Klimaschutzprogramm 2030 / 気候保護プログラム2030年

スウェーデンの気候変動活動家グレータ・トゥーンベリ。彼女の抗議活動に触発され、Fridays for futureと呼ばれるデモ活動は欧州内に留まらず、世界的な抗議活動へと発展している。

明日25日の金曜日にドイツ各地で予定されているデモ開催地のマップが以下である。ベルリンでも12時よりInvalidenparkをスタート地点に行われる予定だ。

Fridays For Futureドイツ HPより

毎週金曜日に行われるようになった若年層を中心とした抗議活動。息子の小学校でも「クラスでデモに参加できないか?」といった案が保護者から出たほど市民の関心も高い。

自主的に学校の授業を休んでデモに参加するという抗議活動だが、ドイツ国内の専門家や科学者もその抗議内容を支持する表明を出したりと活動をサポートする動きが高まっている。

Sientists for Furtur HPより

我々は「未来のための科学者」(Sientists for Future)が連邦持続可能賞2019年を受賞したことは非常に喜ばしいことだと考えています。「グレグレゴア・ハゲドーン博士および「未来のための科学者」は「未来のための金曜日」(FFF=Fridays for Future)の活動に対して本質的な賛同の意を公式に表明しました。このことはFFFがたった数ヶ月でドイツ国内の気候保護および気候変動へのこれまでに見られなかった規模で公的な注意を喚起することに繋がったのです。

S4Future, 2019.10.21

そんな中、毎週金曜日にデモは地道に続けられており、政治家も無関心でいるわけにはいかない状況を生み出しているのだ。

連邦議会報道官および連邦政府報道局長(Sprecher der Bundesregierung / Chef des Bundespresseamtes (BPA)、シュテフェン・ザイベルトが10月23日のツイートで気候保護にとって大切な一歩、として国内のCO2排出取引システムの導入とCO2排出に対する基本的な料金設定について投稿している。

いよいよ、来たか。これはじりじりと値上がりするぞ、という感じのグラフィック。

海外在住組として一番気になる長距離フライト料金についてはこのようになっていた。

Klimaschutzprogramm2030 / Aktuelles 連邦議会HPより

欧州内の航空運賃税は5,53ユーロの値上げで13,03ユーロに。6000キロメートルまでの中距離フライトについては9,58ユーロの値上げで33,01ユーロに。長距離については17,25ユーロの値上げで59,43ユーロになる見込みである。

従来の税率は2020年4月より値上げされる。連邦政府はこれにより環境に優しい交通利用を促す効果を期待している。同時に自然保護プログラム2030年に必要な税収も見込んでいる。フライト料金の値上げに伴い、逆に列車のチケット料金にかかる消費税は19%から7%に引き下げられる。

ここで全てを網羅することはできないが、興味のある方は連邦議会のHPに気候保護プログラム2030の概要というまとめサイトがあるのでチェックしてみては。

今後はまた気軽に海外旅行に出られなくなる日が来るかもしれない。利便性と環境破壊は密接に結びついているということなのだろうか。色々と考えさせられる。

Naturkatastrophe / 自然災害の爪痕〜台風19号〜

ここ最近、毎年のように起こる日本での自然災害。

10月初旬に発生し、日本列島に上陸した台風19号は広範囲に渡り大きな爪痕を各地に残している。今後の復旧作業にもずいぶんと時間が掛かるだろう。

これだけ立て続けに自然災害が起こるようになると、復興作業に復興作業が重なり、いつまで経っても日常が戻らない地域が出てくるのではないかとさすがに心配になる。

2011年に起きた東日本大震災による福島第一原子力発電所事故の問題だって、実際はまだ何も解決していないのだ。

ツイッターのタイムラインを見ていると、台風一過でまだ水没している地域がたくさんある中、すでにラグビーの話で盛り上がっていたりもする。

そのあまりの「パラレルワールド」振りに疑問を感じないでもない。

日本の母親と今朝、ラインでメッセージを交わした。関西在住のため今回の台風では直接的な被害は受けなかった。

それでも「ほんまどこにいても、いつどうなるかわからないわ。」と呟いており、まさにその通りだと感じさせられた。

南海トラフ地震もいつ来るのか誰にもわからない。日本は災害列島なのである。

ずいぶん前に日本のテレビの番組でミュンヘンに本社を構えるミュンヘン再保険会社を訪れて話を聞いたことがある。その時に印象的だったのが、日本、特に東京が世界最大のリスクを抱えた都市であるという説明だった。

