ワルシャワのプラガ地区 〜SOHO / Warzsawa-4
前回はワルシャワの北東にあるプラガ地区についてGoogleキャンパスなどが入るKoneserを中心に紹介した。
今回はKoneserからさらに東に位置するSOHO Factoryについて。
Koneserから少し戻ってトラムに乗り、Minska通りで下車する。周りにはこれまた見事に何も目立ったものが見当たらず、人通りもまばら。日が落ちるのが早いので辺りのひっそり感が半端ない。
本当にこんなところに?
何もないところだからこそ、新しいものが入る隙間があるのだろう。
トラムを降りて、ぐるっと辺りを見回しているとスッキリとした出で立ちの男性が迷いなく遠くに見えるそれらしき建物に向かってスタスタと歩いていたので、また例のごとく後をついて行くことに。
思った通り、こちらSOHOの住人であった。突然、現れるモダンな建物と真向かいの共産主義の名残が見える建物。これまた強烈な対比である。
このSOHO Factory、モダンなアパートと恐らくはコワーキングスペースやスタートアップのオフィス、その階下には保育園の施設などが完備されている。
敷地内にはオシャレな雰囲気のレストランもあり、夏場はテラス席なども出ると思われるのでかなり人出もあるのだろう。
ホームページが工事中で詳細が確認できないものの、SOHOも古い工場の跡地をうまくリノベして再開発された良い例だろう。使用されなくなった線路と車両をオブジェとして残しているところにも好感が持てる。
この敷地内にあるネオンミュージアムがここでのメインイベント。この博物館は個人所有で2005年以降、欧州で唯一のネオンを扱う博物館としてオープンしている。そして、ここに所有されている多くのネオンはポーランドポスター学校のメンバーであったグラフィックデザイナーたちが手がけたものである。
ポスターアートとネオンのフォントデザインがここで繋がるとは!ポーランドでは広告規制の厳しい中、50年代から70年代にかけてネオンライトは黄金時代を迎えた。灰色のどんよりとした街並みにネオンの輝きだけが街に色を与えていたに違いない。
ネオンの光は革命から生まれたものでもあり、国家のプロパガンダにも利用されるというアンビバレントな存在だったのかもしれない。
ネオンミュージアムを観た後に目にするネオンサインは、またどことなく違った印象を与えてくれた。
ネオンミュージアム、オリジナルのカップ。底面のロゴもいい。