Mutter-Kind-Sprachreisen / 親子留学

「親子留学」というカテゴリーを初めて耳にしたのは数年前のことだ。

よく聞くケースは、母親と子供だけでドイツに来て、現地の小学校で学び生活をする、というパターンである。しかも、最初は難民を対象とした「ウェルカムコース」を受講するのだとか。

これだけ聞いても、親子揃って何がしたいのかよくわからない、というのが正直な感想である。

おそらく巷でよく謳われる「外国語教育は早い方がいい」、だとか「小さな頃に海外経験を積ませて視野の広い人間に育てよう」、だとかいう意識高い系ママに響きそうなキャッチフレーズを掲げているのだろう。

確かに一理あるかもしれない。だが、海外生活、特に不慣れな土地での育児はいいことばかりではないはずだ。マイナス面はネット上にあまり出てこないものだし、自分ひとりならまだしも、子供に自分のエゴを押し付けるのは考えものだ。

ただ、この手の謳い文句に踊らされ、自分の頭でよく考えずに渡独を決め、うまくいかなくなったら「こんなはずではなかった。」と他人のせいにするのはどうかと思う。とにかく、理想論ばかり掲げるサイトは信用できない、と思った方が賢明だ。何事も他力本願では失敗する。

お金を出したところで、他人の人生の責任をとってはくれる人などいないのだから、最低限の生活情報くらいは事前にリサーチをしておくべきだろう。

そのためには、やはりある程度の語学力は必要だろう。日本語の情報だけだとどうしても偏ってしまうため、最低でも英語、もっと言えばドイツ移住を考えるのであれば基礎のドイツ語力くらいは身につけておきたい。

夏休みなど学校の長期休暇を利用して、まずは3週間くらいAirbnb*を利用したり短期契約のアパートを借り、試しに生活してみるのもいいかもしれない。

日本の学校休暇とドイツの夏季休暇は時期がずれていることが多いので、学校見学などをさせてもらうのも手だと思う。

最初から1年とか3年という長期スパンで計画を立てようとするとハードルが上がってしまうので、まずは短期で様子を見ることをお勧めしたい。

私がベルリンに来た当時はネット環境も整っておらず、SNSなど以ての外だった。現地で実際に足と頭とわずかな人脈を使って、ひとつひとつ物事を解決するしかなかった時代だ。

今は事前に調べようと思えばいくらでも調べられる世の中なのだから、全て人に任せてしまうのではなく最低限のことは自分でリサーチするなりして、比較検討した上で決めればよいのではないだろうか。

場所を選ばずにできる専門職があり、金銭的な余裕があるのであれば、どんどんチャレンジしてもいいと思うが、そうでなければフリーランスですぐに稼げるようになる、という安易な考え方は危ない。

また、仮に途中でうまくいかないことがあればさっさと諦めて帰ればいいだけの話である。かっこ悪いなんて誰も思わない。

どちらにせよ、最終的な決断は自分で下す、という当たり前のことを忘れないようにしたい。

*最近、Airbnbを悪用した詐欺がある、との情報を得ました。ご利用の際はくれぐれもご注意ください。

ベルリン在ドイツ国日本大使館より「安全の手引き」が令和元年8月付で配布されています。その中でもドイツでの親子留学に関する被害事例が出ていたので、以下に貼っておきたいと思います。

在ドイツ日本国大使館による安全の手引きより

ベルリンの小学校生活やドイツ語の教授法に関する問題点などについても記事にしているので、興味のある方は以下のリンクやタグから飛んでみてください。

聴覚をもとに書く
昔ながらの教授法〜母語として書く
ベルリンの学校危機