Wiedersehen nach 10 Jahren /10年ぶりの再会
一時帰国中に奈良で昔の同僚と。
先日はベルリンで昔の友人と。
10年、あるいはそれ以上会うことのなかった友人に会いに行った。
なぜそんなにブランクが空いてしまったのだろう。
子供たちも不思議そうに言っていた。
「ママ、なんで友達やのにそんなに会ってなかったの?」
そして、その理由を考えた。来月、長女は10歳になる。
ちょうど、第一子を出産したのが10年前に当たるのだ。
その頃は自分に子供ができるなど全く想像もしていなかった。年齢的にも微妙と言えば微妙で、もう子供は産まないだろうな、くらいに考えていたように思う。
ところが子供は生まれた。そして、それ以降は未知の世界が待っていた。
それまでは自分が世界の中心にいたわけだが、妊娠して出産してからというもの、世界の中心は子供に取って代わられたのである。
それがいいとか悪いとかそういう話ではなく、ただ、そうなっただけなのだ。
外国で生活する、というのはそれほど難しくはない。それまではそう思っていた。ところが、自分の事で手一杯だったところに子供の存在が加わった。
それによって仕事のやり方も生活スタイルも変えざるを得なくなった。
自分の世話だけでなく、赤ちゃんの世話が必要になった。
すぐに体力の限界、精神力の限界がくる。そんなキャパオーバーになる自分に愕然とした。
こんな状況になると、好きな時に自分の知人・友人に会う気力も体力も失われてしまうのである。
そんな調子で10年などあっという間に経ってしまった。これまでは気軽に声を掛けてくれていた友人たちも子供が生まれた途端に連絡が途絶えた。
忙しいだろうから、という心遣いもあったのだろう。
でも、子供たちも気が付けば7歳と9歳になって少し自分の中にゆとりが生まれた。ゆとりが生まれた、と言っても以前のようなわけにはいかないが、それでも子供たちが0歳と2歳、2歳と4歳だった頃に比べれば随分と楽にはなったのだ。
そんなタイミングで奈良では子供たちを連れて、以前同じ職場で働いていた同僚に再会できた。
そして、ベルリンでもひょんなことから連絡を取ることになった友人と再会できたのである。
彼らからすれば10年以上も連絡をよこさなかった薄情な友人なのかもしれないが、私にとってはそのわずか数時間の再会はとても貴重なものだったのだ。
久しぶりに会って話せたことが単純に嬉しかったし、やはり自分の繋がりも大切にしないとなぁ、と当たり前のことを再確認した。
10年振りに会っても、ほとんどギャップを感じられず何だか安心した。これもSNSのなせる技なのだろう。近況はなんとなく流れてくるからだ。
「また近いうちに会おうね。」と言って別れた。
近いうち、が10年後になりませんように。
最後に、この再会を記念してロシア人の友人が「いい曲だよ。」と教えてくれたTORPEDO BOYZ – Ich Bin Ausländer (Leider Zum Glück)のリンクを貼っておこう。
Villeicht bleibe ich auch hier.