Tiské stěny / Tissaer Wände 〜チェコの旅9〜

カメニツェ川の渓谷下りもプラフチツェ門(Pravčická brána)も既にクリアしたことだし、どこか他の場所へ足を運んでみよう、ということで選んだのがこちら。
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メズナーからジェチーンを経由して南西に約1時間ほどのティサー( Tisá)という町。ここにはティサーの岩壁(Tiské stěny / Tissaer Wände)という自然遺産がある。この不思議な岩壁の街はティサーの北部、エルベ砂岩山地(Elbesandsteingebirge)の景観保護地域(LSG: Landschaftsschutzgebiet)の西側の延長上に位置している。
また、このティサーの岩壁はRáječke、Ostrovské stěny及び Vysoký Sněžníkと共に魅力的な観光地とクライミングスポットを形成しているそうだ。さて、ティサーの岩壁入り口付近に着いた。目指すは岩壁。
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入り口で岩壁保護に使われるという入場料を払い、目指したのは大きな岩壁の緑ルート。こちらは1から56まで名前の付けられた岩を回るルートだそう。
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「いちーっ!」何やらワクワクさせられる空間である。
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大きなトンネルがあったり、細い抜け道があったり。
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長い階段で上に登ったり。残念なことに、穴のあいた岩場がかなり汚れていたのが気になったが、それを除けば大人も子供も楽しめる自然の遊び場だ。緑のルートを最後まで回ると、反対側の入り口にも入場料を払う小屋と休憩できるレストランがあった。
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地元の小学生にも人気のスポットらしく、遠足だと思われるグループをいくつか見かけた。

レストランではお決まりのスープ、パラチンキ、豚肉とクネドリーク (knedlík)をそれぞれ注文。歩いた後は食欲も進む。お腹がいっぱいになったところで、今度は赤のルートを通って反対側の入り口まで戻ることに。
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赤のルートは岩壁の上を歩けるようになっている。
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岩の先まで行って記念撮影をしている人もちらほら。
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車を停めた駐車場が教会越しに見える。「ママ、あそこから来たんやんな。」そうそう。このティサーの壁は613mの標高があるので、岩の先まで行こうとするとかなり足元が不安になる。
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緑と赤のルートを回るのに大体3時間くらい掛かっただろうか。
本格的にクライミングができる場所もあるので、もしチェコの国立自然公園に来られた際には是非寄ってみてはいかがでしょう。

Mezná / Stimmersdorf 〜チェコの旅8〜

フジェンスコから数分バスに揺られてメズナー・ロウカに到着。公園で大人がうたた寝をしている間に子供たちは何やら熱心に遊んでいた。
起きたらスープが出来ていた。

チェコで何度か美味しいスープを飲んだからかな?

メズニー・ロウカから2キロほど歩いたところに今回の宿泊先であるアパートがある。休憩もしたことだし、ゆっくり歩いて帰ることにした。
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草原が広がっており、子供たちも大喜び。ラズベリーやブラックベリーを見つけたよ。
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ブラックベリーが甘くて美味しい。
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草むらに潜むバッタ、木の洞には蜂の巣が。
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同じ2キロの道のりでも街中と自然の中では大違いだ。
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たまにはこういう何にもないようで発見の多い自然に触れることは大事だなぁ、と思う。
IMG_3748Meznáの夕暮れ。
窓の外を見ると何もない景色が広がっている。ロシアのプスコフでも感じたが、こうやって何もないところで過ごしていると見えてくるものが必ずある。

