Fabrica / ブカレストのオルタナシーン
前回、ご紹介したコットン工場跡地のスタートアップからトラムとバスを乗り継いで、ブカレストにはあまりないであろうローカル色の強いオルタナティブな場所、Fabricaへ。
ブカレスト市内の交通網を利用する際に注意しておきたいのが、バス・トラムと地下鉄の運行会社が異なるという点。ベルリン同様、料金設定が一律かと思い19番のトラムに乗る。地下鉄の券売機で購入した1日カードをカードリーダーにかざしたところ、反応なし。
それを見た年配の男性がすかさず、「これを使いなさい。このカードで大丈夫だから。」そして連れの女性が私の方を見ながら、「2人いるわよ、ほらあそこにも。」あれよあれよという間にバスの乗車カードで2人分の支払いを済ませ、まだいくらかチャージされているカードをくれたのである。
何度も言うが、今回のたった丸2日間の滞在で、何度街の人に親切にしてもらったか分からない。「あらあら、ルーマニア語が分からないのね!困ったわ。」なんて言われながら。
運が良かっただけなのかもしれないが、もしそうなのであれば半年分の運は使い果たしてしまっただろう。とにかくみんなすぐに助けてくれる。「券売機故障しているわよ!」から始まり、「このカードを使いなさい、あげるから。」まで。
手取り足取り、とはこのことだ。
こんな風に旅の最中に助けてもらうと、困っている旅行者を見かけたらすぐに助けたくなるというもの。
19番のトラムを降り、目の前を通り過ぎてバス停に向かう232系のバスに飛び乗る。少し行くと、それらしき建物が目に入った。
ベルリンのワルシャワ通り駅付近の建物によく似ている。既視感。
クラブやクライミングスペースなども入っている。
日曜日の昼下がりということもあり、子連れの家族もちらほら。さすがにここまで来ると、あまり観光客らしき様子の人もいない。まさにローカルな面々で賑わっていた。
日曜日なので、クローズしている店が多かったが、ショップ内に入るとこれまたとてもいい感じ。春の日差しだ。
Fabrica周辺をぶらぶら散策するのもいい。
DIY満載の味のある家がたくさん並んでいた。
またブカレストに来たら、この辺りをぶらぶらと歩いてみたい。
東欧なのにバルカンやオリエンタルなテイストも混在する不思議な街。人の距離感などもドイツに比べるとよりアジアに近いような気さえする。ルーマニアの地理がなせる技なのだろうか。
ルーマニアの首都ブカレスト、ご飯も美味しく、人も優しい。
歩いているだけでワクワクするとてもいい街だった。