その原因となっているのが、地震や台風などの自然災害の頻度と人口密度だ。

今回の台風では都心部だけでなく、地方でも甚大な打撃を受けている。

長野市内を流れる千曲川が氾濫したため、JR東日本の「長野新幹線車両センター」が浸水し、留め置いていた北陸新幹線の120両が浸水。被害は全車両の3分の1にのぼるのだそうだ。1編成12両を製造するのにおよそ32億8000万円かかるということなので、120両が廃車になれば巨額の損害が出ることになる。

まだまだニュースでカバーしきれない多くの地域で浸水したり、家が倒壊したりしているはずだ。身内の家が被害に遭っていたらと思うと本当に他人事ではない。

ドイツからでは本当に何の力にもなれないのだが、せめて少額でも寄付しようと思う。どこに募金をしようかと思っていたら、FacebookでHIKAKINさんの動画が流れてきたのでYahoo!基金にすることに。

Yahoo! JAPAN ID登録が必要だが、ドイツのクレジットカードでも募金できるのでドイツ在住でも簡単に手続きができる。

寄付が2倍】令和元年台風19号緊急災害支援募金
(Yahoo!基金)

一刻も早い復興を願っております。

タイトル写真:気象衛星が捉えた、11日10時50分の台風19号(気象庁提供)=共同

Namen und Nationalität / 名前と国籍

ミュンヘンの空港で手に取ったDie Zeit(ツァイト紙)。分厚くて読み応えのある週一発行の新聞だ。

以前、ドイツ語の勉強のために時々買っては読もうと試みていたことがある。

ただ、一記事の文字数も多く内容も濃いため、辞書を片手に読むのに相当苦労する。

さて、その中でも気になった見出しの記事がこちら。

Mein Name ist Fatima
私の名前はファティマです。

Fatimaと聞いて、あなたはどんな人物を想像するだろうか。

ドイツ人の多くはムスリム(イスラム教徒)を連想するらしい。

“Oh, wir haben jetzt jemand anderes erwartet” – das hört Fatima Krumm oft
「おや、私たちは別の人を想像していましたよ。」ファティマ・クルムにとってはお決まりのセリフだ。

ドイツ人の彼女に両親はなぜこの名前を与えたのだろう。そして、この名前によって彼女は何に対面することになったのだろう。

記事への興味が否応なしに湧く見出しだ。

我が家の子供たちも相方のドイツ人の姓ではなく、日本人である私の姓を引き継いでいる。この選択は果たして正しかったのだろうか、と思わないでもない。

ドイツ人ではなく外国人だと思われることで、ドイツで生活する際にマイナスになることがあるのではないだろうか。

ただ、一方でそんなことくらいでマイナスになるような世界(会社や組織)には敢えて入って欲しくないとも思える。

そして、彼らが成人する頃にはもしかすると、既存の「国」や「国境」や「外国人」といった概念も今よりは薄らいでいるような気もする。またそうであって欲しい。

それはそうと、ファティマさんは一体これまでに何を経験してきたのだろう。

ファティマさんは1988年、ベルリンの壁が崩壊する一年前にDDR(東ドイツ)で生まれた。彼女の父親はこう語る。「もしいずれ西側に引っ越しするとわかっていたら、別の名前を付けていただろう。」と。「外国人など知らなかったのだから。」ここで彼の言う外国人とはイスラム世界の人々のことだ。