Mezná / Stimmersdorf 〜チェコの旅7〜

翌日はMezná(メズナー)からEdmundova soutěska(エドムンド渓谷)のボート乗り場へ向かうことに。普段の日の午前中だからか、渓谷沿いのハイキングコースにはまだ誰もいない。
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昨年の夏はメズニー・ロウカ村から青いルートでボート乗り場まで歩き、Divoká soutěska(ヂヴォカー渓谷)をボートで移動したのだが、今回はメズナーから緑のルートで南下してみたら、橋を渡ったところにある案内板にはヂヴォカー渓谷及びハイキングコースが封鎖中だと表記されていた。昨晩、おじさんがチェコ語で色々と教えてくれたのは恐らくこのことだったのだろう。
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知らなかったとはいえ、妙な偶然もあるものだ。今回は短いルートでEdmundova soutěska(エドムンド渓谷)のボート乗り場へ向かうことにして良かった。
さて、このエドムンド渓谷だが、19世紀に先ほどのヂヴォカー渓谷と今では通ることのできないフェルディナンド渓谷と共にボート通行と観光のために手を加えたのだそうだ。渓谷のあるカメニツェ川はザクセン・スイスのクリニッツェ川と並んで、以前は木材運搬のために利用されていた。鮭やマスといった魚の漁もボヘミアン・スイスでは重要な位置を占めていたらしい。
少し歩くと前方に休憩所が見えてきた。
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ここにも一番乗りのようだ。前回は4歳と6歳のチームだったが、今回は5歳と7歳に。かなり歩けるようになってきたかな?
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馴染みの岩の上でパチリ。この岩、記念撮影用なのか登りやすいように足場がちゃんと付けてある。ここでしばらく休憩したら、いよいよボートで渓谷下り。櫂でボートを操る渡し守が面白おかしくガイドしてくれる。今回もチェコ語とドイツ語を交えたお話だった。
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フジェンスコに続く渓谷沿いのハイキングコースには豊かな自然がいっぱい。短いルートであれば子供の足でも十分に歩けるとても気持ちの良いところなので一度足を運んでみてはどうだろう。

フジェンスコに到着。夏場はバスが運行しているため、ここから問題なくメズニー・ロウカ村まで戻ることができた。
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8に続きます。

Mezná / Stimmersdorf 〜チェコの旅6〜

今年に入って2度目のチェコ。今回は前々回に訪れたMezní Louka(メズニ・ロウカ)から2キロほど南下したMezná(メズナー)をまず拠点にすることにした。住民が40人ほどの小さな集落である。
この集落のドイツ語名Stimmersdorf の由来は現在でも明らかになっていないが、1446年のドレスデンアーカイブに初めてこの名前が出てくるのだそう。
宿泊するアパートから少し歩いたところにあるペンション併設のレストラン。公園が絶景だった。ここがこの集落の中心に当たる。
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どうやら、レストランと公園の間の道を通ってボート乗り場に行けるらしい。川に行きたいと子供達が言うので、ちょっと行ってみることにした。
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ちょっとどころか、どんどん下へ降りて行くことに。これ、また登って戻らなくちゃいけないんだよ、トホホ。
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やはり初日から体力勝負である。子供たちはきゃっきゃとはしゃぎながら早足で降りて行く。車で5時間ほど移動した後なのに元気なものだ。河原で遊んでいると、上の遊歩道を歩いていたチェコ人のおじさんに道の向こう側を指さされチェコ語で何か言われた(翌日その理由が明らかに)ので、何となく「děkuji(ディクイ)!」とお礼を言っておいた。

それにしてもこのカメニツェ川(Kamenice)の渓谷は何度見ても美しくきれいなところだ。河原でひとしきり遊んだ後で、またダダダッと公園まで一気に登り、ブランコを漕いでいた子供たちの身軽なこと。

夕ご飯が美味しかったのは言うまでもない。チェコでよく見かけるラズベリーのレモナードで乾杯!

