Der Haus-of-One / 全ての人に開かれた家

ポストに無造作に放り込まれた無料の夕刊をめくっていると、ベルリンのアレキサンダー広場の裏手で進行中のプロジェクトに関する記事が目に止まった。
先日、更新したフンボルト・フォーラムもそうだが、最近「対話」をキーワードにしたプロジェクトについての記事が目立つような気がする。
今回のテーマは全ての人に開かれた家「Der Haus-of-One」。このプロジェクトによって世界で初めて、ユダヤ教、キリスト教、イスラム教の信者に向けて平等に開かれた場所が創造されることになる。
この建物の建設予定地であるペトリ広場(Petriplatz)にはベルリンがまだベルリン=ケルン(Berlin-Cölln)と呼ばれていた1230年頃に初めて建てられた教会があった。このペトリ教会は幾度となく建て替えられたが1964年に取り壊されてしまう。

2017年にはペトリ広場にて発掘作業なども行われ、昔の教会の基礎や白骨なども見つかっている。その後、土地の利用に関する話し合いが行われ、タイトルの「世界の家」の構想が持ち上がり現在に至っている。ベルリンの発祥の地とも言えるこの場所にふさわしいプロジェクトではないだろうか。
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工事が本格的に始まるまでは、写真の仮設パビリオン内で毎月第三火曜日の14時半から15時までマルチ宗教の祈りの時間が全ての人に開かれている。火曜日のこの時間帯に足を運ぶのは難しいが、タイミングが合えば一度は足を運んでみたい。
来年2019年の完成を目指すこのプロジェクトだが、建設資金をHP上で募っている。レンガ一個分、10ユーロから受け付けているようなので興味のある方は募金してみてはどうだろう。現在の募金総額は8.605.695 Euroなのだそうだ。
様々な背景を持つ人々が住むベルリンという都市に、一つ屋根の下で平和を願う場所が作られようとしている。あらゆる場面で人々の分断が進んでいるように見えるこのご時世、そしてその流れに逆らう、という意味でも実験的でベルリンらしい試みではないかと期待している。

*タイトルの予想完成図はhttps://house-of-one.org/de/presse上の素材を借用しています。

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