父親はトーマスというよくあるドイツ人の名前だ。娘は特別でなければならない。そこで、両親はアイゼンヒュッテンシュタット(Eisenhüttenstadt)のドイツ人として生まれた赤ちゃんに70年代のDDRコミックで知られていたベドウィンのプリンセスの名前が選ばれたのである。

ファティマさんが名前による風当たりを受けたのは西側のヴォルフスブルク(Wolfsburg)に引っ越しをしてからだったという。

学校には多くの移民背景を持つ子供たちがいた。それまでの学校は民族的にはほぼ単一の環境だった。ファティマとして突然、ムスタファやモハメッド、ハムザやラムツィアといった中に座っているととても違和感を感じた。誰も彼女がファティマという名前だということを信じようとしなかったためだ。

学校でも、仕事上でも、日常においても「ファティマ」には偏見や思い込み、誤解や不利な状況などがつきまとう。中でもキール(Kiel)で家を探している際は特に顕著に感じたのだそうだ。

「君はもう書類を送る必要はないよ。どうせ読まれないんだから。どこかで選別されなければいけないんだしね。」こんな風に面と向かって言ってきた仲介者もいたという。しかも仲介者自身、ドイツ人ではなかったのだそうだ。

そこで、ファティマはドイツ人のフェークネームで書類を出すことにした。そうすれば高確率で返事がもらえ、部屋を見ることができたからだ。

小さなことだが、買い物をしている時にも「これはあなた名義のクレジットカードではないですよね?」だの、「ここですぐに返却遅れの罰金を払ってもらえますか?」など、写真付きの図書カードでさえ本人名義のカードだと信じてもらえないような場面もあったそうだ。

日本でも外国人はアパートを借りるのが難しい、とよく耳にするがドイツでも実際には同じことなのかもしれない。

ここまで、多種多様な人種が生活しているベルリンでも気付かないところで選別は行われているのかもしれない。

ベルリンの壁が崩壊しても東と西ドイツ人の心の壁は解消されないと聞く。外国人となるとさらにハードルが上がるのかもしれない。

名前など気にせず自由に暮らせる世の中になるのはいつのことだろう。

参照記事:Die Zeit / Mein Name ist Fatima
タイトル写真: ©Florian Thoß für DIE ZEIT

E-Scooter / 電動キックボードスクーター

ポーランドの首都ワルシャワやポズナンで見かけた電動キックボードスクーター。

観光客目線ではとても便利そうで魅力的な乗り物に映った。ワルシャワでは冬で寒過ぎたのと、ポズナンでは子連れだったため実際に使ってみる機会がなかったのが残念だ。

ワルシャワの目抜き通りシフィエントクシスカ通り

ここ数年で観光客が目立って増加しているベルリン。

なぜ電動キックボードスクーターが導入されないのだろう。

ワルシャワやポズナンでは何の問題もなくスムーズに導入されている印象を受けた。一番の理由は街がベルリンほど混んではいないこと。特にポズナンでは市内の運転マナーが歩行者優先で非常に良かったこと。とにかく、交通網でイライラしている人が少ない印象だった。

ポズナンを例に挙げると、シェアバイクもドイツ発のNextbikeのフランチャイズ一社のみが参入しているだけで、基本的にはステーション型になっているため、自転車がベルリンのように歩道に好き勝手に駐輪されていない。

電動キックボードスクーターにしても、おそらく現状では一社のみで回しているのだろう。歩道脇にきちんと並べられていたスクーターも特に邪魔だとは思わなかった。

ベルリンはシェアバイクひとつ取っても、何社もまとめて一斉に介入してきた印象が強い。しかも、街のあちらこちらにてんでバラバラに自転車を設置した感がある。

腹いせなのか、ただのイタズラなのかもしれないが、自転車が公園の木に引っ掛けてあったり、池に投げ込まれていたり、凍った池の上にわざわざ放置されていたりするのだからタチが悪い。

