいる。子供もシェアバイクを目にするたびに「ママ、またあの自転車やで!あそこにも、あそこにも。」と言い出す始末。

この状態を放置していると酷いことになるな、という懸念があったが、とうとうミッテ地区の区長シュテファン・フォン・デッセル(緑の党所属)が対策に乗り出した。「我々はシェアバイク1台ごとに特別使用料を課したいのです。」将来的にはバイク1台ごとに3ユーロから10ユーロの範囲で料金を課す意向だ。
ただし、サイクルポートを持つNextbikeなどはこれに当たらず、逆に有利に働く仕組みになっている。ポズナンでも実際に使ってみて感じたことだが、やはりサイクルポートを持つシェアバイクの方が街の景観や利用者の秩序を保つ、という意味では非常にスムーズなシステムであると感じた。
ベルリン市内でも特にシェアバイクの多く集結するミッテ地区が料金を課す決定を下したことは、ベルリンの他の地区にとっても非常に重要なシグナルとなる。フリードリヒスハイン・クロイツベルク地区では自転車道をブロックしているシェアバイクを治安局(Ordnungsamt)に撤去させたばかりだった。
ベルリンのシェアバイク競合、今後どのような展開を見せるだろうか。

Berliner Cafés / ベルリンのカフェ

ベルリンで好きなものを挙げろ、と言われれば間違いなく「カフェ」と答えるくらい、この街のカフェが好きなのだが、数年前から少し気になっている事がある。

近所のカフェで注文しようとすると、こちらがドイツ語で話しかけているにもかかわらず英語で返されることがかなり普通になりつつあることだ。

昔からあるカフェではそんなことはないのだろうが、どうやら新規の店で見られる傾向らしい。そう、所謂ヒップなカフェとかいうやつだ。

この傾向はベルリンでも特に観光客やスタートアップ企業に人気のミッテ、クロイツベルク、ノイケルン、などで顕著なのだそうだが(ノイケルンでさえ今となっては「ヒップ」な地区入りらしい)どうもベルリンという街には削ぐわない気がするのは私だけではないはずだ。

上の写真のカフェでは英語のメニューが1ページ目、ドイツ語が2ページ目になっていた。

ベルリンもようやく国際的でオープンな街になった、と喜ぶべきなのか。どうも不自然で胡散臭い。そう感じてしまうのはなぜなのか。

相方が「カフェで英語しか通じないって、君みたいなこと言ってた政治家がいたよ。」と夕食の支度をしている時に教えてくれた。おお、違和感を感じているのは私だけではなかったんだ!

早速、検索してみたところCDUのJens Spahn(37)によるSprechen Sie doch Deutsch!という記事にたどり着いた。彼曰く、「ベルリンの多くのレストランで給仕が英語でしか対応しないことにイライラする。」とのこと。

CDU-Präsidiumsmitglied Jens Spahn (37) seinen Unmut geäußert. Ihn stört, wenn er in der immer internationaler werdenden Hauptstadt mit der deutschen Sprache bisweilen nicht mehr weiterkommt. „Mir geht es zunehmend auf den Zwirn, dass in manchen Berliner Restaurants die Bedienung nur Englisch spricht“, sagte der Staatssekretär im Bundesfinanzministerium der „Neuen Osnabrücker Zeitung“.

この発言を受けて、ツイッター上でも大きな反応があったそうだ。„I’m feeling so sorry for him. Poor guy.“と敢えて英語でツイートしたのはSPDのJuliane Seifert。嫌味たっぷりである。

Auf Twitter gab es ein großes Echo. „Ja. Dass alle auch Deutsch sprechen oder lernen, das dürfen wir von jedem Zuwanderer erwarten. Von jedem Touristen nicht, @jensspahn“, schrieb der Grünen-Bundestagsabgeordnete Volker Beck. Der Chef der FDP in Rheinland-Pfalz, Volker Wissing, twitterte: „Und wie viele Kellnerinnen und Kellner wohl von Jens Spahn genervt sind???“ Juliane Seifert, Bundesgeschäftsführerin der SPD, schreibt: „I’m feeling so sorry for him. Poor guy.“

恐らくSpahn氏に賛同するツイートもあったのだろうが、このZeitの記事には批判的な意見のみが羅列されており、Spahn氏がそれらの批判に対して以下の点で自らの考えを述べている。