今年もHamburger Bahnhofでワークショップ

昨年の夏休みに長女が参加したベルリンの現代美術館ハンブルガー・バーンホーフでのワークショップ。今年もあるみたいだよ、と伝えたところ参加したいと言うので申し込んだのがこちら。

Hamburger Bahnhof – Museum für Gegenwart – Berlin
Beweg dich! Film dich!
zur Sonderausstellung „moving is in every direction.
Environments – Installationen – Narrative Räume“
今年のプログラムはビデオ撮影。実際に展示されている作品と絡めたビデオ撮影になるようで、これまた何とも羨ましい企画である。
去年と同様、まだ5歳の長男はワークショップには参加せず、待ち時間に一緒に展示を観ることにした。
Anselm Kieferの作品Schecina(1999)を見るなり、「なんであんなん刺さってんの!?」「あれはなに?」
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Anselm Kiefer / Schechina 1999 / Staatliche Museen zu Berlin, Nationalgalerie, Sammlung Marx
このインスタレーション作品はユダヤ教の伝統に基づいた創造論、終末論、メシア論を伴う神秘主義思想カバラの数秘術を題材にした作品だという。

その向かいにはLeviathanがどーんと展示されていた。「ママ、あれは本?」

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Anselm Kiefer / Leviathan 1989 / Staatliche Museen zu Berlin, Nationalgarelie, Smmulung Marx

これは1987年に行われた西ドイツでの国勢調査(Volkszählung)に反対の意を示したキーファーの意思表示とも言える作品。
ドイツでは過去にナチスが国勢調査のデータをユダヤ人などの追跡に利用したり、旧東ドイツでシュタージと呼ばれる秘密警察が市民に関する大量のファイルを保持していた、という歴史的経緯がある。このため、ドイツでは欧州で最も厳しいデータ・プライバシー法が生まれており、国勢調査の実施に反対する市民運動なども起こっている。
あるインタビューでキーファーは次のように述べている。
「もし、誰かがそう望むとすれば私は政治的なアーティストではない。だが、歴史と向き合えば自ずと未来と向き合うことになり、それは政治に繋がっていく。私は政治的ではないが、常に政治的に見えてしまう。自ずとそうなるんだ。例えば、以前、まだワールド・トレード・センターが崩れ落ちる前だが、私は摩天楼に飛行機が墜落する作品を創った。私はこれを予言だとは見なさない。だが、何かをすればそれは未来に影響せざるを得ないということだろう。」

 アンセルム・キーファーはかなり気になるアーティストである。
それはともかく、5歳児の率直な反応を見るのはとてつもなく面白い。
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Robert Rauschenberg / Mule Deer 1977, The Frightened Gods of Fortune 1981 / Staatliche Museen zu Berlin, Nationalgarelie, Sammlung Marx
「ママ、椅子が!なんであんなんなってんの?」「どうやってすんの?」
「ママ見て!時計ついてる!」
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Joseph Beuys / Das Kapital Raum
 「ピアノあるで。」
ヨゼフ・ボイスの常設展示では観られない大きなインスタレーションとそれに関連したビデオ作品。
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抽象的で難解なコメントにもかかわらず、なぜかじーっと聞き入る息子。ボイスマジックなのか?難しくないの、と質問したところ、「いいねん、別に。」という答え。確かにそうだ。
「あの黒い部屋、まだあるかな。」
あの黒い部屋とは、リークホールに展示されているブルース・ナウマンのインスタレーションRoom with My Soul Left Out, Room That Does Not Care(1984)のことである。まだ覚えているのだから大したものだ。
結局、ホールの一番奥に展示されているため、そこには至らず、その手前の展示室でワークショップ中の長女を発見。
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興味津々でワークショップの様子を見守る長男。来年は一緒に参加できるかな。
どうやら三脚に取り付けられたスマートフォンでの撮影らしく、今の子供はカメラやビデオというメディアに早くから触れる機会が自然と与えられているのだなぁ、と思う。
3日間という短期間のワークショップの間に、展示を観たり聴いたりして感じたことをお互いに話したり、グループでショートフィルムを作成したりと十分に楽しめたようだった。
ベルリンでは休暇中にこういった様々なワークショップが探せばいくらでも出てきて、毎回どれにしようか迷ってしまうくらい。小学生の頃から色々なアンテナを伸ばせる環境が転がっているというのはいいものだなぁ、と改めて感じさせられた。