Palatul Parlamentului / ブカレストの議事堂宮殿
前回、前々回とブカレスト旧市街のリプスカニ地区について紹介したが、いよいよ、議事堂宮殿いわゆる「国民の館」へ駒を進めることにしよう。
ドゥンボヴィツァ川に架かる橋を渡り、ウニリイ通りを延々と15分くらい歩く。とても暖かく天気の良い日だったが風がとても強かった。
館内見学ツアーなどは今回は特に考えておらず、普通に入れそうな国立現代美術館を目指す。が、遠い。延々と真っ直ぐな道が続く。この時点で17時少し前。
この感覚、モスクワのそれに近い。地図の縮尺が他の街とは異なるのだ。18時が閉館だというのになかなかたどり着かない。
一難去ってはまた一難。第一関門でショートカットを試みるが「Parlament」の表示が。案の定”Nu!”と一言。
第二関門「Senat」でも”Nu!”
3度目の正直でビジター門に着いた時はすでに17時半前。警備をしていた2人の内、ひとりが “Nu!” というので、まだ17時半前だから行けるのでは、と交渉。写真だけならいいよ、と適当な返事しか返ってこない。
変だな、と思っていたら車止めのコーンを蹴飛ばして車に乗ってさっさと帰ってしまい、残された警備員は「あいつはクレイジーなんだよ。」と責任を彼に押し付けた挙句、通してくれた。
まあ、これもモスクワの警察とほぼ同様で彼らも暇なのである。
特に悪気はない。
第三の関門を突破したが、この先300mの表示。奥にようやくそれらしき建物が見えてくる。
国立現代美術館の入り口に着いたのが17時半。荷物検査の担当者がチケット売り場の女性に「まだ大丈夫?入れていい?」というような確認をし、通常料金が16レイのところをなんと無料にしてくれた。
「早く、早く!もうすぐ6時だから!!」
とにかくみんな親切なのだ。
急いでいたため、入り口のお姉さんの館内の決まりに関する説明もきちんと聞かず、展示スペースへ。
思った以上に充実した内容と作品数で、ここまで集中して展示を観て回ったのはこれが初めてであった。
余りにも駆け足で集中したせいで、途中で何かルーマニア語で話しかけられても上の空できちんと反応できなかったのだが、後で考えるとカメラ撮影の追加料金を払わずに写真を撮っていたからかもしれない。
急ぎすぎるとロクなことがない。最後にカメラで撮ろうとしたら、入り口のお姉さんに窘められたからである。「さっきも言いましたけど、スマホでフラッシュなしならOKなんです。」(よく聞かずにごめんなさい。。)
今回はそんなわけで駆け足の訪問になってしまったが、ブカレストを再訪した際はもっとゆっくりと観たいと思っている。テラスにカフェもあるそうなので、そちらにも行ってみたい。
外に出ると完全にマジックアワーになっていた。ここがブカレストだとは一見信じがたい光景。
ブカレストがかつて「東のパリ」「小パリ」と言われていたというのにも納得が行く夕景だった。