撮影コーディネーター 〜Aufnahmeleiter〜

珍しく仕事の話を少し。

今月はなぜか毎週のようにロケや取材が入っていて忙しい日々を過ごしている。毎日、制作会社勤めをしていた頃のような忙しさである。

ロケに行って洗濯をし、また荷造りして次のロケへ出る。

正直、今年前半はテレビ番組の撮影が数本入ったきり、後は小さな案件がちょろちょろ入る程度で閑古鳥が鳴いていた。

「いよいよ、営業しないと仕事が取れないな。」などと思いつつ、夏休みによく考えず帰国したのが嘘のようだ。結局、子供中心に動いたため営業もできなかった。

フリーランスというものは定期的に仕事が入るわけでもないので、このように先行きが見えない不安、というものを多かれ少なかれ感じるものなのだ。

会社にいた時はまだテレビ全盛の時代であったので、それこそバラエティーに富んだ番組の撮影を経験してきた。W杯にサッカーの取材、クラシックコンサートの中継から旅番組、情報番組などなど。

タレントがわざわざドイツまで来て海外ロケをする、というのも極めて頻繁に行われていた頃だ。

フランクフルトのボーリング場にスタジオセットを組んで撮影したこともある。その時は日本側とドイツ側のスタッフ総勢40人ほどを相手に仕事をしたが、あんな仕事はもう2度とやりたくない。

手配したクレーンが日本のものと違うと言われ、発注し直したクレーンからカメラマンが落ちるわ、撮影が長引きすぎてドイツ人の照明スタッフが途中で帰る、と言いだすわ。

まるでワガママまな幼稚園児を束にした相手と仕事をしているような現場だった。

某スポーツカーの撮影では300キロの車をヘリで追跡する撮影を行った。上下左右に振られ、危うく胃の中のものが全て出そうになったり。真っ青な顔でギリギリ着陸。

気球を使った撮影では風まかせで降りたところが畑のど真ん中で持ち主が飛んできて怒鳴られたり。

それはもう色んなことが現場では起こるのである。

会社を辞めてフリーになってからは、割と落ち着いた案件が多い印象だ。

気心の知れたクライアントさんや知人友人繋がりの仕事だからなのだろうが、時代の変化もあるのかもしれない。

最小限の機材に最小限のスタッフ。小回りが利き、無駄がない体制。ずいぶんと現場もやりやすくなっている印象を受ける。

ベルリン見本市でのカメラチーム

無駄がない分、一人当たりの負担は増えるわけだが、先日のベルリンとフランクフルトの見本市でもご一緒したカメラチームのほとんどがコミュニケーション力抜群でとても助かった。

ドイツ語や英語使いのクルーだと、間に割って入る必要がない分、進行がスムーズ。フランクフルトには以前から一緒に仕事をしているドイツ人音声と共に向かったが、日本からいらしたベテランカメラマンが英語で話してくれる、と嬉しそうにしていた。

コンパクトだが優秀な4Kカメラ

ドイツ人音声で日本のカメラチームに入ると、誰とも会話できないという状況も多々あるからだ。

そんなわけで、現場における自分の仕事は圧倒的に減ってしまったのだが、そこは割り切ってフードコーディネーターに徹してみた。

さすがビジネスの街フランクフルト。レストランのクオリティーはいたって高めの印象だ。

・ランチは時間のある時はラーメンにお寿司。それ以外は見本市会場でソーセージなど
・夕食はドイツ、イタリア、ベトナムに韓国レストラン

フランクフルト名物のGrüne Soße

どれも非常に美味しく、美味しいと翌日も楽しく仕事ができるというわけでいい感じに全行程を終えることができた。

寿司ランチ@岩瀬

ロケの食事は侮れない。



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