zu politisch? / アートと政治の関係

2017年のドイツ連邦議会選挙でドイツの右派ポピュリスト政党「ドイツのための選択肢(AfD)」が得票率を大きく伸ばし、第3党に躍進したのは記憶に新しい。

総選挙から2ヶ月後、旧東独テューリンゲン州のAfD代表ビョルン・ヘッケが「虐殺されたヨーロッパのユダヤ人のための記念碑」(Denkmal für die ermordeten Juden Europas 、通称:ホロコースト記念碑)に対して「我々ドイツ人は、街の真ん中に恥のモニュメントを建てる唯一の国民だ。」という趣旨の発言をし、同党の執行委員から懲戒処分を受けている。

この発言を受けて、”Zentrum für Politische Schönheit” (ZPS、”The Center for Political Beauty”)のアート集団の活動家たちは、ヘッケの自宅私有地の目と鼻の先に、ホロコースト記念碑のレプリカを設置したのである。

Holocaust-Mahnmal vor Höckes Haus / ZPSのHPより

ZPSのメンバーはクラウドファウンディングで資金を募り、瞬く間に集まった資金で土地を購入し、コンクリートのレプリカを20以上制作したわけだ。

それだけでは収まらず、「ドイツ最高峰の扇動者」を監視するという目的でヘッケの自宅に向けて監視カメラなども設置。どこまでは本当かはわからないが、まるで東独時代のシュタージのように「危険人物」を監視しているかのようなVTRまで公開した。

さすがにYouTubeに公開した動画はその後、削除されたようだが、この監視も含めたアクションに対して、ヘッケやAFDを支持する地元住民が猛烈に反対の意を示した。

ヘッケ側は個人の人権侵害だと反論しているが、このアートの自由、強いては表現の自由、民主主義と個人の人権やプライベート侵害などが争点になっていることは間違いない。

このニュースを知った時は、妥協しないドイツの活動家のアクションとそれを支える民意、ラディカルな意思表明に少なからず驚いたものだが、とうとうこのアクションを妨げる力が働いたようだ。

ZPSのHPより

「国は16ヶ月もの間、「犯罪組織の設立」についてZPSを追求してきた。」とZPSのHPには記載されている。政治的アート活動に対する決定としてはドイツで初めてのケースらしい。

ベルリンのゴーリキー劇場の劇場総監督シェアミン・ラングホフ(Shermin Langhoff )は芸術の自由を脅かす決定だとし、公開書簡の中で説明と中断を求めている。多くの著名人も名を連ねている。

上で引用したツイート内のリンクからも署名が可能なので、賛同される方は是非。

コメントを残す