Willkommensklasse / 移民・難民のためのウェルカムコース

以前から気になっているウェルカムコースについて、過去の新聞記事などの情報を参考に少しではあるがまとめてみようと思う。

こちらの記事は2017年3月31日付のターゲスシュピーゲル

Es ist eine große Herausforderung, die Berlins Schulen zu bewältigen haben: Wie integriert man die seit 2015 sprunghaft angestiegene Zahl von Kindern und Jugendlichen ohne Deutschkenntnisse, so dass sie möglichst schnell am normalen Unterricht teilnehmen können?

2015年以来、爆発的に増えたドイツ語知識のない子供そして青少年たちを短期間でいかに正規授業に参加させることができるのだろうか。これがベルリンの学校に与えられた大きな克服すべき課題だ。

Der Tagesspiegel / Wie erfolgreich sind die Willkommensklassen?

まず前提として、正規授業のための教員の数が慢性的に不足しているのがベルリン市の状況である。その上さらにドイツ語の知識がほぼゼロの移民や難民の子供たちにドイツ語を教えようとウェルカムコースが設置されているわけだ。

Nachdem es 2016 vor allem um die Frage ging, woher man die Räume und die Lehrer für all diese Kinder bekommen sollte, gerät nun eine andere Frage in den Vordergrund: Was kommt nach den Willkommensklassen?

2016年にこれらの子供たちの教室や教員の確保について問題になったが、別の問題が浮上した。ウェルカムコースの後には何が起きるのだろうか、ということだ。

Zwar vermeldet die Senatsbildungsverwaltung, dass 60 Prozent der Kinder im Grundschulalter den Übergang in die Regelklassen in weniger als sechs Monaten schaffen und weitere 19 Prozent auch nur sechs bis neun Monate brauchen. Aber was ist mit den anderen Grundschülern – mit jenen 20 Prozent, die nicht so schnell mitkommen? Und mit all jenen, die zwar nach sechs oder neun Monaten wechseln, aber in der Regelklasse „untergehen“?

ベルリン市教育局によれば、小学生の年齢である児童の60%が半年未満で正規授業を受けられるレベルに達し、さらに19%が半年から9ヶ月で授業が受けられるようになったという。しかし、その他の小学生についてはどうだろうか。その他20%の早く学べない子供たちについては?それに、6ヶ月から9ヶ月で正規授業に移行したものの、そこで「落ちこぼれてしまう」児童についてはどうだろうか?

Der Tagesspiegel / Wie erfolgreich sind die Willkommensklassen?

教室や教員の確保についてはともかく、ウェルカムコースを受ける児童の進歩もバラバラな上、正規授業を受けられる程のドイツ語力を短期間で何とか身につけたとしても、そこから落ちこぼれる子供たちが多いというのが実情ではないだろうか。

言葉の問題以上に、日常生活における文化的な相違や、学校生活における暗黙のルールなどを理解するに至っているのだろうか、と記事を読んでいて感じた。

ただでさえ教員不足の中、ウェルカムコースでそこまでカバーしきれているとは到底思えないからだ。体育の先生が一番授業時間数が少ないので、急遽ウェルカムコースでドイツ語の授業をするように言われた、という話まであるくらいだ。

さて、以下の内容は小学生ではなく、もうすこし年齢層の高い子供たちに関する記事になる。

2017年7月23日付のモルゲンポスト紙によると、未成年者の難民はベルリンの学校でウェルカムコースの授業を受けている。彼らは正規授業が受けられるか職業準備コースを受講できるドイツ語力が付くまでウェルカムコースに留まる。

ベルリン市教育局(Senatsbildungsverwaltung)によると8800人が748のウェルカムコースで学んでおり、このモデルはベルリンの統合政策の中でも非常に重要な基礎となっている。

ふと気付けば、アレクサンダー広場に警察が駐在するようになっていたが、これは広場がここ数年で難民たちの溜まり場になりつつあり、グループ間の抗争がエスカレートしているためだという。警察官だけではなく、ソーシャルワーカーも配置されているという。

教育局の話では、難民の背景を持つ子供たち、そして青少年らの多くはトラウマを抱えてドイツにやってくるという。「そのトラウマによってウェルカムコースでも、学習困難や社会的行動障害などが明らかになるケースがあるのです。」

もう少し、ウェルカムコースの全体像を把握したいと思っているのだが、なかなか内情が見えてこない印象を受けた。何とか現場で関わる教員の方にお話を伺ってみたいものである。

参照記事:Berliner Morgenpost / Viele Flüchtlinge lernen nicht schnell genug Deutsch
Der Tagesspiegel / Wie erfolgreich sind die Willkommensklassen?

タイトル写真:picture alliance / dpa



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