利用者のマナーも悪い。ただでさえ狭い歩道を塞ぐかのような駐輪の仕方なので、住んでいる者にとっては邪魔でしかない。

今の飽和状態をさらに悪化させかねないのが、今回の電動キックボードスクーターの導入である。観光客にとってはおそらく魅力的な移動ツールになるだろうが、小さな子連れの親や高齢者にとってはおそらく危険が増すだけだろう。

車と自転車でもすでに喧々囂々なのに、そこに電動キックボードスクーターが加わればストレスもマックスである。ドイツ人はどういうわけか乗り物に乗ると豹変するタイプが多いのだ。

ターゲスシュピーゲルにはこれでもか、というほどネガティブな調子の電動スクーターに関する記事があった。

Die E-Scooter sind ein Riesenfehler!
Helme? So ein Quatsch! Fußgänger? Aus dem Weg! Wenn E-Scooter im Sommer Berlins Verkehr erobern, wird Blut fließen.

Der Tagesspiegel

電動キックボードスクーター(導入)は大間違い!

ヘルメット?そんなもの意味がない!歩行者?どけどけ!もし、電動キックボードスクーターが夏にベルリンの交通網に参入すれば、流血沙汰になるだろう。

記事内ではこれまで導入された各都市の問題が羅列されている。

パリ:導入された電動キックボードスクーターの台数が今年ですでに4万台。
マドリッド:電動キックボードスクーターが歩道をたくさん走るため歩道の安全が保たれなくなった。
サンフランシスコ:住民がいい加減に置かれたキックボードスクーターの上にう◯ちをする。
ストックホルム:導入後に(弊害が多過ぎて)規制を試みる。
オースティンおよびワシントン:車との接触事故
バルセロナ郊外:死亡事故

テイクアウトのコーヒー片手に乗ったり、セルフィーを撮ったりすれば、時速20キロで歩道に倒れて痛い目にあう。12歳以上であれば乗ってもよし、とする現行法では問題があるのでは?

とにかくこの記者は電動キックボードスクーターに大反対という立場から、初めから終わりまでこんな調子で「電動キックボードスクーターの導入には慎重になった方が良い。」というメッセージをぶちまかしているのだ。

類似記事をシェアバイク導入の際も数多く見かけたが、現状、導入に成功したのかしていないのか何ともはっきりしない。そんな状況でまた電動キックボードスクーターも導入してしまうのがベルリンのやり方なんだろう。やれやれ、である。

また近所の公園の池が放り込まれた自転車やら電動キックボードスクーターやらでいっぱいになるのであれば、こんな迷惑なことはない。

zu viele Touristen? / ベルリンと観光ブーム

2010年頃だろうか。近所の交差点周辺にホテルが次々とオープンした。

ホテルばかり建ててどうするんだ?と思いきや、それに伴ってツーリストもどっとやって来た。幸運なことに、我が家はメイン通りには面していないため、窓を閉め切る冬場はそれほど騒音なども気にならない。

しかし、暖かくなってくると、近所の公園には目に見えて放置されたゴミが増え、道端にも割れたビール瓶などが目立つようになる。

数年前からBSRが公園の掃除も担当するようになったおかげで、今はそれほどひどい状態にはなっていない。

とにかく、最近は地下鉄やSバーンに乗っても混んでいることが多く、ラッシュアワーには道路も以前より渋滞するようになった。もちろん、ベルリンに流入する人が増えたことも原因のひとつだ。

ミッテ区よりも観光客が流れているのが、クロイツベルクやフリードリヒシャイン区だ。レストランやクラブ、バーなどが密集するエリアには若い観光客が集まる。

英国、アメリカ、イタリア、スペイン、オランダなどから来る観光客が中でも多い。

国別のベルリン延宿泊数(拡大図

ベルリンの観光客数だが、2018年には約1780万人が訪れている。延べ宿泊数は2018年には前年の3115万泊から3300万泊までに増加した。

一部のエリアでは騒音やゴミにうんざりした住民が観光客に対してノーを突きつけるようにさえなっている。

@Jörg Kantel / No More Rollkoffer / スーツケースお断り!

