【ベルリン】ワクチン接種センターへ行ってきた〜その1〜
ワクチン接種については、それほど急ぐつもりもなかったのだが、先日ホームドクターでウェイティングリストに700人くらい載っている、ということを聞かされた。さすがにそんな状態で待っていても年内に打てるかどうかも定かではないので、予約に対する変なスイッチが入ってしまったのだ。
第3グループの予約受付開始日だった5月13日にのんびりしていたせいで、出だしが遅れてしまっていた。その日の夕方にベルリン市内の接種センターの予約サイトを見たところ、既に予約でいっぱいになっていたのだ。そして、その翌日の5月14日に近所から徒歩3分のホームドクターに電話を入れ、リスト上に名前を載せてもらう、というところまではできていた。
2週間経っても何の連絡もないので、血液検査に行ったついでに状況を尋ねたところ、答えは先ほどの「700人待ち」。月末というタイミングだったせいなのかは定かではないが、ふとワクチン接種センターのサイトを確認すると、Modernaが接種できるアイススケート会場に空きがたくさん出ているのを見つけた。詳しいことはnoteの「悪い知らせと良い知らせ〜ベルリンのワクチン接種予約について」でまとめているのでここでは割愛するが、突然ワクチン接種ができることになったのは、上記のような流れだった。
結果論でしかないが、ホームドクターに行ったのが5月31日というタイミングだったのが功を奏した。
まとまって空きの出たアイススケート場でModernaを受けるはずだったのだが、同日23時頃に今度はアリーナというコンサート会場でBioNTech/Pfizerの予約に空きが出たため、急遽そちらに乗り換えたのだ。
必要書類について
予約を入れたのが5月31日。それからたった数日後の、今日6月3日に必要書類やパスポート、プレス証明カードなどを携えて会場に向かう。
- Aufklärungsmerkblatt(ワクチン接種に関する内容を説明したもの)
- Anamnese(既往歴)
- Einwilligung-Erklärung(同意書)
- Impfausweis(予防接種手帳)・・・持っていない場合は薬局で購入可能
- 身分証明書(パスポート)
上から3つの書類は予約センターのHPかRKIのこちらのリンクからダウンロードできる。RKIのサイトでは、日本語は対応していないものの、英語を始めとした23カ国語(!)に翻訳されたPDFも用意されている。当日、会場の受付でもらってから記入する、ということもできるようだ。時間が掛かるのは面倒なので事前に記入して持参するのがいいだろう。受付の際に記入漏れなどについては指摘してくれるので、それほど心配する必要もない。
今回、接種の際に持参できなかったのが予防接種手帳だ。子供たちは予防接種を幼児期に何度も受けているので、小児科で渡される予防接種手帳(通称:Impfausweis / Impfpass)を普通に持っている。
私の場合、ドイツに来てからモスクワに行く前に勧められた破傷風の予防接種を20年以上も前に受けただけなので、その際にもらった古い小さなカードくらいしかない。ドイツ人であれば持っている人が多いのか、見落としたのかは定かではないが、こちらは予約した際の注意書きに特に持ってくるように書いてはいなかったように思う。4ページにわたる説明書に記載されていたのかもしれない。
この予防接種手帳はホームドクターなので既に予防接種を受けて入ればもらえるものだが、そうでなくても薬局で1ユーロほどで入手できる。ホームドクターのところで他の注射を受けていればもらえるもの。接種会場のお兄さん曰く、今は3,5〜5ユーロになっている可能性があるらしい。「コロナで商売なんて最低ね、あなたは安く買えるところで買ってね」とそれを聞いたお医者さんはそんなことを憤慨しながら言っていた。世知辛い世の中である。
コロナビジネスの中でも、特にこの予防接種手帳を偽造する、というものがある。SNSなどには予防接種を受けた際に記入されるデータやシールの写真などをあげない方がいいらしい。そこにある画像を利用して偽造が行われるのだとか。
ワクチン接種会場での流れ
予約した時間は9時45分だったが、会場には10分ほど前に到着。それほど行列にはなっておらず一安心する。列は2列で自分の前に10人ほど並んでいたくらいだ。会場に入る前に手を消毒。入り口付近にいる担当者に、身分証明書を提示し、予約メールで送られてきたQRコードをスキャンしてもらう。かばんの中を見せて次に進む。会場内での撮影は不可。撮れそうであればという時のために本気カメラを持っていたので、「カメラはかばんから出さないでください」と注意を受ける。
次に案内されたブースで持参した書類の確認と登録手続きを行う。そこで簡単な質疑応答もある。「あなたはグループ3に属しているんですね」「この欄には一応チェックを入れておいてもらえますか」など。2回目の接種時にも同じ内容の書類を準備して持参するようにという説明も受ける。6月7日以降はグループ別の優先枠も撤廃される。
書類に不備がなければ、次はいよいよ接種ブースに回される。ここまで待ち時間なども一切なく、とてもスムーズな進行である。どちらかと言えば、施設の大きさやブースの数に比べて接種する人数が少なく、空いているイメージだ。
通されたブースに入ると担当者が「こちらに上着をかけてください」と一言。今日は暑いので上着を着ておらず、「え、上着はありませんw」というやり取りが。先ほどの受付のお姉さんはガムをクチャクチャ噛みながら受付をしてくれたし、お兄さんもどこまでが冗談なのかよくわからなかった。とにかく全体的にリラックスしたムードであることは間違いない。
スタッフの数もかなり多い。会場が広いので要所、要所に人が立っていて「こちらです!」と案内してくれる。さて、注射を打ってくれるお医者さんがブースに入ってきた。カーテンを閉めて簡単なやり取りが始まる。と、先生も忙しいのだろう、白衣ではないが防護のエプロンみたいなものがズレ落ちている。首の紐が取れているのが気になり過ぎたので、「先生、ちょっといいですか?外れてるので…」と断ってから結んであげた。「ギュッと縛っておいてね!」と先生。
既往歴に乳児の頃に受けた種痘の予防接種で引きつけを起こしたことをわざわざ記入していたので、先生に「この注射では気を失ったりしないから心配しないで」と言われた。その他はアレルギーの有無や服用している薬について聞かれるくらいだろうか。問診が終わったら、注射である。こちらはあっという間に終了。さっきのお兄さんが気を利かしてくれたのか、打つときに何やかんや話しかけてくれた。みんな優しいのである。
無事に接種を終えたら、最終ステップ。Beobachtung(経過観察)という待合スペースで15分間様子を見る。問題がなければ会場を後にすることができる、という流れだ。
ワクチン接種後の様子
接種直後はそれほど感じないが、帰宅して2時間くらい経過してから腕に筋肉痛程度の痛みが出てきた。こちらも個人差があるので、あくまで自分の経験として書いておくが、相方も腕の痛み以外はピンピンしていた。眠気と怠さに襲われたので少し横になったら楽になった。このまま何もないことを願いつつ。
会場でお兄さんがボソッと「ホットラインも機能していないし、サイトのシステムも…」と言いかけたら、先生がシーっとそれを止めていた。先生が「ビオンテックは数が足りていないのよ、全くダメ!」(先生、それもアカンやつなのでは)と不満気だったのが印象的だった。やはり色々と問題は山積みなのだろう。とにかく会場の運営については何一つ問題なかった。会場に入ってから出るまでに要した時間は45分ほどである。あくまでも個人的体験をまとめたものだが、少しでも参考になれば幸いです。
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