ベルリンのウクライナボランティア情報

ロシアのウクライナへの侵攻以来、何かできることはないかと落ち着かない気持ちでいた。ツイッターのタイムラインでウクライナからベルリンの主要駅に到着する人々のためのボランティア活動を知ることになる。散々悩んだ挙句、「ロシア語ヘルパー」としてまずは3時間のボランティアに登録することにした。

noteにはその時の体験記のようなものを「オープンマインド」と題してまとめたのだけれど、その後でコロナに感染してしまった。感染後の体調不良が思いのほか長く続き、もうあれから2ヶ月が経過してしまった。できることなら定期的に参加しようと思った矢先のタイミングでの感染だった。

侵攻から約3ヶ月。気候もよくなってきたし、ベルリン市民の関心も徐々に他のテーマに移るタイミングではないかと思う。慣れというものは怖いもので、どんな災難があっても数ヶ月すると人々の興味や関心というものは間違いなく薄れてくる。実際、定期的にのぞいているボランティアのサイトでも、イースター休暇前後から、募集人数に到達していない日がほとんどという日が続いているのが気掛かりだった。

だから、というわけではないが、ボランティアに興味はあるけれどその方法がよくわからない、という人のためにベルリンのボランティア事情をまとめておこうと思う。日本にいる方には関係のないテーマかもしれないが、ベルリンのボランティア事情が少しでも伝われば幸いだ。

私自身が始めてボランティアに参加した際は、以下のような手順を踏んだ。

  1. ボランティアサイトで希望の日時を登録
  2. 事前に注意事項などを読んでおく
  3. テレグラムで情報が流れているので必要な場合は登録
  4. 余力があれば難民受け入れ先の情報などを整理
  5. 当日、遅れそうな場合や体調が悪く行けない場合はテレグラム経由でキャンセルの連絡を入れる

ボランティアとして登録できるサイトはこちら。

👉https://volunteer-planner.org/helpdesk/

ボランティア募集先リスト

ベルリンでは現在13ヶ所で募集しているようだ。この中で、到着したばかりの人々をサポートするのがZOB(ツォー駅のバス乗り場)、ベルリン中央駅、ズードクロイツ駅(バス停および駅構内ホーム)の3ヶ所になっている。初めて行った時は人混みを避けるため、それほど混雑が予想されないズードクロイツ駅に様子を見に行った。自分のロシア語がどれほど役に立つのか、皆目検討が付かなかったのもその理由だ。もちろん、ロシア語とウクライナ語を必要としないボランティア枠もある。ポーランドからの遠距離バスが多いため、ポーランド語話者リストも設けられている。ウクライナからの乗客がいるかどうか、バスの運転手とコミュニケーションを図る必要があるためだ。それにしても、3月下旬と比較すると明らかにボランティアの数が減っている。以下のリンクで本日5月17日付けのリストが確認できるが、ボランティア数が足りていないのは一目瞭然だ。ここまで状況が変わっているとは思っていなかった。

時間ごとに分かれた登録ページ

確かに移動を入れて4時間ほどを確保するのは簡単なことではないだろう。ウクライナから避難してくる人を相手に、現場で臨機応変に動くには体力的にも精神的にも余裕のあるときにしか、なかなか行く気になれないというのが正直なところだ。それでも、少しでも力になりたいと思っている人がいれば、是非一度試してみて欲しいと思う。久しぶりに話すロシア語で「お茶かコーヒーいかがですか?砂糖やミルクは必要ですか?スープもありますよ。」くらいしか話せなくても理解できる言語で話しかけることで、安心した表情を見せてくれれば少しは役に立てているのかもしれない。それに言葉が通じなくても、コーヒーやお茶を用意したり、スープをよそってあげることはできる。そういうものだと思う。

その他の情報サイト

住まいを提供するためのプラットフォーム:https://unterkunft-ukraine.de/
ベルリン市のサイト:https://www.berlin.de/ukraine/
語学学習教材:
https://klett-sprachen.pim.red/_files_media/downloads/9783126740203_WillkommenBeiUns_DL.pdf
(こちらのPDFファイルがうまく開けない場合はブラウザにコピペしてみてください)
https://www.harrassowitz-verlag.de/pdfjs/web/viewer.html?file=/ddo/artikel/83252/978-3-447-39283-9_Kostenloser%20Download.pdf#pagemode=thumbs

無料のPDFの教材はウクライナ語、ロシア語の両言語対応になっていて非常に便利だ。

もちろん、各受け入れセンターにも必要な情報が集められており、ウクライナから来た人々に質問されたときにそちらへ誘導すれば対応してくれるようにはなっている。ボランティア開始前には各所に配置されたコーディネーターからブリーフィングも受けられるので、質問があればその場で質疑応答も可能だ。現地では、ドイツ語を話せない外国人ボランティアも多かった。とにかく、お互いが通じる言語に切り替えてコミュニケーションを図れればいい。

3月下旬は、コロナの感染状況に今よりも不安があったが、ボランティアは基本的に抗原テストを事前に受ける必要がある。現地ではマスク着用が必須になっていた。ウクライナから来る人々はワクチン接種を受けている人も少ないようだし、マスクを着用する習慣もそれほどないように見えたが、その辺はこちらが気をつけるしかないだろう。

夏には帰国が控えているので、行けるとすれば今月かな。色んな兼ね合いを考えなければいけないので、ボランティアひとつとってもなかなか大変だと実感する。ただ、実際に行ってみると本当に色んな人が、それぞれの空いた時間に気負わずに参加していたので気が楽になった。

「たまたま仕事でベルリンに来ているんだけど、今日は時間があったから」というジョージアから来たロシア語、ポーランド語、英語話者のグルジア人。「ウクライナから避難してきた」というロシア語話者のウクライナ人の女性。ベルリン在住が長いであろうロシア人の女性。もちろんドイツ人のボランティアも多数参加していた。

ウクライナから来る人々もそこまで悲壮感が漂っている人ばかりではない。「あー、もうここがいいわね。あったかいスープも飲めるんだし。」ヨッコラショとベンチに腰を下ろしたおばあちゃん。赤ちゃん連れの女性。とにかく色んな人が色んな事情を抱えてベルリンにやってくる。

1日も早くこの状況が少しでもよくなりますように。



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