ホテルが増えた地区は、ミッテ、クロイツベルク、フリードリヒスハインと空港付近に当たるシューネフェルトだ。

ベルリンの延べ宿泊数の推移

ドイツホテル・飲食店業連盟(DEHOGA)の責任者レングフェルダーは「まだまだベルリンにはホテルの需要がある。メッセや国際会議、祝日にはホテルが満室になる。平均的な宿泊率は80%で、これはドイツ国内でもとても良い評価だ。」と主張する。

ホテルの増加を規制するといった、政治的な介入を牽制したいのだろう。
経済成長を取るか、住民の生活を守るのか。

確か、ベルリンだけではなく、ヴェネツィアやマヨルカ島などでも観光客の増加に伴い、住民の生活の質が低下する、といった問題に発展していたように思う。

Airbnb(エアビーアンドビー)やその他のあらゆるサービスによって、人々は以前よりも簡単で自由に移動できるようになった。この流れは今後さらに加速していくだろうし、この状況に街や住民がどのように折り合いをつけていくことができるのかが課題になってくるだろう。

今はおそらく過渡期なので、移動する生活というのが当たり前になれば、課題や問題はさらにに上のレベルにシフトしていくことだろう。

国と国の間の線引きなどもそのうち必要ではなくなるかもしれない。

参考記事:Berliner Zeitung: Das Torismus-Dilemma Wichtige Wirtschaftskraft oder Kiez-Zerstörer? ; zu viel Lärm, zu viele Hotels Kreuzberg hat keine Lust mehr auf Touristen

„Fridays for Future“ / 学校の代わりにデモへ

皆さんは16歳のスウェーデンの環境活動家、グレタ・トゥーンベリをご存知だろうか。

2018年12月に、ポーランドのカトヴィッツで開催されたCOP24(気候変動枠組条約第24回締約国会議で、気候変動の危機を訴えた人物だ。

Why should I be studying for a future that soon may be no more, when no one is doing anything to save that future? And what is the point of learning facts when the most important facts clearly means nothing to our society?

Greta Thunberg, eine 16-jährige Klima-Aktivistin im Streik.

トゥーンベリは、すでに新学期の始まる2018年の8月から当初は毎日学校に行かず、ストックホルムの議会前に座り込みをしていたそうだ。そして選挙後に、金曜日のみに絞って、気候変動に対するデモを行なっている。

トゥーンベリの自転車「気候危機は対策を立てるべき危機だ!気候はもっとも大切な案件だ!」
©Gretas cykel Gamla stan, Stockholm, Sverige, September 2018

もしかすると存在しない未来のために学ぶことに意義があるのか、そして最も重要な事実が社会にとって何の意味もなさないのに、それらの事実を学ぶのに何の意味があるのか、とデモの際にコメントしている。

そしてトゥーンベリに賛同をする若者によって世界中にFridays for future運動が広まっているのだ。

「ほんの数人の子供たちが学校を休むだけで世界中が注目するのです。」

彼女の戦術は物の見事に成功した。今の若い人たちはネットワーキングを利用し、実際に行動に移すのも早い。この大きなうねりで今の世の中の仕組みを変えることができればテクノロジーの進化も悪くないな、とさえ思う。

明日、22日の金曜日にもドイツ各地でデモが行われる予定だ。ベルリンでは12時からミッテ区の連邦経済エネルギー省(Bundesministerium für Wirtschaft und Energie:BMWi)に面したインバリーデンパークをスタートに首相官邸前までデモが予定されている。

