ベルリナー/ Berliner

ベルリンに住んでもうかれこれ20年以上にもなるが、19日の出来事ほどひどくショックを受けたことはない。
「ブライトシャイト広場のクリスマスマーケットにトラックが突っ込み、死者9人、負傷者少なくとも50人程度。」Twitterを何気なく見ている時に飛び込んで来た文字列に愕然とし、それから深夜までどんどん増えていくツィートを必死で追いかけている自分がいた。
とうとう、来たか。というのが正直な気持ちだった。これまで欧州の主要都市でテロが相次いで起こる中、ドイツの首都ベルリンで何も起こらなかった方がある意味不思議だったからだ。仕事の関係で、23時過ぎにもかかわらずパリや東京から電話が入ったりもし、気持ちがザワザワしたまま眠りについた。
一夜明け、子供達をキタに迎えに行っても、小学校に迎えに行っても事件について言及する人は誰もいなかった。みんなそれぞれ、日常生活を淡々と送ろうとしているように感じた。
「ベルリナー(ベルリンっ子)は無関心を装う。」
初めて、ベルリンを訪れた際に受けた印象そのものだ。ここに昔から住む人々は、例え一大事が起こったとしても、バタバタ騒いだりヒステリックになったりはしない。そして、ベルリン特有のどこかゆるく、何処の馬の骨かも分からぬ輩を受け入れられる器の大きさこそが、この街の魅力なのだということを知っているはずだ。
ベルリンとベルリナーが今後もその魅力を失わないでいられるよう、願わずにはいられない。テロなどで街の魅力を奪われてたまるものか。そんなベルリンは見たくない。

クリスマス市でお亡くなりになられた方々にご冥福をお祈り申し上げます。


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