#NeuinMitte / ミッテにようこそ!
#NeuinMitteというハッシュタグを見かけたので、なんだろうと思って調べてみたら、ベルリンのミッテ区役所が難民支援の一貫として半年目処のプロジェクトを始めようとしているのがわかった。
ベルリン在住の日本人である私には直接関係のないことなのかもしれないが、「移民政策」や「難民政策」という問題は、ドイツ国籍を持たない「無期限の滞在を許可されている」ステータスの私にはとても興味のあるテーマである。
なぜか。外国人として日本の外で暮らす以上、移住先の国の法律次第で生活基盤が揺らぐ可能性がないとは言い切れないからだ。長く住めば住むほど、その国の政治や時事問題に無関心でいられなくなるのは自分の生活に直接関係してくるのが見えてくるためだろう。
さて、ミッテ区役所の応募要項をまとめてみよう。
- 母語がアラビア語・ペルシア語/ダリ語(おもにイラン・タジキスタン・アフガニスタン及びウズベキスタン・ロシア・コーカサス地方・バーレーン・イラクの一部でも話される)・パシュート語(アフガニスタン、またパキスタンの西部に住むアフガン人)・ティグリニャ語(エリトリア中央部およびエチオピアのティグリニャ人)でドイツ語レベルがB1以上の者
- ベルリンの難民に情報を与えるネットワークを有する者
- ソーシャルメディアやその他の情報チャンネルに関する経験を有する者
- リサーチやジャーナリズムに喜びを見出せる者
聞きなれない言語がわんさか出てきて面食らうが、概要はこんなところだ。ツイッター上でリツイートが多いわけでもなく、そもそも情報がドイツ語でしか出ていないところも気になった。
募集人数は1から3名、あるいは活動団体とあるが、謝礼金として時給15ユーロから20ユーロ、週に5時間程度で半年を目処となっている。履歴書とプロジェクトに関するアイデアなどをメールでwillkommensbuero@ba-mitte.berlin.deまで送付すること、とある。もし、近くに知り合いがいる方は教えてあげてほしい。
実際に上記の条件に当てはまる人々のところにまで、この情報が届くのかどうか疑問に思った次第。
ミッテの市長がこの情報をHPなどで公開したのが1月29日。応募締め切りは今月17日で面接などは今月中に行われる予定になっている。
実際に息子の通っていた幼稚園でお会いしたイラン人の家族はメールアドレスも持たず、ドイツ語も英語もたどたどしかった。彼らはいつまでたっても必要な情報にリーチできないのではないかと心配になる。クラス委員の連絡事項もメールで書いたものをプリントアウトしてロッカーに置いていたくらいだ。
リサーチをする上で一番必要なのは調べている国の言語で書かれたサイトを検索すること。英語や日本語だけではどうしても情報が偏ったり少なくなってしまう。ドイツの生活情報も詳細まで調べたいのであれば、必ずドイツ語は必要になる。
日本でも最近、日本に住む外国人の子供が義務教育を受けることができず、社会に適応できない、といった類のニュースも増えてきている。
移民・難民政策について経済界や政界にインタビューをした際にも、皆が口を揃えて「最優先事項はドイツ語教育だ。」と言っていたのが印象的だった。
ベルリンのスタートアップ業界で自分の持つ専門性を活かして仕事をする上では、英語さえできれば何も問題なくコミュニケーションが図れるのだろう。
要は自分がどのクラスタで何をどこまでしたいのか、ということになってくるのだろう。世の中はますます細分化され、分断化されていくのかもしれない。
来月以降、このハッシュタグがどのくらいアクティブになるのか、というのが気になるところ。長期的なプロジェクトに成長すればいいのだが。