*タイトル写真はFridays for futureのサイトから引用しています。

Flussbad Berlin / シュプレー川で泳ごう

大都市に流れる川。

パリのセーヌ川、ロンドンのテムズ川、大阪の淀川。ベルリンはシュプレー川。

街の真ん中を流れる川の水質をきれいにし、泳げるようにしたい。

そんなイニシアチブを持った人々が集まり、Flussbad Berlinは2012年にスタートした。

プロジェクトのアイデア自体はすでに1997年にアーティストで建築家のヤン・エドラーとティム・エドラー(realities:united) によって生み出され、翌年98年に公表されている。

時代とともに、環境問題に対する市民や国の姿勢は大きく変わり、プロジェクトが立ち上げられた頃よりも多くの関心を集められるようになった。政府やベルリン市が助成金を出すようになったのである。

ベルリンの市民が夏になると向かうのが市内や郊外にたくさん点在する湖だ。
その他、川に浮かんだプールBadeshiffなども数年前に話題になったことがある。川に浮かぶスイミングプール、こちらもなかなか素敵なロケーションだ。

Badeschiff©Thorsten Seidel

„Flussbad Berlin“ 「ベルリン河川敷プール」はベルリンの歴史地区における都市開発プロジェクトである。100年以上も積極的に利用されていないシュプレー運河を3つのエリアに分け、再活用を目指す。

Naturnaher Flusslauf / 自然に近い川の流れ

Fischerinsel付近の三日月湖のような運河エリアはエコロジカルな再生ゾーンとして整備される予定だ。動植物相のためのスペースとして、欧州目標基準を満たす水質の向上も目指す。

Natürlicher Wasserfilter / 自然のウォーターフィルター

植物を利用したフィルターで川の水を浄化する機能を持たせるエリア。400mの長さのフィルターに河川の水を通すことで、人が泳げる水質を目指す。

Schwimmbereich / プールエリア

美術館島沿いに835mのプールエリアを作る。水面積は23.700 m2。これまで全く利用されてこなかった街の中心エリアに位置する大階段とルストガルテンやフンボルト・フォーラムを繋ぐという構想。

新たな公共の場が出会いや散歩、スイミングに誘う。

このいわゆる「シュプレー川で泳ごう」プロジェクト、なかなか期待できるプロジェクトではないだろうか。

近い将来、ベルリンでお気に入りの場所がひとつ増えるかもしれない。

*参考サイト:http://www.flussbad-berlin.de/
本文中のグラフィックや写真はFlussbad Berlin e.V.のHPより引用しています。

BND-Park Südpanke / 連邦情報局と緑地エリア

今月8日に正式に開設した連邦情報局(BND)。

BNDが移転してくる前は、ペンペン草が生えていただけの空き地だったところで、確か非常にゆるい打ちっ放しのゴルフ場なんかがあったところだ。

東ドイツ時代は世界青少年スタジアム(Stadion der Weltjugend)という競技場であった。1992年に2000年夏のオリンピック開催に向けて新しいスタジアムの建設が計画されるのに伴い、東独時代のスタジアムは撤去されることになる。

結局、夏のオリンピックがシドニーで開催されることになり、更地にスタジアムが建設されることはなかった。

Stadion der Weltjugend
©Bundesarchiv, Bild 183-11500-1062

そのがらーんとしていた広大な空き地に巨大なコンクリートの建物が気づけばその姿を現していた。周りはごく普通の住宅地。よくこんなところへ移転してきたものだ。

移転に伴い、どちらかと言えば味気のないホテルや高級マンションが周辺に建設されているが、相変わらず特に活気があるエリアというわけでもない。

そして、その巨大なコンクリートの裏手には、これまたなんの手入れもされていない空き地があった。整備されていない土手と小さな人口の運河パンケだ。

さすがに連邦情報局の裏庭に当たる場所をこのまま放置するわけにもいかないのだろう。BND職員のオアシスになるかどうかは別として、緑地計画が現在進行中のようなので、近くまで行く用事のついでに足を運んでみた。

