一枚の写真から③
恐らくベルリンに来て、割とすぐに撮った写真だと思う。
1995年頃の一枚。
こんな景色だったんだ。
人間の記憶なんて本当に当てにならない。
先日、ベルリンのミッテ地区で進んでいる大型文化施設プロジェクトについて書いたばかりだが、東独時代の共和国宮殿が川に突き出すように建っていたことすら覚えていなかった。
評判が悪いという、フンボルト・フォーラムの東向きのモダンなファサード。
あの無機質さも、実はこの共和国宮殿を少し意識したものなのかもしれない。
結局、一度も中に入ることもなく、いつのまにか解体されてしまった「エーリッヒのランプ店」。
共和国宮殿の持つ独特のテイストが淘汰されてしまったのが残念でならない。