Unternehmensimage / 企業イメージ
ここのところ、Hornbachの個人的には悪趣味で全く面白さを感じないCMに対するコメントがツイッターでこれでもか、というくらい流れている。
端的に私見を述べると、まず何のための広告なのか意図がよくわからないし、誰に対して何のメッセージを投げかけているのかもよくわからない。
とにかくあのCMを見て、購買欲をそそられる層がそもそもいるのだろうか。企業名はいわゆる炎上商法で一部に知れ渡ったのかもしれないが、映像として美しいわけでもなく、ウィットが効いていて企業イメージが上がるでもなく、多額の広告費をかけてわざわざ制作するような内容の仕上がりにはなっていないように思う。
残念ながらドイツではよくある、面白くも何ともない「冗談」で大スベりした上、差別問題にまで発展しかねない何ともお粗末な結果に。
ただし、一個人がくだらない冗談で滑ろうが知ったことではないのだが、仮にも一企業なわけである。実際に多くの苦情が企業側に寄せられているはずだ。それに対して、特に何の対応もせず性懲りなく店内のモニターやオンラインにCMを流し続けるというのはデリカシーがないというか、無神経で野暮な対応だとしか言いようがない。
今のご時世、差別的な解釈をされるような内容のCM作りをしているようでは、企業として終わっているとしか言えない。所詮、この程度の企業なのだろう、と理解するより他ないクオリティーだし、今回の件で企業自ら程度の低さを露見させてしまったわけである。
というわけで、ここから先はクオリティーの高い企業CMのリンクを貼っておこう。
どちらの作品も、もはやCMという枠を超えアートの域に達しているように感じる素晴らしい完成度。
過去に何度か、ベルリンのピクセルデザイナーeboyとHondaのプロジェクトでご一緒させて頂いたクリエイティブディレクター、原野守弘氏の手がける作品たちだ。
この方の手がける作品にはいつも驚きが隠せないが、CMとは少し離れるものの、こちらのMVは何度見てもため息の出るクオリティーである。
特に最後の雲のシーンが本当に素晴らしい。この撮影、一体どのくらい時間が掛かったのだろう。考えただけで気が遠くなりそうだ。
ここまでの物を作るのは至難の技だが、世の中に出すのであれば、一企業として恥ずかしくないものを出して頂きたい。