  • ドイツ人のドイツ語に対する態度
  • 多様性と均一化
  • 若者の特定のクラスタ
  • 移民と現地語
  • 現地語で話すことの重要性 などなど

格安チケットで気軽に海外旅行ができる世の中にはなったが、どこに行ってもスターバックスがあり、Airbnbで予約したアパートにはIKEAの家具が置かれ、街角のカフェでは英語でオーダーができる。

これでは何だか物足りないし味気ないと感じるのは、果たして時代錯誤なんだろうか。便利になった分、失うものも多いのだ。

フォルクスビューネの監督交代の際にも、国際的な都市の劇場では英語で上演するべきだ、というような馬鹿げた発言も飛び出したが、これにもどこか通じる話なのではないか。自国の言語や文化を蔑ろにするようになっては元も子もないのである。

ところで、写真のような本屋に併設されたカフェスペースがたまらなく好きである。ここは割と新しい書店だが普通にドイツ語でオーダーができた。

BeCycle〜ベルリンのスタートアップ

今、抱えてる案件が自転車関連ということで、街を歩いていても「自転車」というキーワードについつい身体が反応してしまう。そんなこともあり、今回も前回と同様、自転車にまつわるスタートアップについて少し。
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©BeCycle
2016年の夏にオープンしたブティック・フィットネス・スタジオ、BeCycleのオーナーであるグンドゥラさんとビオラさん。これまでにロンドン、シドニー、シンガポール、そしてNYといった街に住んだことがあるのだそうだ。
そしてそこで得た経験を生かし、彼女達はアメリカのフィットネストレンドを初めてドイツ、首都ベルリンに持ち込んだ。45分間のスピニングというバイクエクササイズを地元ベルリンのDJサウンドと照明デザインと共に、まるでクラブのような空間で行うフィットネス。
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それとは別にBarre,H.i.i.Tやヨガのコースも受講可能だ。メンバー制ではなく、コース毎に支払うシステムを導入しているのもフレキシブルで嬉しい。
新しい物好きな人が多いであろうベルリンだったら、受け入れられること間違いなし。新鮮さを維持する難しさはあるのかもしれないが、スタートアップ企業も多く集まるミッテにオープンしたのも、新たなミーティングポイントとしては最適な選択なのかもしれない。
large_1472573779Photos: © 2016 American Architecture Prize

ヘルシーフードを提供するカフェMy GoodnessやCoworking、販売スペースなどサロン的な空間も同居した内装も魅力的だ。2016年にアメリカ建築賞をインテリアデザイン、コマーシャル・インテリア部門で受賞している。
近所をぶらぶら散歩していて、偶然見つけたロケーション。長男が入ろうというので、多少気後れしつつ中を覗いてみたが、次は是非ともスピニングを体験してみたい。

I LOCK IT〜ブランデンブルク州のスタートアップ

セミナープロジェクトから始まったアイデアから、期待されるスタートアップへ。ブランデンブルク州の機械工学者クリスティアン・アルヌートさん(32)とマルクス・ヴァイントラウトさん(33)はインテリジェント自転車ロックを市場に出そうと試みている。
まだプロトタイプしか存在しなかった頃、既に1500個の注文があったI LOCK IT。クラウドファンディングで集まった資金は17万ユーロにも達する。「安全性と使いやすさを一つにしたかった。」とクリスティアン・アヌートさんは言う。ターゲットは市内で自転車を毎日使う人々で、自転車を駐輪する回数の多い層だ。短時間の駐輪が続くと、どうしても毎回鍵をかけるのが面倒になり、施錠せずに駐輪されている自転車を狙ったスリの被害にあう、というパターンになりがちだからだ。
彼らによって開発された自転車ロックはサドルの下のフレームに取り付けられ、スマートフォンのBluetooth経由で所有者が近づくとフルオートでロックが外れる仕組みになっている。スマートフォンを持たないユーザーでも、ハンドレーザーを使用することができる。
仮に第三者が自転車を動かそうとすれば、アラームが発動する。また、GPS機能で自転車の所在地を知ることができる。専用アプリもあり、所有者は友人や知人とロックの情報をシェアすることも可能だ。
2016年の夏に会社を設立。2017年の春よりI LOCK ITが119ユーロで販売スタート予定。ファウンダーはeバイクの太いタイヤやマウンテンバイクに合わせた改良も行いたい意向だ。
HPではプレオーダー価格の99ユーロで注文を受け付けている。これはちょっと欲しいかも。
写真©TH Brandenburg