Drohbriefe und Stalking / 脅迫状とストーカー
ツイッターでストーカーの話が少し出たので、ドイツのストーカー (Stalking / Nachstellung) 事情について少し調べてみた。
その前に、実際に自分がベルリンで体験したストーカーまがいの出来事について書いてみよう。
ベルリンにやって来て2年半くらい経った頃だろうか。友人の頼みで受けた新聞のインタビュー記事などにも原因があったように思うが、ある日、自宅アパートの郵便受けに手書きの小さな紙が入っているのに気が付いた。
なぜかご丁寧にかなり下手な英語で書かれており、鉤十字マークがいくつか入ったものだった。
何がよくないかと言えば、郵便で送られて来たものではなく、直接投函された紙切れだったということだろう。
今から思えば、完全に個人を狙ったストーキングである。
しかもそこに書かれていたのはかなり物騒な話であったので、翌日大学にその紙切れを持って行き、講義を一緒に受けていたドイツ人学生に見せてみた。
「これは家にひとりでいたらヤバイでしょ。今日は一緒にいてあげるよ。」
と、何人かの学生が家に来てくれたのを覚えている。
すると、なんとその翌日にまた紙切れが投函されていたのである。
「お前は、昨日の20時に家にひとりでいなかっただろう。〇〇すぞ!」
いやいやいや、大概物騒である。例のマークは相変わらず書かれたまんま。
なぜ、家で誰かと一緒にいたと分かったのだろうか。同じアパートの住人ではないかと考えた。そうであれば、こんなところに住んでいれば何をされるか分かったものではない。
仕方がないので、当時家族のようにお世話になっていたドイツの父に相談してみた。
「出来るだけ早くその家を出なさい。」即答である。
ひとりで住むのが不安であれば、家に来ていい、とさえ言われた。感謝しかないではないか。結局、父のような存在であった方の家で共同生活を始めるきっかけになったのだが、その父の息子も改装中のアパートがあるから住めばいい、と言ってくれたりもした。プレンツラウワーベルクの給水塔のすぐ側にあったアパートだ。
警察でも事情を説明したが、その時に言われたのが、ストーカーはほとんどの場合が自分の知っている誰かである場合が多い、ということだった。
思い当たる人はいますか?と聞かれたが、思い当たるわけがない。
その件が最初で最後だったわけだが、ドイツにもこのようにストーキング行為をするものもいれば、ストーキングの被害にあう人もいる。私のケースは相手が明らかに外国人に対する敵対心丸出しだっただけに非常によろしくない。
ドイツにおけるストーカーの件数を現す統計グラフを見つけたので参考までに貼っておこう。
ドイツにおけるストーキングの件数は連邦刑事庁(BKA)によると年々減少方向にある。刑法典(Strafgesetzbuch)はストーカーを他人をその意思に反して付け狙い、その人物を暴力で脅す行為だと定義している。
2015年には2万1070人がストーキングの被害に遭っている。統計に加えることのできない届出のない件数を足せばその数はさらに増えるだろう。
女性が男性の4倍ほどの割合でストーキングの被害に遭っていることが統計庁のデータで見ることができる。また、ストーキング被害の37%が以前のパートナーによるものだということだ。
参照記事:Stern / Diese Grafik zeigt, wie viele Menschen Opfer von Stalking werden
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