GrünBerlinによる緑地化プロジェクトはいくつかあるが、ここが手がげているプロジェクトとしてわかりやすいのはテンペルホーフ空港跡地だろう。

テンペルホーフといえば、ベルリンにまだ壁が存在した頃、アメリカ軍によって西ベルリン市民のために空輸が行われたことで有名な空港である。

あいにく今日は曇天だったため、寂しい絵になってしまったが、きちんと整備されれば新たな市民の憩いの場が生まれるに違いない。

ところで、2番目の写真を見て違和感を覚えた方はどれくらいいるだろう。
無機質なコンクリート建築の前にヤシの木が立っているのにお気づきだろうか。

どこかで見たことがあるなぁ、と思ったら、ワルシャワのシャルル・ドゴール広場に立っていたヤシの木とほぼ瓜二つ。

ワルシャワで見たヤシの木のアート作品

ドイツの政府関連施設にはよくアート作品が展示されているので、BNDのホームページを探してみたが特に触れられている様子もなく。新聞記事を当たってみたが、「盗聴アンテナなのか?」的な記述しかなく。

謎の深まるヤシの木の存在。

手前と奥にヤシの木が2本見える

正面入り口ではなく、建物の後ろ側に2本ポツンと設置されているので、違和感しかない。正体が知りたいので、分かり次第更新したいと思う。


Orange im Grün / 緑の中のオレンジ

朝一で公園を走っていると、すれ違うのは犬の散歩をしている人、自転車で子供を幼稚園に連れて行く人、出勤する人、ホームレスなどだが、気づけばそこに、オレンジ色のユニフォームを着た人たちが加わった。

ベルリン市内には公園がたくさんあるが、夏になると大勢の人が芝生で日光浴をしたり、ピクニックをしたり、中にはバーベキューのできる公園もあったりするので、週明けの月曜日は目も当てられないほどの惨事になる。そう、ゴミの山でだ。

近所の公園もそんなわけで、つい最近までは本当にひどい状態だった。そもそもゴミを持ち帰る、というマナーが欠落しているのには驚かされるが、その上に割られたビール瓶の破片が飛び散っていたりもするので危なくて仕方がない。

子供たちにも、「大きくなってもゴミはその辺にポイポイ捨てないように。必ずゴミ箱に捨てるか、持ち帰るように。」と普段から言い聞かせている。ゴミ箱の数だけはやたらめったら多いのだ。

ベルリンはとにかく日本に比べると(他のドイツの街と比べても)街中や地下鉄などが格段に汚いので、子供たちも日本に帰るたびに「電車の中がピカピカ。」「道にゴミが落ちてない。」と喜んで報告してくれるほどだ。

どうして、公園がきれいにならないのか、と不思議に思っていたら、地区ごとに公園や緑地の管理を行っている道路および緑地局(Straßen- und Grünflächenamt: SGA)では手に負えない状況になっているというのだ。清掃員の数も足りていないらしい。

そこで、ベルリン市がパイロットプロジェクトと称して、これまでは公共道路の端の清掃を担当していたBSRに2016年の6月から、段階的にベルリン市内の公園の清掃を割り当てることにしたのだそうだ。

その中に近所の公園も入っていたようで、昨年の6月頃からオレンジのユニフォームを見かけるようになった。朝だけではなく、少なくとも1日に2回は掃除をしてくれているようだ。

その成果は明らかで、目に見えて公園に落ちているゴミが減った。公園内にある人口の池には氷が張るたびに、自転車や買い物カートが置かれてはいるものの、全体的にきれいになったことには変わりはない。

さて、この状態がいつまで保たれるのかが気がかりなところだが、地域住民の反応はもちろんポジティブだ。感謝の声も多く届けられているらしい。

現在、BSRでは市内にある46箇所の公園を担当しているとのことだが、少なくとも今年2019年末まではオレンジ色のBSRを公園で見られる予定だ。

今年いっぱいと言わず、ずっと先まで続けて頂きたいところではある。

BSRのオレンジ色のゴミ箱