Orange im Grün / 緑の中のオレンジ

朝一で公園を走っていると、すれ違うのは犬の散歩をしている人、自転車で子供を幼稚園に連れて行く人、出勤する人、ホームレスなどだが、気づけばそこに、オレンジ色のユニフォームを着た人たちが加わった。

ベルリン市内には公園がたくさんあるが、夏になると大勢の人が芝生で日光浴をしたり、ピクニックをしたり、中にはバーベキューのできる公園もあったりするので、週明けの月曜日は目も当てられないほどの惨事になる。そう、ゴミの山でだ。

近所の公園もそんなわけで、つい最近までは本当にひどい状態だった。そもそもゴミを持ち帰る、というマナーが欠落しているのには驚かされるが、その上に割られたビール瓶の破片が飛び散っていたりもするので危なくて仕方がない。

子供たちにも、「大きくなってもゴミはその辺にポイポイ捨てないように。必ずゴミ箱に捨てるか、持ち帰るように。」と普段から言い聞かせている。ゴミ箱の数だけはやたらめったら多いのだ。

ベルリンはとにかく日本に比べると(他のドイツの街と比べても)街中や地下鉄などが格段に汚いので、子供たちも日本に帰るたびに「電車の中がピカピカ。」「道にゴミが落ちてない。」と喜んで報告してくれるほどだ。

どうして、公園がきれいにならないのか、と不思議に思っていたら、地区ごとに公園や緑地の管理を行っている道路および緑地局(Straßen- und Grünflächenamt: SGA)では手に負えない状況になっているというのだ。清掃員の数も足りていないらしい。

そこで、ベルリン市がパイロットプロジェクトと称して、これまでは公共道路の端の清掃を担当していたBSRに2016年の6月から、段階的にベルリン市内の公園の清掃を割り当てることにしたのだそうだ。

その中に近所の公園も入っていたようで、昨年の6月頃からオレンジのユニフォームを見かけるようになった。朝だけではなく、少なくとも1日に2回は掃除をしてくれているようだ。

その成果は明らかで、目に見えて公園に落ちているゴミが減った。公園内にある人口の池には氷が張るたびに、自転車や買い物カートが置かれてはいるものの、全体的にきれいになったことには変わりはない。

さて、この状態がいつまで保たれるのかが気がかりなところだが、地域住民の反応はもちろんポジティブだ。感謝の声も多く届けられているらしい。

現在、BSRでは市内にある46箇所の公園を担当しているとのことだが、少なくとも今年2019年末まではオレンジ色のBSRを公園で見られる予定だ。

今年いっぱいと言わず、ずっと先まで続けて頂きたいところではある。

BSRのオレンジ色のゴミ箱

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